その他の成果出版物

地球研では、地球研叢書地球研ライブラリーのようなシリーズ以外にも、特定の課題に焦点を当てたさまざまな単行本を刊行しています。

※書店が出版している刊行物の入手については、各書店にお問合せください。

地域の歴史から学ぶ災害対応
砺波平野庄川流域の散村と伝統知・地域知

シリーズ「地域の歴史から学ぶ災害対応」の第3回。
本書では、富山県砺波平野の庄川流域を取り上げました。この地域で紡がれてきた人と自然の関わりの歴史を読み解きながら地域に残る数々の伝統知・地域知を紹介します。進みつつある気候変動や社会経済変化のなか、過去から現在に、そして未来につながる防災減災の知恵と技術を学べる一冊です。

  • 発行   総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
         2022年3月
  • デザイン 島内梨佐
  • 編集   島内梨佐 中井美波 小林広英 他
  • ISBN   978-4-906888-85-6
  • 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.7
アグロエコロジーからみた長期的持続可能性と里山

アグロエコロジーとは、農薬と化学肥料など、外部からの資材をたくさん投入する慣行農業の長期的持続性に疑問を投げかけ、レジリエントな農業と食物生産について、研究者が農家の方々や地域の住民と一緒に考える分野です。従来の効率一辺倒の生産と消費は、近年、いたるところに行き詰まりを見せており、持続可能性を実現するために、多様性やレジリエンスの確保が急がれています。このブックレットでは、生態学・食農教育・考古学を専門とする三人の著者が、日本の農業と食物生産の理論と実践、その歴史的背景について、超学際的な視点から検討しました。

本研究活動は、人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」の地球研ユニット「災害にレジリエントな環境保全型地域社会の創生」の一環です。

  • 羽生淳子 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2022年3月30日
  • ISBN 978-4-906888-96-2
  • A5判 83頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.6
漆の木のある景観その2
-岩手県浄法寺における漆生産と塗師の在来知-

このブックレットは、二〇一九年三月に発行した『レジリエントな地域社会2 漆の木のある景観―岩手県二戸市浄法寺における漆掻きと日々の暮らし―』の続編です。二戸市浄法寺地区は古くから漆の生産地として知られていて、現在でも国産漆を使って漆器生産が行われている数少ない地域です。今回は、漆掻き職人であり日本うるし掻き技術保存会会長を務める工藤竹夫さんと、二戸市が直営する漆器政策と販売を行う漆器工房「滴生舎」技師の小田島勇さんのお二人のお話を掲載しました。浄法寺の漆器を手に取るとき、ここで語られている豊かなストーリーを思い起こすことで、同じ漆器がだいぶ違って見えるのではないかと思います。

本研究活動は、人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」の地球研ユニット「災害にレジリエントな環境保全型地域社会の創生」の一環です。

  • 羽生淳子・伊藤由美子 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2022年3月30日
  • ISBN 978-4-906888-95-5
  • A5判 59頁 非売品

Simulation and Gaming for Social Design

シミュレーションとゲーム(S&G)研究は、シミュレーションやゲームを用いて能動的な実践知を得るための方法論を探求する学際的な分野です。これからの社会デザインには、日常生活における「行動知」と、グローバルな問題を含む様々な社会問題に対する「理論知」との絶え間ない交流を促進する方法論が必要です。学際的なコミュニケーションが研究対象となっている中、S&Gは、理論知と行動知をつなぐトランスレーショナル・コミュニケーションのツールとして期待されています。

本書は、社会デザインのためのシミュレーションとゲームの主要な側面を、理論から実践までカバーしました。数学的アプローチやエージェントベースモデリングなど、シミュレーションとゲームの理論、方法論と、地球温暖化、エネルギー転換、漁業資源管理、ビジネス、民族、倫理観の理解などのゲームデザイン事例を併せて読み解くことで、S&Gへの理解が深まる内容になっています。

  • 編者 Toshiyuki Kaneda, Ryoju Hamada,
       Terukazu Kumazawa
  • 発行 Springer, 2021年
  • ISBN 978-981-16-2010-2(Hardcover)
  • ISBN 978-981-16-2013-3(Softcover)
  • ISBN 978-981-16-2011-9(eBook)
  • 307頁 18,589円(Hardcover)14,871円(eBook)

LINKAGE ブックレットシリーズ 島と語る 01: 琉球弧・与論島

本ブックレットシリーズは、地球研LINKAGEプロジェクトの研究成果をわかりやすく伝えるコミュニケーションツールとして刊行します。第一弾は、生存基盤ユニットメンバーと、琉球弧・与論島を中心とした島の人びととの対話の場から生まれた、語り(ナラティブ)を綴りました。水や土地、森林資源の限られたサンゴ礁島嶼系では、人びとはどのように自然と向き合い、工夫をしながら暮らしてきたのでしょうか。対話をとおして、島の歴史や文化、自然と向き合う暮らしの知恵を、次の世代へ引き継ぎたいという島の方々の思いに共感し、本ブックレットを地域の方とともに制作しました。

  • 発行 総合地球環境学研究所 LINKAGEプロジェクト
       2022年1月
  • 高橋そよ 編
  • 執筆 喜山康三、高橋そよ、盛口満、安渓貴子、安渓遊地
  • 写真提供 稲見輝男、タイラジュン
  • 装丁・DTP 松本太郎
  • ISBN 978-4-906888-90-0
  • A5版 129頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.5
農の景観とアグロエコロジーからみた地域のレジリエンス
-福島県中通りと浜通りにおける新たな試み―

天災や人災によって生じた危機を地域社会がどうやって乗り越えるのか。復興や再生にあたって地域とその生態系が持つ潜在的な力をどう活用できるのか。これらの問題は、災害と持続可能性の研究にとって重要な課題です。その際に鍵になるのが、社会と生態系のレジリエンス(弾力性)という概念です。

本書では、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の大災害から十年余の歳月が過ぎ、今なおさまざまな影響が続いている福島県の浜通り(太平洋側海岸部)と中通り(太平洋側水系の内陸部)において、福島の大地に根ざした農家の方々の新たな試みを紹介しています。編者たちとの対話を介したこれらの農家の方々のことばには、大地に生きる矜持と緊張が満ちていることが強く感じられます。そのダイナミックな視点は、地域のレジリエンスとは何かを読者に鋭く問いかけるとともに、地域に根ざしたレジリエントな社会への道筋は多様であることを、私たちに気づかせてくれます。

本研究活動は、人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」の地球研ユニット「災害にレジリエントな環境保全型地域社会の創生」の一環です。

  • 羽生淳子 後藤康夫 後藤宣代 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2021年12月27日
  • ISBN 978-4-906888-88-7
  • A5判 133頁 非売品

第6回 人文・社会科学系研究推進フォーラム報告書
人社主導の学際研究プロジェクト創出を目指して
〜未来社会を(ひら)く人文学・社会科学研究の現在(いま)と展望

2020年10月3日、9日の2日間にわたって開催された第6回人文・社会科学系研究推進フォーラムの内容をまとめた報告書。フォーラムは、北海道大学大学力強化推進本部研究推進ハブURAステーション主催により開催されました。地球研オープンチームサイエンスプロジェクト、サニテーションプロジェクト、琉球大学水循環プロジェクト(現・LINKAGEプロジェクト)からの報告も掲載されています。

  • 発行 北海道大学 大学力強化推進本部 研究推進ハブ
       URA ステーション
  • 2021年 3月29日
  • 非売品

図説 窒素と環境の科学 ―人と自然のつながりと持続可能な窒素利用―

人類は20世紀初期に大気中の窒素ガスからアンモニアを合成する技術を確立しました。アンモニアをスタート物質とする化学肥料や工業原料は人類に大きな恩恵を与えてきました。一方、人類が利用する窒素の多くが環境へと排出され、窒素汚染の原因となります。窒素汚染は、地球温暖化、成層圏オゾン破壊、大気汚染、水質汚染、富栄養化、および酸性化といった環境影響を通じて人の健康と生態系の健全性を脅かします。窒素利用の便益が窒素汚染の脅威をもたらすトレードオフの構図を窒素問題と呼びます。

本書は、特に環境科学や食料・資源・エネルギー利用に注目して、窒素問題を体系的にとらえる本邦初の書籍です。豊富な図表を用いた図説となっております。学生、教員、研究者をはじめ、行政職やコンサルタント、また環境問題に関心を有する方々を対象としており、高度の基礎知識がなくても読み進められるように作成しました。

  • 林 健太郎・柴田 英昭・梅澤 有 編著
  • 発行 朝倉書店 2021年12月8日
  • B5版 192頁 価格4,950円(税込)
  • ISBN 978-4-254-18057-2

フューチャー・デザインと哲学: 世代を超えた対話

将来世代のための持続可能な社会を作ろう、しかしそのためにはどうすればよいのか。こうした課題に対して「仮想将来世代」の導入による対話を模索してきたフューチャー・デザイン。そして未来に関して豊富な思索と議論を積み重ねてきた哲学。両者の出会いから、未来を予測し、未来とつながり、未来と対話するために必要なことを問い直します。

本書は、難しい哲学の話ではなく、高校生も理解できることを目指しました。気軽に手に取ってみてください。

  • 西條 辰義・宮田 晃碩・松葉 類 編
  • 発行 勁草書房 2021年10月20日
  • 四六判 336頁 価格 3,300円(税込)
  • ISBN 978-4-326-15481-4

酸素同位体比年輪年代法 先史・古代の暦年と天候を編む

出土材等の年輪を分析し、暦年代の解明や過去の気候変動の復元に大きな成果をあげている酸素同位体比年輪年代法。その基礎と応用事例をわかりやすく解説しています。

本書は、地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」等の共同研究の成果です。

  • 中塚 武  著
  • 発行 同成社 2021年6月20日
  • A5判 232頁 価格2,700円+税
  • ISBN 978-4-88621-867-4

BIOCITY ビオシティ 86号
NbS 自然に根ざした解決策 生物多様性の新たな地平

2021年1月に開催された生物多様性のための「ワン・プラネット・サミット」で、各国首脳が次々に言及し、いま注目が集まる「NbS 自然に根ざした解決策」とは何か? その全容を日本で初めて総合的に解説する入門書です。NbS誕生の歴史と背景、支援するグリーンファンド、教育ツール、コロナ復興との関係などのテーマのほか、100点以上のカラー写真で紹介する世界の事例は必見。

地球研プロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」のメンバーが執筆担当し、プロジェクトの成果も報告しています。

  • 古田尚也 著
  • 発行 株式会社ブックエンド 2021年4月6日
  • B5判並製 128頁 価格2,500円(+消費税)
  • ISBN 978-4-907083-69-4 C0040

葬いとカメラ

アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。

両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは......

