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土地利用革新のための知の集約プログラム

多元世界プロジェクト

制度、価値、世界観の探究を通じた多元世界的土地利用の探求

プロジェクト概要

経済効率優先のパラダイムは、自然と共生する地域実践を周縁化してきました。本プロジェクトは、農地や森林に多様な価値観が共存する「多元世界(Pluriverse)」を目指します。「関係価値」や環境人文学の知を現場実践の支援に投じ、そこでのフィードバックを通じて理論を磨き上げます。国内外の多角的なフィールド研究を軸に、ネイチャーポジティブな未来に向けた新たな土地利用の基盤を構築します。

土地利用の「単一世界」から「多元世界(Pluriverse)」へ

現代の土地利用は、経済効率を最優先し自然を資源と見なす人間中心主義のパラダイムに支配されています。その結果、土地が持つ多様な価値は制度的な縦割りに封じ込められ、自然と共生する地域実践は“ユニークだが非効率な個別事例”として周縁化されてきました。本プロジェクトでは、農地や森林において多様な価値観が共存する「多元世界」の実現を目指し、周縁化された実践を社会の主流へと押し上げることを主眼に置きます(写真1 、2 )。

「関係価値」を理論的支柱とした正当性の構築

核となる概念は、人間と自然の相互的な繋がりを重視する「関係価値(Relational Values)」です。環境人文学や生物多様性保全に関する学術的議論を、現場の実践を支え、その正当性を担保するための「盾」として活用します。理論と現場を往復することで、経済効率という単一の尺度を乗り越える新たな知の基盤を構築します。

国内外のフィールドを結ぶ超学際的な活動体制

活動体制は、6 つのワーキンググループ(WG)と、それらを横断的に統合するプラットフォームで構成されます(図1 )。京都、兵庫、徳島、愛媛、長野など国内各地でのTD研究に加え、海外の類似事例も収集し、国際的な実務者ネットワークの構築にも取り組みます。こうした多角的な取り組みを通じ、ネイチャーポジティブな未来に向けた、新たな土地利用の社会実装を目指します。

写真1:兵庫県豊岡市の田園地帯にあるコウノトリ人工巣塔
写真2: 都市近郊里山林における森のようちえんの活動−急斜面や倒木も巧みに利用する子どもたち

研究の進捗状況

これまでにわかったこと

PR期間の研究から、現代の「単一世界」パラダイムが自然共生的な地域実践を捉えきれず、周縁化させている実態が浮き彫りとなりました。
現場の複雑さを包摂するため、核となる理論は「マルチスピーシーズ」から、より包括的な「多元世界(Pluriverse)」へと拡張・精緻化させています。また、農地・森林・都市計画法等の制度の交錯や、IPBES等の国際的議論と現場実践との乖離が、主流化を阻む大きな障壁であることも判明しました。
こうした課題に対し、実務者の視点を優先する「実践としての超学際(TD as Practice)」という本プロジェクト独自の視角が、極めて有効であることを確認できています。

図1:プロジェクトの活動体制

特筆すべき事項

2025年度の成果として、まずプロジェクトの理念を可視化した「コンセプトグラフィック」を開発しました(図2 )。これは抽象的な理論を実際の景観データと結びつけ、外部発信を支える戦略的ツールとなります。
組織面では、単なる事務管理を超えた「知的統合の場」を構築すべく体制を強化しました。具体的には統合プラットフォームを創設し、3ストリーム・6WGの専門知を横断的に融合させる「知の交差点」としての基盤を整備しました。
学術面では、有識者を招いたワークショップや雑誌特集の刊行を通じ、プロジェクトの基盤となる思想を取りまとめています。こうした基盤構築により、次年度以降の本格的な活動開始に向けた準備が整いました。

図2: 多元世界プロジェクトコンセプトグラフィック「ともに育まれる水田と用水路の風景」 © AOI Landscape design

活動ニュース

メンバー

プロジェクトリーダー

田村 典江

総合地球環境学研究所・准教授/事業構想大学院大学・准教授

プロフィール紹介

研究員・研究推進員

イベル 敦子 研究推進員

主なメンバー

マレー ハイン 京都府立大学農学食科学部
大元 鈴子 鳥取大学地域学部
鎌田 磨人 徳島大学産業理工学部
三木 敦朗 信州大学農学部
ルプレヒト クリストフ 愛媛大学社会共創学部
西川 芳昭 龍谷大学経済学部

外部評価委員による評価(英語)

2024年度

2025年度

研究スケジュール

2024年度
(令和6)
FS

研究の流れについて

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