プロジェクト方式
●地球研では、既存の学問分野や領域で研究活動を区分せず、「研究プロジェクト方式」によって総合的な研究の展開を図っています。
●研究プロジェクト方式は段階を経て研究を積み重ねていく方式です。全国の研究者コミュニティに公募された研究を、IS(インキュベーション研究 Incubation Study)、FS(予備研究 Feasibility Study)、PR(プレリサーチ Pre-Research)、FR(本研究 Full Research)という段階を経て実施することで、研究内容を進化させ、練り上げることを目標としています。
●国内外の研究者などで構成される研究プロジェクト評価委員会の評価をFS 以降の各段階の対象年度に実施し、それぞれの研究プロジェクトの自主性を重んじつつも、研究内容が平板な積み重ねにならないように配慮しています。また、IS を除くすべての研究プロジェクトが、研究の進捗状況や今後の研究計画について発表を行なう場として、研究プロジェクト発表会を開催しています。
●終了した研究プロジェクトに関しては、研究の終了後2 年間はCR(終了プロジェクト Completed Research)として、成果の社会への発信や次世代の研究プロジェクトの立ち上げなどさらなる研究の展開を図っています。
●研究プロジェクトを5 つの領域プログラム(循環領域プログラム、多様性領域プログラム、資源領域プログラム、文明環境史領域プログラム、地球地域学領域プログラム)に配置し、研究の統合性を高めています。また、2010 年度からは基幹研究ハブをおき、3 つのイニシアティブ(風水土イニシアティブ、山野河海イニシアティブ、生存知イニシアティブ)に沿って、地球研が主導する基幹研究プロジェクトを実施し、研究の中枢性を高めています。
研究プロジェクトの進め方
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インキュベーション研究(IS)(※本年度の募集は締め切りました)
終了プロジェクト(CR)
終了プロジェクト(CR)の成果をアーカイブスにまとめ、成果を社会に発信し、さらに次世代プロジェクトの立ち上げに役立てることは地球研の使命です。CRについては、終了後2 年目の年度末に事後評価を行なうほか、研究プロジェクトを通じて得られた研究活動のシーズ(CR事業)の展開を図ります。
地球研終了プロジェクト
これまでに終了した研究プロジェクトは全部で22 になりました。
終了年度 | リーダー名 | プロジェクト名・主なフィールド | |
2012 (CR1) |
奥宮清人 | D-03 | 人の生老病死と高所環境─「高地文明」における医学生理・生態・文化的適応 ヒマラヤ・チベット(インド・ラダーク、アルナーチャル、中国・青海省、ブータン) |
酒井章子 | D-04 | 人間活動下の生態系ネットワークの崩壊と再生 マレーシア(サラワク)、モンゴル |
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門司和彦 | R-04 | 熱帯アジアの環境変化と感染症 ラオス、ベトナム、バングラデシュ、中国(雲南省) |
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2011 (CR2) |
川端善一郎 | C-06 | 病原生物と人間の相互作用環 日本(琵琶湖)、アーハイ(中国) |
窪田順平 | R-03 | 民族/国家の交錯と生業変化を軸とした環境史の解明――中央ユーラシア半乾燥域の変遷 中央ユーラシア |
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長田俊樹 | H-03 | 環境変化とインダス文明 インド亜大陸の西北部、パキスタン |
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内山純蔵 | H-04 | 東アジア内海の新石器化と現代化:景観の形成史 東アジア内海 |
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梅津千恵子 | E-04 | 社会・生態システムの脆弱性とレジリアンス ザンビアを中心とした半乾燥熱帯地域 |
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2010 | 谷口真人 | C-05 | 都市の地下環境に残る人間活動の影響 東南・東アジアの各都市(マニラ、ジャカルタ、バンコク、台北、ソウル、大阪、東京) |
湯本貴和 | D-02 | 日本列島における人間-自然相互関係の歴史的・文化的検討 日本(日本列島全域) |
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佐藤洋一郎 | H-02 | 農業が環境を破壊するとき──ユーラシア農耕史と環境 ユーラシア全域(中央アジア、東南・東アジア) |
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2009 | 白岩孝行 | C-04 | 北東アジアの人間活動が北太平洋の生物生産に与える影響評価 アムール川流域(ロシア、中国)オホーツク海、北太平洋 |
2008 | 関野樹 | E-02 | 流域環境の質と環境意識の関係解明―土地・水資源利用に伴う環境変化を契機として 日本(北海道シュマリナイ湖集水域、和歌山) |
高相徳志郎 | E-03 | 亜熱帯島嶼における自然環境と人間社会システムの相互作用 日本(沖縄 西表島) |
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2007 | 福嶌義宏 | C-03 | 近年の黄河の急激な水循環変化とその意味するもの 中国黄河流域 |
市川昌広 | D-01 | 持続的森林利用オプションの評価と将来像 マレーシア(サラワク、サバ)日本(屋久島、阿武隈山地) |
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秋道智彌 | R-02 | アジア・熱帯モンスーン地域における地域生態史の統合的研究:1945-2005 東南アジア(ラオス、中国、タイ) |
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2006 | 早坂忠裕 | C-01 | 大気中の物質循環に及ぼす人間活動の影響の解明 中国を中心としたアジア地域 |
鼎信次郎 | C-02 | 地球規模の水循環変動ならびに世界の水問題の実態と将来展望 全地球規模(実測地として日本及び東南アジア) |
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渡邉紹裕 | R-01 | 乾燥地域の農業生産システムに及ぼす地球温暖化の影響 地中海東岸地域(トルコ セイハン川流域 他) |
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中尾正義 | H-01 | 水資源変動負荷に対するオアシス地域の適応力評価とその歴史的変遷 ユーラシア中央部(中国・ロシア) |
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谷内茂雄 | E-01 | 琵琶湖―淀川水系における流域管理モデルの構築 日本(琵琶湖-淀川流域) |