本書は、「葬い」を映像化することの意義について考えるために、研究者とアーティストたちが行った対話や考察を収めたものです。人文学の研究成果を可視化し伝えることで、さらに研究を深めていこうとする、人間文化研究機構の「博物館・展示を活用した最先端研究の可視化・高度化事業」の成果の一貫です。

  • 編著者 金セッピョル・地主麻衣子
  • 発 行 左右社 2021年5月
  • 四六判変型並製 200頁  価格1,800円+税
  • ISBN 978-4-86528-031-9

同位体環境学がえがく世界:2021年版

「同位体」とは、元素の性質を示す「陽子」の数は同じですが、「中性子」の数が異なるため、全体の重さが異なる原子のことを指します。この性質を使って、私たちと環境のつながりや、地域と世界のつながりなど、いろいろなことを調べることができます。

総合地球環境学研究所では、環境のつながりを理解する「環境トレーサビリティ」という考え方を、「同位体」という手法を用いて環境問題の研究に適用しました。本書では、日本国内外の地域の事例を紹介しています。

この手法は、当研究所の「同位体環境学共同研究事業」としても幅広く利用されています。それらの研究者の方々による、「同位体」を使った研究紹介も掲載しています。

本冊子は、2020年3月に発行された「同位体環境学がえがく世界:2020年版」に大幅加筆し、新たに2021年版として発行されたものです。

「環境トレーサビリティ」とは何か?環境の研究に「同位体」をどのように用いるのか?興味を持たれた方はぜひご覧ください。

また、本冊子の内容はホームページのサイトでわかりやすく解説されています。こちらもぜひご覧ください。

  • 編著者 陀安 一郎、申 基澈 編
  • 発 行 総合地球環境学研究所 2021年3月
  • A4判 182頁 非売品
  • ISBN 978-4-906888-84-9

庭師と旅人 「動いている庭」から「第三風景」へ Le Jardinier et le voyageur

庭を出発点に、人間と自然の根本的な関係を問いなおすフランスの庭師ジル・クレマン。地球を庭にそして人類を庭師とみなすことで、クレマンは激変する現在の地球環境をめぐって新たな思想を紡いてきました。

フランスにあるクレマンの自庭の「谷の庭」で観察した植物の動きが「動いている庭」の始まり。旅先で出くわした生物の混淆が「地球という庭」の始まり。そしてフランス中部のリムーザン地方での植生調査をきっかけとした風景の観察が「第3の風景」の始まり。本書では、それぞれの庭や公園を美しい写真を交えて紹介しています。

2015年2月に地球研主催にて、地球研(京都)、アンスティチュ・フランセ関西(京都)、日仏会館(東京)の3会場で行われたジル・クレマン氏の連続講演会「Ⅰ. 都市のビオロジー Ⅱ. 地球という庭 Ⅲ. 庭のかたちが生まれるとき」の講演をもとに再構成されています。

  • 著 者 ジル・クレマン
  • 編 者 エマニュエル・マレス
  • 翻 訳 秋山研吉
  • 発 行 あいり出版 2021年3月
  • B5変形・並製 130頁 価格 2,000円+税
  • ISBN 978-4-86555-065-6

食農倫理学の長い旅 〈食べる〉のどこに倫理はあるのか

社会的不公正、資源の浪費、飢餓問題、高い環境負荷、動物倫理と食肉生産、遺伝子組み換え作物の是非……、今日のフードシステムには検討すべき課題が山積しています。それぞれのトピックの詳細にとどまらず、トピックのあいだの関連性を明らかにすることで、「皆が食べ続けることができる社会の姿」を探求する手がかりを本書は提供します。Food Ethisを30年以上牽引してきた、ポール・B・トンプソンの集大成となる一冊です。

地球研において2016年度~2021年度に実施されたプロジェクト「持続可能な食の消費と生産を実現するライフワールドの構築─食農体系の転換にむけて」のプロジェクトメンバーが翻訳を担当しました。

  • ポール・B・トンプソン 著 太田 和彦 訳
  • 装丁 和出伸一(象灯舎)
  • 発行 勁草書房 2021年3月
  • 四六判 416頁 価格 3,200円+税
  • ISBN 978-4-326-15468-5

ガイドブック 未来会話からつくる社会

私たちが暮らす地球環境では様々な課題が現代社会に直面し、世界が協力して課題を解決しなければなりません。「未来会話」づくりでは、人と自然、人と社会、社会と自然などの関係がどのようなものか、自分で考えるきっかけをつくり、これからの世界を生きるために何が必要なのかを話し合うためのガイドブックです。未来を見立てることは、たくさんの発見や問題に備えることができます。個人での利用に加え、中学・高校での授業や大学での講義、地域社会など様々な活動において活用することができます。地球環境の未来を考える、もしくは新たな発想を広げるきっかけとしてお役に立てればと思います。

本ガイドブックは、トヨタ財団 2018年度研究助成プログラム「人間と計算機が知識を処理し合う未来社会の風土論」(代表:地球研 熊澤輝一准教授)の成果のひとつです。

  • 編集 三村豊・熊澤輝一・遠山真理・寺田匡宏・柴田宣史
  • イラスト 中川未子(紙とえんぴつ舎)
  • デザイン 尾内久恵(時代工房)
  • 発行 総合地球環境学研究所 未来社会の風土論 研究グループ
  • A4判 12頁 非売品 2021年 3月

コロナと高校生と地球環境と 学びの現場から

コロナと高校生と地球環境と 学びの現場から

地球研は、京都府立北稜高等学校、京都府立洛北高等学校と2016年度に締結した教育協力協定に基づく環境教育を実践しています。

また宮崎県との交流協定をベースに、宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校と環境に関する学びの機会を設けてきました。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、教育現場にも大きな影響がありました。

そうした中、現場でどのように創意工夫しつつ、地球環境の学びが進んだかを記録し、「将来世代」とつなげようとしたのが本書です。

各校の取り組みや高校の先生方による対談からは、同時代の私たちにとっても重要な視点が示されています。

  • 宗田 勝也 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 2021年3月
  • A5判 51頁 非売品
  • ISBN 9978-4-906888-80-1

人文地球環境学
――「ひと、もの、いきもの」と世界/出来(しゅったい)

地球と人間は「文」を通じて照応している――。

東アジア漢字圏にある「天文」と「人文」の相関という考え方を手掛かりに、「ひと、もの、いきもの」の関係性が新たに問われている人新世における地球環境学の在り方を人文学の視点から考える本を刊行しました。歴史、進化、世界、環境、宇宙、出来、お話、境界、技術、正義、災厄、ケア、未来などの話題を15の章で論じています。

本書の英文タイトルは「ジオ・ヒューマニティーズGeo-Humanities」ですが、いま、ヨーロッパではドイツのマックスプランク学術振興協会が中心となって、ジオ・アンソロポロジー(人間地球学)という学問の形成が進んでいます。この構想を推進しているマックスプランク科学史研究所ダイレクターのユルゲン・レンJürgen Renn博士によるとそれは「人新世を導くに至った経路を探求する学」。本書は、その構想への東アジアからの応答でもあります。

巻末には、本書カバーに作品「樹現」を掲載したアーティストのロヒニ・ディヴェシャーRohini Devasher(インド)と著者の対談「パターンと出来(しゅったい)、あるいは可能性たちの温室」も収録。福岡アジア美術館、スペンサー美術館(米国)でも作品が展示され国際的に活躍する作家と、デジタル空間の中の自然と人為について話し合っています。

著者の地球研寺田匡宏客員准教授がシリーズエディターをつとめる「叢書・地球のナラティブ」の第2回配本となります。

  • 著者 寺田匡宏
  • 装丁 和出伸一
  • 発行 あいり出版 2021年2月
  • 四六判 448ページ 価格 2,000円+税
  • ISBN 978-4-86555-079-5

環境問題を解く
ひらかれた協働研究のすすめ

身近な環境問題の解決に向けて、市民や研究者、企業、自治体などが協同して取り組む「超学際研究」に関する初の本格的な入門書です。地球研プロジェクト「環境社会課題のオープンチームサイエンスにおける情報非対称性の軽減」のメンバーらが、それぞれの実戦での困難や葛藤、失敗を紹介しており、大学・行政関係者だけでなく、市民にも手にとってほしい1冊です。

  • 近藤 康久・大西 秀之 編
  • 発行 かもがわ出版 2021年3月
  • A5判並製 230頁 価格2,200円+税
  • ISBN  978-4-7803-1144-0

生態系減災 Eco-DRR
自然を賢く活かした防災・減災

近い将来の巨大地震・津波、河川氾濫などの増加・激甚化、さらに人口減少・超高齢化といった課題を抱えるなか、自然災害に強く持続可能な社会構築が喫緊の課題となっています。本書は、実証研究から政策・実践への応用まで、生態系減災を学ぶ決定版です。

地球研プロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」のメンバーが執筆担当しています。

  • 一ノ瀬 友博 編著
  • 発行 慶応義塾大学出版会 2021年1月
  • A5判 並製 228頁 価格3,000円+税
  • ISBN  978-4-7664-2717-2

実践版!グリーンインフラ

気候変動に伴う自然災害の増加、人口減少・少子高齢化による土地需要の変化や地域経済の停滞、疫病による健康被害等々、日本には様々な社会的課題が山積しています。それらの解決に寄与すると期待されているのが、自然が持つ多様な機能を活用したインフラや土地利用計画を指す「グリーンインフラ」です。多くの関係者による普及・事業化されたことにより、今では国も巻き込んだ大きな潮流となっています。51人の第一線の実務家や専門家が実践してきた様々な事例を紹介しながら、知見やノウハウを伝授します。

地球研プロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」のメンバーが執筆担当しています。

  • 編集 グリーンインフラ研究会、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日経コンストラクション 
  • 発行 日経BP社 2020年7月
  • A5判 520頁 価格4,200円+税
  • ISBN 978-4-296106752

気候変動から読みなおす日本史 2
古気候の復元と年代論の構築

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第2巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」の成果であり、第2巻では日本における古気候復元と年代決定の最新の研究状況を紹介します。

  • 中塚 武  監修
  • 中塚 武・對馬あかね・佐野雅規 編
  • 発行 臨川書店 2021年1月30日
  • A5判・上製・288頁 価格3,600円+税
  • ISBN  978-4-653-04502-1

気候変動から読みなおす日本史 1
新しい気候観と日本史の新たな可能性

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第1巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」のの成果であり、第1巻ではシリーズ全体を概観します。

  • 中塚 武  監修
  • 中塚 武・鎌谷かおる・佐野雅規・伊藤啓介・對馬あかね 編
  • 発行 臨川書店 2021年1月30日
  • A5判・上製・338頁 価格3,600円+税
  • ISBN  978-4-653-04501-4

地域の歴史から学ぶ災害対応
松浦川の伝統知・地域知

シリーズ「地域の歴史から学ぶ災害対応」の第2回。
本書では、佐賀県を流れる松浦川流域において、地域の人々が川の恵みを受けつつ災害を避けてきた歴史を読み解きながら、地域に残る数々の伝統知・地域知を紹介します。近年自然災害が頻発するなか、過去から現在に、そして未来につながる防災減災の知恵と技術を学べる一冊です。

  • 発行   総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
         2020年12月
  • デザイン 島内梨佐
  • 編集   島内梨佐 寺村淳 他
  • ISBN   978-4-906888-63-4
  • 非売品

BIOCITY(ビオシティ)84号

日本の象徴として「人と自然のあるべき姿」を示してきた富士山を通じて、持続可能な未来を考える特集号です。とくに、自然(自然 環境)、社会(観光など経済を含む社会環境)、心(信仰や芸術、文化)の3つの視点から新しい富士山像を描くため、環境・社会・経済の調和を、ネクサス(連環)という新しい切り口で提示します。また、地球研をはじめとする研究者らと忍野村での地域の協働による地下水調査にもスポットをあて、自然・文化資源を生かした新しい時代の社会創出を提案しています。

巻頭言では谷口真人教授が「持続可能な社会と富士山」を執筆、Part1では、薮崎志穂研究員が「忍野八海と忍野村の地下水」、Part2では、秋道智彌名誉教授が「富士山の湧水とコモンズ」、Part3では、増原直樹上級研究員が「ローカルSDGsから見える地域の強み」、陀安一郎教授が「自治体や住民と行う同位体環境学」、藤吉麗研究員が「持続可能な地下水保全をめざす環境トレーサビリティ手法」をそれぞれ執筆担当しています。

  • 総合地球環境学研究所 編
  • 発行 株式会社ブックエンド 2020年10月7日
  • B5判並製 128頁 価格2,750円
  • ISBN 978-4-907083-62-5

世界史のなかの東アジアの奇跡

これまでの社会経済史学においては、「ヨーロッパの奇跡」が、その後の工業化の世界的普及の出発点として、特別な意義を与えられてきました。これに対し、20世紀後半に生じた東アジアの高度成長と生活水準の上昇、いわゆる「東アジアの奇跡」は、従来と比較にならないほど多くの人々を経済発展の波に巻き込み、世界の所得分配の平等化に貢献したといえます。本書はこれまでの世界史を根本的に見直し、ヨーロッパの奇跡を焦点とする世界史から、東アジアの奇跡をもう一つの焦点とする世界史への視点を転換することを提案しています。

  • 杉原 薫 著
  • 名古屋大学出版会  2020年10月
  • A5判・上製 776頁 価格6,300円+税
  • ISBN 978-4-8158-1000-9

気候変動から読みなおす日本史 6 近世の列島を俯瞰する ―南から北へ

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第6巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」の成果であり、第6巻では気候変動が日本列島の歴史にいかに影響を与えてきたか、近世を対象として、地域ごとに論じられています。

  • 中塚 武  監修
  • 鎌谷かおる、佐藤大介 編
  • 発行 臨川書店 2020年10月30日
  • A5判・上製・228頁 価格3,600円+税
  • ISBN  978-4-653-04506-9

気候変動から読みなおす日本史 5 気候変動から近世をみなおす―数量・システム・技術

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第5巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」の成果であり、第5巻では気候変動が日本列島の歴史にいかに影響を与えてきたか、近世の列島全体を対象に論じられています。

  • 中塚 武  監修
  • 鎌谷かおる、渡辺浩一 編
  • 発行 臨川書店 2020年10月30日
  • A5判・上製・296頁 価格3,600円+税
  • ISBN  978-4-653-04505-2

気候変動から読みなおす日本史 4 気候変動と中世社会

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第4巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」の成果であり、第4巻では気候変動が日本列島の歴史にいかに影響を与えてきたか、中世を対象に論じられています。

  • 中塚 武  監修
  • 伊藤啓介、田村憲美、水野章二 編
  • 発行 臨川書店 2020年9月30日
  • A5判・上製・354頁 価格3,600円+税
  • ISBN  978-4-653-04504-5

気候変動から読みなおす日本史 3 先史・古代の気候と社会変化

『気候変動から読みなおす日本史』全6巻シリーズの第3巻。

古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果です。

地球研において2014年度~2018年度に実施されたプロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」の成果であり、第3巻では気候変動が日本列島の歴史にいかに影響を与えてきたか、先史・古代史を対象に論じられています。

  • 中塚 武  監修
  • 中塚 武、若林邦彦、樋上 昇 編
  • 発行 臨川書店 2020年9月30日
  • A5判・上製・310頁 価格3,600円+税
  • 978-4-653-04503-8

シリーズ 話し合い学をつくる 3 これからの話し合いを考えよう

本書は、村田和代龍谷大学政策学部教授による「シリーズ 話し合い学をつくる」の第三巻となるものです。第一巻『市民参加の話し合いを考える』では、まちづくりの話し合いやサイエンスカフェ、裁判官と裁判員の模擬評議など、専門的知見を持たない市民と専門家が意見交換や意思決定をする「市民参加の話し合い」について、話し合いの場で行われる言語や相互行為に着目したミクロレベルの研究から、話し合いによる課題解決・まちづくりをめぐる話し合いの現場での実証研究や話し合い教育をめぐる研究までが論じられました。続く第二巻『話し合い研究の多様性を考える』では、多領域からの研究・実践を通して「共創」を実現するための「話し合いのモデル」と、それを基調とする「社会・制度・政策のあり方」を探求する「話し合い学」の構築がテーマに据えられました。本巻は、過去二巻における議論を踏まえつつ、あらためて話し合いの機能や可能性を考えるとともに、人口減少や超高齢化社会を迎えるこれからの日本社会にとって、話し合いがどのように貢献ができるのかについても問い直す一書です。地球研の宗田勝也研究員が第8章「多文化社会における話し合い―言葉とまなざしをめぐって」の執筆を担当し、日本語教育の課題や、多様な文化的背景を持つ人々と向き合う際に求められる姿勢を論じています。

  • 村田 和代 編
  • 発行 ひつじ書房 2020年12月
  • A5判並製 272頁
  • ISBN:978-4-8234-1002-4

Future Design
Incorporating Preferences of Future Generations for Sustainability

本書では、仮想将来世代と、現在の意思決定が将来の世代にどのように影響するかについて説明します。市場と民主制は現在に焦点を当てているため、私たちに先だつ先祖がいて、その後に子孫が続く中で、私たちが今生きていることを忘れてしまいがちです。市場は、短期的に需要と供給を均衡させるための優れた仕組みですが、将来世代はまだ生まれていないので、現在世代と将来世代の間で資源を配分するための仕組みではありません。民主主義もまた、将来の世代には「適用可能」ではありません。なぜなら、市民は自分たちの世代、つまり現在世代の人々に奉仕する候補者に投票するからです。これらの欠点を克服するために、著者たちは、環境、都市管理、林業、水管理、財政などの分野における現在の意思決定の文脈の中で、仮想将来世代と将来の省庁について説明します。仮想将来世代という考え方は、ネイティブアメリカンのイロコイ族に由来しており、彼らは意思決定をする際に7世代先の人々の利益を考えるという強い規範を持っていたのです。

  • 編集 Tatsuyoshi Saijo
  • 発行  Springer
  • ISBN:978-981-15-5406-3 (hardcover)
  • ISBN:978-981-15-5407-0 (paperback)

西アフリカ内陸の近代 国家をもたない社会と国家の歴史人類学
国家をもたない社会と国家の歴史人類学

本書は19世紀から20世紀半ばまでの西アフリカ内陸のムフン川湾曲部の歴史の記述と分析から、国家をもたない社会のなかで国家ができるとどのようなことが生じたのかを論じています。タカラガイを貨幣として部分的に用いていた地域における、植民地政府によって発行された植民地通貨とその植民地通貨による一律の徴税の導入、イスラームと在来宗教が混在している地域へのカトリック宣教団の入植とライシテ(脱宗教性)を掲げる植民地行政の成立、第二次世界大戦後の政党政治の確立、これらはこの地域に何を生じさせたのか。本書では、まばらで偏りのある文字史料と口頭伝承を駆使して歴史の再構成をおこなうとともに、このような史資料の偏在を踏まえた歴史の記述と分析のメタ方法論も提示されています。

  • 中尾 世治 著
  • 発行 風響社 2020年8月
  • A5判 606頁 価格7,000円+税
  • ISBN 978-4-89489-168-5

同位体環境学がえがく世界:2020年版

「同位体」とは、元素の性質を示す「陽子」の数は同じですが、「中性子」の数が異なるため、全体の重さが異なる原子のことを指します。この性質を使って、私たちと環境のつながりや、地域と世界のつながりなど、いろいろなことを調べることができます。

総合地球環境学研究所では、環境のつながりを理解する「環境トレーサビリティ」という考え方を、「同位体」という手法を用いて環境問題の研究に適用しました。本書では、日本国内外の地域の事例を紹介しています。

この手法は、当研究所の「同位体環境学共同研究事業」としても幅広く利用されています。それらの研究者の方々による、「同位体」を使った研究紹介も掲載しています。

「環境トレーサビリティ」とは何か?環境の研究に「同位体」をどのように用いるのか?興味を持たれた方はぜひご覧ください。

  • 編著者:陀安 一郎、申 基澈、藤吉 麗 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 2020年3月
  • A4判 100頁 非売品
  • ISBN  978-4-906888-76-4

グリーンインフラ技術レポート

グリーンインフラ技術レポート

「持続可能な社会と経済の発展に、自然が持つ多様な機能を利用する」というグリーンインフラには、多様な機能をうまく引き出す技術が必要です。地域のさまざまな実情に即して臨機応変に用いられる技術体系の構築が求められています。本技術レポートは、その端緒となるものとして、グリーンインフラに関わるコンサルタント企業6社の実務者と地球研Eco-DRRプロジェクトの研究者の協働により作られました。

国土交通省のウェブサイト「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」2020年にも掲載されています。

  • 著者 小笠原奨悟、幸福智、高橋 栞、中尾健良、西田 貴明、
       長谷川啓一、池田 正、吉原 哲、渡邊 敬史、
       長野 紀章、瀧健太郎、西廣淳、吉田丈人
  • 発行 総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
       2020年6月
  • ISBN  978-4-906888-69-6 非売品

シンポジウム講演録
Eco-DRR×金融・保険公開シンポジウム

自然豊かでレジリエントな社会に向けたファイナンス先進事例に学ぶ

Eco-DRR×金融・保険公開シンポジウム 自然豊かでレジリエントな社会に向けたファイナンス先進事例に学ぶ<

本書は、2019年12月4日に行われた公開シンポジウム「Eco-DRR × 金融・保険~自然豊かでレジリエントな社会に向けたファイナンス先進事例に学ぶ~」の講演録です。

シンポジウムでは、メキシコのサンゴ礁保険と米国の森林レジリエンスボンドの2つの先進事例を紹介する講演とともに、国内外の有識者を交えたパネルディスカッションで、Eco-DRR を実現するための新しい金融・保険について議論しました。講演録では、これらの内容を紹介しています。

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土5

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土5

2017年3月(第一巻)2018年2月(第二巻)2018年3月(第三巻)2019年3月(第四巻)を刊行したエッセイの続巻です。

今回も、さまざまな専門分野をもち国内外のあちこちに出かけて、言葉をはじめ文化や習慣の違いに戸惑いながらも、そこに暮らす人々との関わりを大切にする研究者(執筆者)らの温かいまなざしに満ちた記事が集まりました。またフィールドワークにおいて撮影された数々の写真は、調査の様子や、そこにある生活風景、景観をリアルに伝えてくれます。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。

  • 田中樹、宮嵜英寿、石本雄大 編
  • 発行 総合地球環境学研究所、2020年4月30日
  • 電子版、120頁、非売品
  • ISBN  978-4-906888-79-5

自然とかかわり豊かに暮らす
北総地域における里山グリーンインフラの手引き 【谷津編】

地形、水の循環、生物などの自然を賢く活用したインフラを「グリーンインフラ」と呼びます。グリーンインフラは、既存の人工的なインフラと機能を補いあうことで、気候変動や災害リスクが高まる将来の社会を安全で豊かにする役割が期待されています。

またグリーンインフラは災害時などの特別な時に役立つだけでなく、ふるさとの風景や、自然とのふれあいの機会の提供などを通して、まちの暮らしやすさや魅力の向上にも役立ちます。

グリーンインフラの計画は地域の特徴を踏まえて立てる必要があり、本冊子は、印旛沼・手賀沼流域をはじめとする千葉県北部(北総地域)を主な対象に、この地域に特徴的な地形である「谷津」のグリーンインフラとしての活用のポイントと意義を解説しています。

  • 発行 総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
    2020年3月
  • 執筆・編集 里山グリーンインフラ勉強会「手引き書製作チーム」(東海林太郎、小笠原奨悟、佐竹康孝、鈴木広美、西廣淳)他
  • ISBN 978-4-906888-72-6 非売品

ちきゅうけんリレー選書冊子
ぼくたちを連れ出す 気ままなコンパス

ちきゅうけんリレー選書冊子 ぼくたちを連れ出す 気ままなコンパス

この冊子は、2019年度地球研オープンハウス『10才の君へ』企画をもとに作られています。

『10才の君へ』企画では、地球研で働いている人たちが、自分の好きな本を紹介しました。企画当日までに22人の所員が36冊の本を寄せてくれて、それを紹介した企画です。そのなかの13冊がこの冊子で改めて紹介されています。

この冊子は、「本を使う」ということをテーマに、本と本を紐づけて紹介しています。小説から学術書、時刻表に実用書、絵本からデザイン書まで、いろんな種類の本が紹介者の思いのもとに、本から本に紐づいて紹介されています。

研究の基本としての本の読み方だけでなく、人生を豊かにする方法としても本を紹介していますので、本が好きな方はもちろん、本を使って何かしたい!と思う方にも、読んでいただけたら幸いです。

  • 著者:地球研オープンハウス「10才の君へ 本から見つける新しい世界(ビブリオバトル)」企画
  • 冊子編集委員会:石橋・大谷・熊澤・真貝・原口・地球研広報室
  • 発行:総合地球環境学研究所広報室 2020年3月
  • ISBN 978-4-906888-74-0
  • B5判 38頁 非売品

Mountains, water and people
〜山と水と人のつながり〜

Eco-DRRプロジェクトでは琵琶湖周辺の自然の恵みや災害に対して、地域の人々がどのように付き合い、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)をしているのかを調査しています。

琵琶湖周辺の里山には、山−川−湖がつながった固有の生態系、そして長年にわたる人と自然とのかかわりのなかで育まれてきた文化があります。国際的な実績をもつ映像ディレクターとともに地元の人々を取材し、対話を重ね「山と水と人のつながり」をテーマに映像記録を作りあげました。

本冊子は映像「山と水と人のつながり」を紹介するパンフレットとして発行されたものです。

  • 発行 総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
    2020年3月
  • デザイン 島内梨佐
  • 編集 島内梨佐・中井美波・安藤 滉一・千田 昌子 他
  • ISBN 978-4-906888-70-2 非売品

生き方としてのフィールドワーク: かくも面倒で面白い文化人類学の世界

フィールドワークという人類学的実践の核心をなす営みを通して、この人類学の厄介な面白さを初心者に伝えるということを目的としています。同時に、人類学にとどまらず、広範に応用されるフィールドワークという手法を、さらに拡張させることを試みています。

本書は、地球研サニテーションプロジェクトの中尾世治特任助教が共編著をつとめ、「序論」のなかで人生に埋め込まれたものとしてのフィールドワークという視座を提示しています。フィールドワークが人生のなかでどのような意味をもっているのかだけではなく、日常生活の仕事やささいな行動もフィールドワークとして捉える考え方を示しています。第9章「異分野との共同研究の現場―現場=フィールドの学としての人類学」では、衛生工学の研究者が多い地球研サニテーションプロジェクトのなかで、異分野の人たちと対話を重ね、共同研究をしてきた経験から人類学者としての齟齬や葛藤、気づきがいかなるものであったかを描き出し、進行中の異分野の共同研究を研究する(メタ研究する)という新たな研究のあり方を示しています。

  • 中尾 世治 ・ 杉下 かおり 編著
  • 発行 東海大学出版部 2020年3月
  • ISBN 978-4-486-02176-6
  • A5判 344頁 価格2,800円+税

地球環境学の扉をひらく

地球研は、京都府立北稜高等学校と2016年度に締結した教育協力協定に基づく環境教育を実践しています。

2年生を対象に、総合的学習の枠の中で「北稜エッセイⅡ 地球環境学の扉」を開講し、1学期には地球研の研究者から講義を受け、2学期には1学期に受けた講義の内容を踏まえ、自分たちがもっと知りたいテーマを探し深め、3学期には地域の小学4年生に1年間学んだことを発表し、また小学生も地域学習の成果を発表し、表現力を高める場を作っています。

本書は、1年間の取り組みをまとめた記録集です。地球研の研究者が行った講義内容の解説や環境教育に携わる北稜高校、近隣小学校の先生による授業の考察などを掲載し、環境教育における新たな視点や方法が盛り込まれた一冊です。

  • 宗田 勝也 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 2020年3月
  • ISBN 978-4-906888-68-9
  • A5判 59頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.4
景観、地域のレジリエンスと先住民族知
―ダム裁判後の二風谷と沙流川の文化景観についての座談会とインタビュー集―

北海道平取町(びらとりちょう)二風谷(にぶたに)の地は、「二風谷ダム裁判」(1993~1997)によって、たくさんの人たちに知られています。 この裁判では、二風谷ダムの建設に対して 、地権者でアイヌ民族の萱野茂氏と貝澤耕一氏が 、土地収用と明渡裁決の取消を求めました。1997年の判決は、ダムの建設と土地収用を違法とし、アイヌ民族を「先住民族」と認めた点で、画期的と評価されています。本書は、ダム裁判後の二風谷における環境と先住民族知、そしてアイヌ語に関する新しい取り組みに焦点をあてた座談会とインタビュー集です。

  • 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 羽生淳子 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2020年3月17日
  • ISBN 978-4-906888-66-5
  • A4判 80頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.3
自然に寄り添う暮らしの実現に向けて

本ブックレットは、「レジリエントな地域社会自然に寄り添う暮らしの実現に向けて」をテーマ に、三陸地方(岩手県と宮城県)の住民、研究者らによる寄稿、インタビューを通した証言をまとめました。取り上げている内容は、里山・里海と結びついた暮らし方、農林水産業における自然資源の循環的利用・管理と環境認証、三陸地方特有の生態系ネットワークおよび生物多様性の保全、再生などです。地元の自然や文化を生かすための精力的な活動を続ける方々の言葉、震災から今日までの実践から、自然に寄り添う暮らしの実現に向けての重要なことは何か、具体的に読み取ることができます。

  • 深町加津枝 島田和久 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2020年3月17日
  • ISBN 978-4-906888-64-1
  • A4判 139頁 非売品

マルチグラフト:人類学的感性を移植する

他者のことを「わかる」とは、どのようなことか─。たとえ一緒に時間をすごした人であっても、理解しきれたと思えないことが、他者の豊かさであり、人間の豊かさなのです。気鋭のフィールドワーカーたちによって、差異を含めて受け止めようとする人類学的感性を共有することを目的として書かれた書籍です。

第Ⅲ部【伝える 教育・歴史・記録】において、地球研サニテーションプロジェクトの中尾世治特任助教が「文書のなかの固有名:インデックスとしての人格と地格」では、ブルキナファソとフランスでの史料調査の経験から、文書の読解や作成、整理・収集のなかで固有名(地名と人名)の果たす役割を考察し、「集合的人格における融即と責任:レヴィ=ブリュルとモース」では、日本では忘れられつつあるレヴィ=ブリュルの近年の再評価を踏まえつつ、特定の集団を代表する役職にある個人がその集団へと「融即」(participation)することを、集合的人格という概念から明らかにしています。また同じく、サニテーションプロジェクトの清水貴夫研究員が、「子にかける夢と迷い:「教育」を再考する」と題して執筆し、ブルキナファソの首都ワガドゥグのクルアーン学校でのフィールドワークの経験から、この地域の人びとが彼らの子ども、教育にかける思いを彼らの人生の文脈から捉え、近代的な「教育」のあり方を相対化させています。

  • 神本 秀爾・岡本 圭史 編
  • 発行 集広舎 2020年2月
  • ISBN 978-4-904213-87-2 C0039
  • 四六判 312頁 価格2,182円+税

SOCIAL SUSTAINABILITY, PAST AND FUTURE : Undoing Unintended Consequences for the Earth’s Survival

本書は、地球研の名誉特別フェローである Sander van der Leeuw博士がケンブリッジ大学出版局から刊行された力作で、社会や経済のダイナミズムが創出してきた「持続可能性」という難問に、どのように今日の世界が捕らわれるようになったのか分析しています。社会科学の理論と複雑な自然科学のシステムを統合し、どのように先進国が彼らの西洋的な見方をグローバル化し、またその見方が上記の難問を創出したのかを探ります。そして、人類の情報処理の歴史としての新しい社会発展の見方を提示し、どのように過去から現在を見抜くか、私たちがどのように未来と対峙していくのか示しています。

  • Sander E. van der Leeuw 著
  • 発行 Cambridge University Press, 2019 (Open Access)
  • ISBN 9781108498692 (hardback)
  • ISBN 9781108724425 (paperback)

太平洋諸島の歴史を知るための60章

本書は、日本とのかかわりという視点から、太平洋という海洋世界のうえにある国や地域の歴史を知り、学ぶことを目的としています。日本にとっての隣人、それも同じ島国である太平洋の国や地域をより身近に感じることができ、太平洋諸島の歴史や文化を学ぶ人にとって格好の入門書になっています。60章に分かれているので、短い空き時間に気軽に手に取って読むことができます。地球研の中原聖乃研究員が、第14章「マーシャル諸島における日本統治―文化の収奪」と、第50章「生き続けるゴジラ―マーシャル諸島・反核運動・被ばく・放射性廃棄物」を担当しています。

  • 石森 大知、丹羽 典生 編著
  • 発行 明石書店 2019年12月
  • ISBN 978-4750349091
  • 四六判 368頁 価格2,000円+税

アフリカで学ぶ文化人類学
民族誌がひらく世界

本書は各章においてアフリカを舞台にした古典的な民族誌を取り上げ、その内容を丁寧に紹介しています。民族誌を通してそこに描かれたアフリカの生の人々の多様性に触れ、アフリカ社会に関する関心を育み、文化人類学を学ぶ人にとってもアフリカを学ぶ人にとっても最適の入門書です。

地球研の中尾世治特任助教が第8章「歴史と同時代性――ロ頭伝承研究と歴史叙述のフロンティア」の執筆を担当し、『無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に』(川田順造)を取り上げ、自身のブルキナファソでの歴史研究とあわせて、口頭伝承が過去をいかに表現してきたか、過去の民族誌が歴史を再構成するための史料としていかに用いることができるのかについて論じています。

  • 松本 尚之・佐川 徹・石田 慎一郎・大石 高典・橋本 栄莉 編
  • 発行 昭和堂 2019年11月
  • ISBN 978-4-8122-1906-5
  • A5判 288頁 価格2,200円+税

現代日本における自然葬の民族誌

死は誰もそれを経験することができず、不特定多数の想像によって概念化されるという点で集合的な表象であり、文化的な範疇で捉えます。葬送儀礼は、遺体の腐敗や死者の行方などに説明を与えることで、死を認識可能なものに変換させる文化的装置といえます。

しかし近年葬送儀礼は変化しつつあります。本書では、新しい葬送儀礼を営むことで死を受け入れようとしてきた人々の、不断の試みを描いています。

NPO法人「葬送の自由をすすめる会」を中心に、日本の近代に成立した共同体と宗教を超えたところで葬送儀礼がいかに生成され、個人はどのように死と向き合っていくかを明らかにしています。

  • 金セッピョル 著
  • 刀水書房 2019年3月刊
  • ISBN 978-4-88708-449-0
  • A5判 220頁 価格6,000円+税

地域の歴史から学ぶ災害対応
比良山麓の伝統知・地域知

人々は長い歴史の中で、どのように自然の恵みや災いに付き合ってきたのでしょうか。それぞれの地域で長い時間をかけて、人が自然とつきあうための豊富な知識が蓄積されてきました。本書では地球研Eco-DRRプロジェクト研究調査地である比良山麓において地形や文化、歴史資料から暮らしを読み解くことで、地域の人々がいかに自然の恵みを利用しながら災害に対応してきたかを古文書や古絵図、写真を用いて分かりやすくまとめた書です。

  • 発行   総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト
         (日本語版)電子BOOK 2019年8月
         (英語版)2020年8月
  • デザイン 島内梨佐
  • 編集   島内梨佐 中井美波 他
  • ISBN   978-4-906888-56-6
  • 非売品

朽木谷の自然と社会の変容

滋賀県「朽木」地域の人々が、その特徴的な自然のなかで、どのような暮らしや社会を作り上げてきたか。13名の執筆者のユニークな着眼点から、京都近郊の中山間地域「朽木」の多様性と、歴史と伝統を明らかにします。

本書では、地球研の嶋田奈穂子研究員が、第5章「“流域”を超える朽木のモノと生き物―木材と魚―」、第13章「朽木の神社地誌―土地に生きるカミの行方―」、地球研熊澤輝一准教授が第20章「朽木らしさの未来を考える」を執筆するなど、朽木地域で研究に取り組む研究者たちが様々な角度から報告をしています。

  • 水野一晴・藤岡悠一郎 編
  • 発行 海青社
  • ISBN 978-4-86099-332-0
  • A5判 334頁(カラー16頁) 価格3,500円+税

比良山麓石工鳥瞰図

地球研 Eco-DRRプロジェクト研究調査地である比良山麓には石の文化が残っています。それらは災害を防ぐための堤や水路に活用されました。今回石材を製作した、石工の仕事についての聞き取りや、江戸期の絵図を通し、暮らしの中で自然の脅威と恵みに向き合った姿をイラストや鳥瞰図を交えたリーフレットにして分かりやすく紹介しています。

  • 発行 総合地球環境学研究所 Eco-DRRプロジェクト,
       2019年3月
  • 写真提供 大津市歴史博物館
  • デザイン 島内梨佐
  • 非売品

シンポジウム講演録
自然を活かして防災する―災害と恵みのかかわり―

自然環境は、さまざまな恵みを私たちの暮らしや社会にもたらしています。 自然の恵みの一つに自然災害の抑制があり、「生態系を活用した防災減災」のアプローチが近年注目されています。 日本は、古くから多くの自然災害を経験してきましたが、気候変動が進むと、 さらなる自然災害が引き起こされると懸念されています。 さらには、人口減少や財政問題などの社会的課題は、 これからの防災減災のあり方にも影響します。 シンポジウムは、自然災害と自然の恵みのかかわりを国内外のさまざまな事例に学びながら、これからの人と自然のかかわり方について共に考える機会をつくることを目的に開催しました。

本書には、吉田丈人(地球研・東京大学大学院総合文化研究科 准教授)、一ノ瀬友博(慶応義塾大学環境情報学部 教授)、中村太士(北海道大学大学院農学研究員 教授)の講演と、総合討論の内容を掲載しています。

  • 発行 総合地球環境学研究所, 2019年3月
  • ISBN 978-4-906888-55-9
  • A4判 28頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.2
漆の木のある景観 岩手県二戸市浄法寺における漆掻きと日々の暮らし

岩手県二戸市浄法寺地区は国産漆70%以上を産する地域で、漆は数千年も続いたレジリエントな産業です。とはいえ、最近数十年は日本の漆産業にとっても最も厳しい時代でした。漆掻きという生業が浄法寺のほかにはほとんどなくなってしまったのです。本書は、浄法寺地区における漆掻きの生業の多様性や、漆掻きの歴史的変遷、漆の種苗作りなどについて聞きとり調査を行った記録です。

  • 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 羽生淳子 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2019年3月22日
  • ISBN 978-4-906888-62-7
  • A4判 44頁 非売品

レジリエントな地域社会 Vol.1
地域のレジリエンスと在来知

災害というような大きな危機を地域社会がどうやって乗り越えるのか、復興や再生にあたって地域が持つ潜在的な力をどう活用できるのかを考えるのが、災害研究におけるレジリエンスという概念です。

本書では「災害にレジリエントな環境保全型地域社会の創生」をテーマとして東北を中心とした研究活動を行ってきた地球研羽生淳子客員教授らチームが、岩手県の宮古市と福島県を主なフィールドとして小規模農家をはじめとする、地域の人々の日々の暮らしと環境との関わりについての調査し、気象条件の変化による凶作や、地震による津波、放射能事故といった一大危機から地域社会がどのように乗り越えようとしてきたのかを考察しています。

  • 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 羽生淳子 編
  • 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2019年3月20日
  • ISBN 978-4-906888-60-3
  • A5判 69頁 非売品

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土4

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土4

2017年3月(第一巻)2018年2月(第二巻)2018年3月(第三巻)刊行したエッセイの続巻です。今回も、さまざまな専門分野をもち国内外のあちこちに出かけて、そこに暮らす人びととの関わりを大切にする研究者(執筆者)らの温かいまなざしに満ちた記事が集まりました。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。

  • 田中樹、宮嵜英寿、石本雄大 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 (IS研究『 アフロ・アジアの脆弱環境地域での「貧困と環境荒廃の連鎖」の抑制に向けた実践的アプローチの創発と展開』成果物)、2019年3月31日
  • 電子版、130頁、非売品
  • ISBN  978-4-906888-58-0

生活圏を学ぶアプローチ
―京都府立洛北高等学校SSH課題研究における総合地球環境学研究所との共創―

生活圏を学ぶアプローチ―京都府立洛北高等学校SSH課題研究における総合地球環境学研究所との共創―

地球研は、京都府立洛北高等学校と2016年度に締結した教育協力協定に基づく環境教育を実践しています。

2018年度からは、1年生を対象にした授業「サイエンスⅠ」で、地球環境理解と仮説設定・研究手法の基礎を身につける教育のサポートを開始しました。

本書は、一年間の取り組みをまとめた記録集です。理論編と実践編に分かれた論説をはじめ、授業内容の紹介、アンケート結果の分析、関係者による座談など全体を見渡せる構成になっています。巻末には実際に授業で使用されたワークシートも掲載しています。

  • 岸本紗也加、井上藍、太田和彦、林耕次、三宮友志、
    阿部健一 編著
  • 発行 総合地球環境学研究所 2019年3月
  • ISBN 978-4-906888-54-2
  • 107頁 非売品

続・コンヴィヴィアルな社会へ
第10回地球研東京セミナー「地球環境と生活文化――人新世における学び」報告書

続・コンヴィヴィアルな社会へ 第10回地球研東京セミナー「地球環境と生活文化――人新世における学び」報告書

2018年12月15日(土)と16日(日)の二日間、東京大学で開催した第10回地球研東京セミナー「地球環境と生活文化――人新世における学び」。

地球研と東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」の共催企画であるこのセミナーは、日本各地から集まった博士課程リーディングプログラムの履修生等と地球研の若手研究者による16件のポスターを軸とした講演と対話、ワークショップという構成でした。

本書は、2日間にわたる企画の内容をまとめた記録集です。

また、巻末に東京大学 IHSとの3回にわたる共催企画を見渡した企画者間の放談を掲載しています。

  • 総合地球環境学研究所広報室 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 2019年
  • ISBN 978-4-906888-57-3
  • 119頁 非売品

コンヴィヴィアルな社会へ
第9回地球研東京セミナー「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)
における学び-」報告書

コンヴィヴィアルな社会へ 第9回地球研東京セミナー「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)における学び-」報告書

2018 年1月27日(土)に東京大学駒場キャンパスで開催した第9回地球研東京セミナー「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)における学び-」。

地球研と東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」の共催企画であるこのセミナーは、日本各地から集まった博士課程リーディングプログラムの履修生等と地球研の若手研究者による20件のポスターを軸とした講演とワークショップという構成でした。

本書は、参加したリーディングプログラム履修生たちと地球研の研究者が、実質 7時間という短い時間でこなした内容をまとめた記録集です。

  • 総合地球環境学研究所広報室 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 2018年
  • ISBN 978-4-906888-53-5
  • 95頁 非売品

Transformations of Social-Ecological Systems Studies in Co-creating Integrated Knowledge Toward Sustainable Futures

本書は、地球研プロジェクト「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理(地域環境知プロジェクト」の成果を集大成したものです。世界各地の地域社会におけるケーススタディに基づき、地域環境知、レジデント型研究、知識の双方向トランスレーションなどの新しい概念を駆使して、持続可能で公平な未来の実現に向けた社会の本質的な転換を促す新しいトランスディシプリナリー研究を体系化することを目指しています。

  • Edited by Sato, Tetsu, Ilan Chabay, Jennifer Helgeson
  • 発行 Springer 2018年
  • ISBN (ハードカバー)978-981-13-2326-3
  • ISBN (eBook)978-981-13-2327-0
  • 430頁 $379.99(ハードカバー)$299.0 (eBook)

La mémoire d‘El-Hadj Beinké Souleymane Mangané

La mémoire d‘El-Hadj Beinké Souleymane Mangané

本書は、地球研プロジェクト「サニテーション価値連鎖の提案」の中尾世治研究員が編集補助をしました。

西アフリカにあるブルキナファソのイブラヒム・マガネさんが、ご自身の父親であるベインケ・マガネさんの遺された文書をまとめて、ボボ・ジュラソ(ブルキナファソの都市)のイスラームの現代史について執筆したものです。この本では、ムスリム文化連合ヴォルタ支部―のちにブルキナファソのムスリム(イスラーム教徒)のナショナルな団体となるブルキナファソ・イスラーム協会の前身―の草創期のことが、当時の文書や写真とともにブルキナファソの公用語であるフランス語で書かれています。

  • I. K. Mangané 著 中尾世治 編集補助
  • 発行 総合地球環境学研究所 2018年12月
  • ISBN  978-4-906888-52-8
  • B5判 152頁 非売品(フランス語)

ブルキナファソを喰う!
―アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック

本書は、地球研プロジェクト「サニテーション価値連鎖の提案」の清水貴夫研究員が執筆しました。

アフリカ人類学者である筆者は、20年間にわたり西アフリカにあるブルキナファソでフィールド調査を実施してきました。

ブルキナファソにおける食の在り方を通じて、地域の豊かな文化や人々のつながり、伝統や歴史、文化変容などの意味について考えます。

また、地球研において2012~2017年に実施されたプロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」の研究成果も盛り込まれています。

本書が第1回配本となる「叢書・地球のナラティブ」のシリーズ・エディターは、寺田匡宏・地球研客員准教授です。

  • 清水 貴夫 著
  • 発行 あいり出版 2019年2月
  • ISBN  978-4-86555-066-5
  • 四六判 288頁 価格1,800円+税

地熱資源をめぐる 水・エネルギー・食料ネクサス
―学際・超学際アプローチに向けて―

本書は、総合地球環境学研究所で平成29年度まで実施された「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障―水・エネルギー・食料連環」プロジェクトの別府温泉における研究成果を中心にとりまとめたものです。温泉や発電といった地熱資源の利用が環境や社会に与える影響(メリット・デメリット)、それらから生じるステークホルダー間での利害対立(コンフリクト)を解消・緩和するための手法などを紹介しています。

社会科学、自然科学双方の研究者のみならず、ステークホルダーの方々も調査研究や執筆に加わっており、研究における学際・超学際アプローチの実例が示されています。

  • 馬場健司・増原直樹・遠藤愛子 編
  • 発行 株式会社 近代科学社 2018年11月
  • ISBN 978-4-7649-0578-8
  • A5判 308頁 価格3,800円+税

人と自然の環境学

生物多様性や生態系、自然資源の現状をふまえながら、地域や都市の多様なステークホルダーの参加で自然とのつながりを取り戻し、望ましい未来社会を展望します。

本書では、地球研の中静透プログラムディレクター・特任教授が序章Ⅰ-2「ブナ林の歴史と人のくらし」、羽生淳子客員教授が序章Ⅰ-3「在来知とレジリアンス」を執筆を担当しています。

  • 公益財団法人 日本生命財団  編
  • 発行 東京大学出版会 2019年1月
  • ISBN 978-4-13-063371-0
  • A5判 280頁 価格2,600円+税

決定版!グリーンインフラ

人口減少や少子高齢化、自然災害のリスク増加、地球温暖化、地域間競争の激化――。多様な社会問題が頻発するなか、これらを一気に解決できる概念として期待されているのが、グリーンインフラである。

産官学の第一線の識者が集まったグリーンインフラ研究会では、これまでグリーンインフラの包括的な概念を整理し、各フィールドで様々な活動を実践してきた。

本書では国内外のグリーンインフラの先進事例を紹介するほか、これからのグリーンインフラの将来像やビジネスチャンスについても詳説。

地球研プロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」のメンバーが執筆担当

  • 発行 日経BP社 2017年1月24日
  • ISBN 978-4-82-223522-2
  • A5判 392頁 価格3,200円+税

地球気候学-システムとしての気候の変動・変化・進化

気候のダイナミクスを知り、地球の気候のさまざまな問題を考えるための基本書。地質時代や氷河期の気候から、現在の「地球温暖化」を含む人間活動が地球気候に与える影響に関する最近の研究成果なども含めて、地球気候とその変化をどう理解すべきかをまとめています。

  • 安成哲三 著
  • 発行 東京大学出版会 2018年5月
  • ISBN 978-4-13-062728-3
  • A5判 208頁 価格3,400円+税

Handbook of East and Southeast Asian Archaeology

本書は地球研2014~2016年度のフル・リサーチ・プロジェクト「地域に根ざした小規模経済活動と長期的持続可能性――歴史生態学からのアプローチ―」(小規模経済プロ、研究番号14200084)の研究成果の一部です。

東アジアと東南アジアの考古学については、これまで、まとまった英語の概説書がありませんでした。そこで、小規模経済プロジェクトの長期変化班では、その研究活動の一部として、東アジア・東南アジア各地における先史時代~初期歴史時代の人々の生業・集落の在り方を含めた生活様式、社会構造とアイデンティティ等について、人間と環境との相互関係という視点から考察した本書を編集し、出版しました。さらに、現代社会における考古学の役割についても積極的に検討しています。全42章のうち、日本の考古学に関する章が8章あります。

なお、プロジェクト・リーダー(当時)の羽生淳子が執筆した章については、下記からダウンロード可能です。

  • Habu, Junko, Lape, Peter V., Olsen, John W 編
  • 発行 Springer Nature,2017年
  • 771頁 379.99$(ハードカバー)299.0 $(eBook)
  • ISBN (ハードカバー)978-1-4939-6519-9
  • ISBN(eBook)978-1-4939-6521-2

地域環境学 トランスディシプリナリー・サイエンスへの挑戦

地域社会の環境問題から地球規模の環境問題へ――科学者、生産者、地域住民など、多様なステークホルダーによって生み出された科学知や在来知を統合したさまざまな「地域環境知」に着目し、環境問題の解決と持続可能性の実現をめざして「地域環境学」として新たに体系化します。

本書は地球研において2012年度~2016年度に実施されたプロジェクト「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」の成果の一つです。

  • 佐藤 哲  菊地 直樹  編
  • 発行 東京大学出版会 2018年1月10日
  • A5判・上製 416頁 価格4,600円+税
  • ISBN  978-4-13-060320-1

里海学のすすめ 人と海との新たな関わり

人が積極的にかかわることで身近な海を豊かにする「里海」という日本発の発想が、世界に広がりをみせています。

沖縄県恩納村と白保、高知県柏島、岡山県日生、インドネシア、フィジー、フロリダなど多彩な里海の事例を通じて、人と海とのつながりを深め、里海を創生する方法を示します。

本書は地球研において2012年度~2016年度に実施されたプロジェクト「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」の成果の一つです。

  • 鹿熊信一郎・柳哲雄・佐藤哲 編
  • 発行 勉誠出版 2018年3月31日
  • A5判・上製 352頁 価格4,200円+税
  • ISBN  978-4-585-26002-8

森林の変化と人類

森林の変化は、森林のもつさまざまな構造や生物多様性の変化を引き起こしました。特定の有用な資源の枯渇が進むと利用する樹木の種類が変化する一方、人工林の造林・経営技術が発達します。大量の人工林の出現により、そこに棲む生物は大きな影響を受けます。食物連鎖の頂点に位置するオオカミの絶滅は、里山の利用低下ともあいまって、シカ、イノシシなどの増加、農作物被害の増加などによるさらなる里山の利用低下を招きました。森林の組成や構造の変化は森林の機能や生態系サービスの変化となり、生物多様性とそれがもたらす生態系サービスの変化が、森林管理の大きな問題へつながります。このように、森林変化は人とのかかわりを抜きには語りえません。第1巻では森林の変化と人類の関わりの歴史を振り返り、本シリーズ続巻を読む上での基礎的な知識を修得します。

  • 中静 透・菊沢 喜八郎 編
  • 発行 共立出版 2018年3月
  • A5判 248頁 価格3,300円+税
  • ISBN  978-4-320-05817-0

土と肥料の話

地球研プロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」(研究期間2012年度~2017年度)が、タイの民間団体Eco-community Vigor Foundationと協働し、土と肥料に関するマンガ本「土と肥料の話」の多言語版(日本語、ベトナム語、インドネシア語)を作成しました。

原本のタイ語版と英語版もダウンロードできます。

  • 監修 総合地球環境学研究所「砂漠化をめぐる風と人と土」プロジェクト 宮嵜英寿、田中樹
  • 平成 30 年 2 月 8 日
  • 電子版 非売品
  • ISBN  978-616-90047-7-6

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土3

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土3

2017年3月(第一巻)、2018年2月(第二巻)に刊行したエッセイの続巻です。プロジェクト研究に関わった方やアフリカやアジアのフィールドで出会った研究者らからの寄稿です。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。

  • 田中樹、宮嵜英寿、石本雄大 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 (IS研究『 アフロ・アジアの脆弱環境地域での「貧困と環境荒廃の連鎖」の抑制に向けた実践的アプローチの創発と展開』成果物)、2018年3月22日
  • 電子版、98頁、非売品
  • ISBN  978-4-906888-50-4

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土2

エッセイ集 フィールドで出会う風と人と土2

2017年3月に刊行したエッセイの第二弾です。アフリカやアジアの山や海や村落や都市でフィールド研究をしている研究者らが、食べ物、家畜、芸術、自然、生業(なりわい)、あそびなど十人十色な記事を書きました。そこには、風景や暮らしとのさまざまな出会いや発見、物語、想いがあります。そして、私たちは、このエッセイを、これらと読み手との新たな出会いの場と機会にしたいと考えています。

  • 田中樹、宮嵜英寿、石本雄大 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 (IS研究『 アフロ・アジアの脆弱環境地域での「貧困と環境荒廃の連鎖」の抑制に向けた実践的アプローチの創発と展開』成果物)、2018年2月5日
  • 電子版、113頁、非売品
  • ISBN  978-4-906888-49-8

のびゆく農業 ―世界の農政― 1036-1037
 都市食料政策ミラノ協定―世界諸都市からの実践報告―

「のびゆく農業」は、海外の農業・農政に関する文献を翻訳し、解題を付して日本の農業関係者に発信する叢書です。

本号は、2015年5月~10月のミラノ万博に併催された、持続可能な都市食料政策を検討する会合において、世界の各都市の市長により署名された宣言文「都市食料政策ミラノ協定(Milan Urban Food Policy Pact)」を訳出したものです。また、トロントやパリをはじめとする各都市で行われている先進的な食農政策の実践事例集の一部も掲載しています。

  • 太田 和彦・立川 雅司 訳、立川 雅司 解題
  • 発行 一般財団法人 農政調査委員会 2017年12月
  • B5判・並製61頁 320円+税
  • ISBN  0915-4132

子どもたちの生きるアフリカ ― 伝統と開発がせめぎあう大地で

人口十億人の半数を子どもが占めるアフリカ。彼らはどんな風景を眺め、どんなふうに家族や仲間と過ごし、遊び、学び、働いているのか。フィールドワーカーが現地で出会った子どもたちを主役に描き出します。アフリカの現在を学びたい人に最適の入門書。

本書は地球研において2012年度~2016年度に実施されたプロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」の成果の一部です。

  • 清水 貴夫、亀井 伸孝 編
  • 発行 昭和堂 2017年10月
  • A5判・並製 304 頁 価格2,700円+税
  • ISBN  978-4-8122-1636-1

ローカル認証 地域が創る流通の仕組み

「ローカル認証」とは地理的に限られた範囲で生産される産品の高い品質を保証し、さらに産品の地域性を消費者まで伝えられる仕組みです。自治体などが制度として運営する認証(有機JASと併用する例を含む)だけでなく、民間の加工・販売企業が地域性を発信している事例も紹介しています。

本書は地球研において2012年度~2016年度に実施されたプロジェクト「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」の成果の一部です。

  • 大元 鈴子 著
  • 発行 清水弘文堂書房 2017年9月15日
  • 四六判 264 頁 価格2,000円+税
  • ISBN 978-4-87950-628-3

メガシティ6 高密度化するメガシティ

メガシティに避けがたく生じる課題に高密度居住がある。高密度居住はどのように生成してきたのか。本巻では、ジャカルタにおける高密度居住に着目し、マイナス面だけではなく、そのメリットも見すえつつ、メガシティの望ましい居住環境を展望する。

  • 村松 伸 、岡部 明子、林 憲吾、雨宮 知彦 編
  • 発行 東京大学出版会 2017年1月
  • A5判 280 頁 価格3,800円+税
  • ISBN 978-4-13-065156-1

メガシティ5 スプロール化するメガシティ

メガシティ一般に生じている、都市化が平面的に拡大することで自然環境に与える負荷の問題や、ジャカルタなどで見られる都市と農村が混在したまま拡張し、建造環境・自然環境に大きな負荷をかける新たなスプロール化現象に着目し、そこに孕まれる可能性とその解決策を展望する。

  • 村松 伸、村上 暁信 、林 憲吾、栗原 伸治 編
  • 発行 東京大学出版会 2017年6月
  • A5判 256 頁 価格3,800円+税
  • ISBN 978-4-13-065155-4

地域と対話するサイエンス―エリアケイパビリティー論

AC(エリア・ケイパビリティー)とはどのような考え方なのか? それによって、地域の自然環境にどのような好影響があり、そこで暮らす人々にどのような社会的・経済的恩恵があるのか?ACの可能性を追究する理論編。

  • 石川智士・渡辺一生 編
  • 発行 勉誠出版 2017年 4月
  • 四六判・上製 352 頁 価格3,200円+税
  • ISBN 978-4-585-26000-4

地域が生まれる、資源が育てる―エリアケイパビリティーの実践

新しい地域資源の発見が新しい地域コミュニティーを作り出し、より良いヒトと自然の関係性を構築していく。自然とヒトの好循環を創り出すAC(エリア・ケイパビリティー)の発想法を、事例を通しながら描く。ACの達成を紹介する実践編。

  • 石川智士・渡辺一生 編
  • 発行 勉誠出版 2017年 4月
  • 四六判・上製 288 頁 価格2,800円+税
  • ISBN 978-4-585-26001-1

育みの海―東幡豆今昔紀行

愛知県西尾市東幡豆町の「昔」と「今」を切り取った写真集。海辺の漁港町であるこの地域にとって、海は暮らしに寄り添う重要な存在です。そんな海 と人々のかかわりを、写真を通して素描しました。過去と現在、そこから見えてくる未来とは――。「地域のあり方」を見つめる一冊となっているの で、ぜひ読んでみてください。そしてこの本を通じて昔も今も変わらない東幡豆のよさを一人でも多くの方に知っていただけたらうれしいです。

  • 李 銀姫 編
  • 発行 総合地球環境学研究所
       2017年3月31日(2019年10月31日 2刷発行)
  • 電子版 72項 非売品
  • ISBN 978-4-906888-42-9

日本における戦略的研究アジェンダ
Japan Strategic Research Agenda (JSRA)

『日本が取り組むべき国際的優先テーマの抽出及び研究開発のデザインに関する調査研究』 において、地球環境問題を解決するために、市民・行政・産業界・専門家から持続可能な社会に向けた意見や提案を集め、107の課題を選びました。これらを10のテーマにまとめ、「日本における戦略的研究アジェンダ(Japan Strategic Research Agenda)」を作成しました。

  • 発行 総合地球環境学研究所、2017年3月31日
  • 16頁 非売品

フォトエッセイ フィールドで出会う暮らしの風景(電子版写真集)

アフリカやアジアでのフィールド研究の際に撮った写真を気ままに持ち寄り、フォトエッセイをつくりました。それぞれのつながりは見えにくいですが、一つだけ共通するものがあります。それは、出会いです。私たちは、あちこちの村や街、畑や森や水辺を歩き、そこの風景、土や水、風、音、匂い、雰囲気とともに、人びとや暮らしの表情に出会いました。それを多くの方々と共有できればうれしく思います。

エッセイ集 フィールドで出会う風と土と人

「フィールド」は、私たちにとって、学びの場と機会に満ちています。訪ねる土地は学校そのものです。そこに住まうお爺さんもお婆さんもおじさんもおばさんも、そしてこどもたちも私たちの先生です。アフリカやアジアのさまざまな土地で出会った人びとと交流する中で形づくられた発見や想いをエッセイとしてまとめました。

Field Guidebook on Philippine Fishing Gears - Fishing Gears in Estuaries

本書は、フィリピンのアクラン州のNew Washington地区やBatan地区の河口域における漁具や漁法を掲載したものです。漁具・漁法の記述とともに、どのようにその漁法が選択されるのか、漁獲生物の生態や行動が漁獲効率にどのように影響を及ぼすのか、漁獲漁業の調査をフィールドでどのように行うのか等について記載されています。また、現地漁民がそれぞれの漁具・漁法を選択するに至った生物学的、社会学的情報についても記載しています。

  • Harold Monteclaro, Kazuhiko Anraku and Satoshi Ishikawa 編
  • Research Institute for Humanity and Nature 2017年 3月
  • 非売品

GUIDE TO OPERATION OF ACOUSTIC DATA COLLECTION SYSTEM (AQFI-1301) FOR SHALLOW WATERS

この本は、沿岸の浅海域における音響資源量調査を行うための機器について紹介しています。市販の魚群探知機を利用した簡易型計量魚群探知システムのハードウエアーからソフトウエアーまでを網羅しており、低コストで浅海域の音響資源量調査を始めたい方に、お勧めします。

  • Miyamoto, Y., Uchida, K., Theparoonrat, Y., Anongponyoskun, M., Thongsila, K., Minlee, Y., Sasakura, T. and Hasegawa, K. 編
  • Research Institute for Humanity and Nature 2017年 3月
  • 非売品

Laboratory Manual on Fundamental Ichthyology

本書の原著は,東海大学海洋学部の学生実験を主な対象とした「魚類学実験テキスト」として日本語で出版されました。今回,対象読者としてアジア・アフリカ域等の学部学生を念頭に,汎用性のある章を選んで翻訳出版いたしました。本出版は,総合地球環境学研究所エリアケイパビリティープロジェクトおよび東海大学海洋学部の助成を受けて行いました。

  • Hirokazu KISHIMOTO, Nobuhiro SUZUKI and Izumi AKAGAWA 編, 武藤文人 英訳・編
  • Tokai University Press 2017年 2月
  • 非売品

フィリピン・パナイ島の魚類ポスター

フィリピン・パナイ島に水揚げされた魚類597種のうち、240種を厳選してポスターにしました。

  • Motomura, H., U. B. Alama, N. Muto, R. Babaran, and S. Ishikawa 編
  • Kagoshima University Museum, Kagoshima, University of the Philippines Visayas, Iloilo, and Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto 2017年 2月
  • 非売品

Commercial and bycatch market fishes of Panay Island, Republic of the Philippines

フィリピン・パナイ島に水揚げされた商業・混獲魚類132科597種を911枚のカラー写真で紹介した図鑑です。フィリピン初のすべて標本に基づく、網羅的な魚類の記録です。本書に掲載された少なくとも19種はフィリピン海域からの初めての記録で、他にも複数の未記載種(新種)が掲載されています。597種すべてにそれぞれ科名、学名、英名、形態、分布、生息環境、大きさ、分類学的備考や種間比較などを付記しました。

  • Motomura, H., U. B. Alama, N. Muto, R. Babaran, and S. Ishikawa 編
  • Kagoshima University Museum, Kagoshima, University of the Philippines Visayas, Iloilo, and Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto 2017年 1月
  • 非売品

わたしたちがえがく地球の未来(フューチャー・アース)-持続可能な地球社会に向けた優先研究課題-

このパンフレットは、科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST-RISTEX)「フューチャー・アース構想の推進事業」による委託研究『日本が取り組むべき国際的優先テーマの抽出及び研究開発のデザインに関する調査研究』により制作されたものです。

本事業では地球環境問題を解決するために、市民・行政・産業界・研究者が一緒になって、日本が取り組むべき 107の研究課題と10のテーマを選びました。どんな課題やテーマがあるのか分かりやすくまとめたこの冊子を活用し、さまざま立場の人たちと一緒に社会の問題解決に取組んでいきます。

  • 発行 総合地球環境学研究所 2016年12月
  • 14頁 非売品

メガシティ4 新興国の経済発展とメガシティ

メガシティにとって環境政策と経済政策の間にはジレンマがある。本巻では、ジャカルタの鉄鋼業を俎上にのせ、産業構造と環境規制の相関がメガシティの存立にどのように作用しているのかを検討する。その上で、新興国メガシティ経済について新たなモデル化と環境問題解決策を提案する。

  • 村松 伸、山下 裕子 編
  • 発行 東京大学出版会 2016年9月
  • A5判 224 頁 価格3,400円+税
  • ISBN 978-4-13-065154-7

メガシティ3 歴史に刻印されたメガシティ

現在の状況だけを見ていてもメガシティの実態には迫ることはできない。第3巻では、メガシティと歴史の相関を主題とし、東京に次ぐ、世界第二の都市圏人口を抱えるジャカルタに着目する。16世紀から20世紀までの歴史的視点から、ジャカルタがメガシティへといたる発展プロセスの要因を多角的に探る。

  • 村松 伸、島田竜登、籠谷直人 編
  • 発行 東京大学出版会 2016年8月
  • A5判 272 頁 価格3,800円+税
  • ISBN  978-4-13-065153-0

メガシティ2 メガシティの進化と多様性

ひとくちにメガシティといってもその実状は多様である。第2巻では、都市地域生態圏という括りを提案し、地球上の18のメガシティを比較分析する。なかでも都市範囲、人口、居住環境、都市計画に着目し、その共通性と多様性を明らかにし、全球全史上にメガシティを位置づける。

  • 村松 伸、深見奈緒子、山田協太、内山愉太 編
  • 発行 東京大学出版会 2016年9月
  • A5判 440 頁 価格4,800円+税
  • ISBN  978-4-13-065152-3

メガシティ1 メガシティとサステイナビリティ

世界人口は2050年には90億人を、21世紀末には100億人を突破するとみられている。それにともない都市圏人口1000万人を擁するメガシティも増加しようとしている。地球環境に巨大な影響を及ぼすメガシティの実像とはどのようなものなのか。第1巻は、シリーズ全体の総論としてメガシティ考察のためのイントロダクションとなる。

  • 村松 伸、加藤浩徳、森宏一郎 編
  • 発行 東京大学出版会 2016年8月
  • A5判 304 頁 価格3,800円+税
  • ISBN 978-4-13-065151-6

Field guides on small-scale fisheries in Rayong, Thailand

エリアケイパビリティープロジェクトでは、2012年12月より、タイ王国ラヨーン沿岸域にて、小規模漁業の調査を行ってきました。現地での詳細な漁業活動ならび水揚物に関する情報を整理し、地元のコミュニティーに研究成果をフィードバックした、「タイ王国ラヨーン沿岸の小規模漁業に関するガイドブック」は、タイ・ラヨーン沿岸域だけでなく、熱帯域全体の小規模漁業の漁業管理にも役立つものになると考えています。

  • Anukorn BOUTSON, Keigo EBATA, Satoshi ISHIKAWA, Kazuo WATANABE, Takafumi ARIMOTO 編
  • 発行 総合地球環境学研究所エリアケイパビリティープロジェクト,2016年3月
  • 非売品
  • ISBN 978-4-906888-26-9

幡豆の干潟探索ガイドブック

今でも豊富な自然と文化が残る三河湾・幡豆地区。その魅力を、地球研ACプロジェクトと東海大学海洋学部の関係者が独自の視点で取りまとめた、干潟のいきものガイドです。幡豆への旅行・潮干狩りや、環境学習の際などにぜひ活用してください。

  • 石川智士・仁木将人・吉川 尚 編
  • 発行 総合地球環境学研究所 ,2016年2月
  • 非売品
  • ISBN 978-4-906888-22-1

幡豆の海と人びと

幡豆の海と人びと

幡豆の沿岸を舞台に、遺跡、港、漁業、元素分析、プランクトン、海藻、貝、エビ・カニ、魚、イルカ、環境学習、アクティブラーニングに 地域創生まで、私たちがおこなってきた様々な研究のエッセンスをまとめた一冊です。幡豆に暮らす方、幡豆を訪れた方に、また、幡豆を知らない方にも、 幡豆の海をとりまく自然環境や文化社会に魅力を感じていただけると思います。

国際資源管理認証: エコラベルがつなぐグローバルとローカル

エコラベルを知っていますか?水産物や林産物などの自然資源の持続可能な利用を推進するエコラベルを活用する国際資源管理認証の仕組みについて木材、水産資源、養殖水産物、アブラヤシなどの生産、流通、そして消費までのさまざまな過程を詳細に追いながら解説する。

  • 大元 鈴子、佐藤 哲、内藤 大輔 編
  • 発行 東京大学出版会 ,2016年3月
  • A5・256ページ 価格 4,800円 + 税
  • ISBN 978-4-13-060314-0

水を分かつ-地域の未来可能性の共創

水の流れが人の集団を形成し、人の集団の中で水の分配が決められる。バリ島の伝統的水利組織スバックの水管理を学びつつ、スラウェシ、トルコ、そして日本へ。

コミュニティと共に望ましい水管理のあり方を探求した地球研プロジェクト『統合的水資源管理のための「水土の知」を設える』の成果を取り纏めました。

  • 窪田 順平 編
  • 発行 勉誠出版,2016年3月
  • A5判・上製 250ページ 価格 4,200円 + 税
  • ISBN 978-4-585-23040-3

大槌発 未来へのグランドデザイン―震災復興と地域の自然・文化―

地球研プロジェクト「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障―水・エネルギー・食料連環」では、大槌の自然や暮らしの基盤となる湧き水に注目し、湧水文化や生物の調査を実施してきた。震災にて壊滅的な打撃を受けた岩手県大槌町を震災前から調査していた研究者たちが、地元と築き上げてきた関係の中から、未来へのグランドデザインを描く。

  • 谷口 真人 編
  • 発行 昭和堂,2016年3月
  • A5・272ページ 価格 2,500円 + 税
  • ISBN 978-4-8122-1545-6

次世代につなぐ美しい農の風景ー世界農業遺産

2002年、南アフリカで国連の主催により開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」。そこで提唱されたのが「世界的に重要な農業遺産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems)」、略して「世界農業遺産(GIAHS)」です。世界農業遺産には地球研から二名が科学委員として参加し、選考にあたっています。この書籍では、日本にある5つの世界農業遺産認定地域と3つの候補地、世界の認定地域の特徴と魅力をビジュアルで紹介します。

  • 世界農業遺産BOOK編集制作委員会 著
  • 発行 一般社団法人家の光協会,2015年10月
  • B5変型判 価格 2,000円 + 税
  • ISBN 978-4-259-54758-5

Humanity and Nature in the Japanese Archipelago
『日本列島における人間と自然』

Humanity and Nature in the Japanese Archipelago

2015年にCRP(研究高度化支援センター)は『Humanity and Nature in the Japanese Archipelago』を発行しました。本著は、2000年から2009年まで地球研で行なわれた研究の成果をまとめた『地球環境学事典』(弘文堂、2010年)を基にいくつかの項目を英語に翻訳したもので、日本における人間と環境の長期的な変化を紹介しながら、一つのストーリを編んでいます。これまで海外の一般読者層にはほとんど紹介されてこなかった日本の縄文時代という、人間と環境の歴史の重要な時代区分についても言及しています。地球研の関係者を中心とした事典の執筆者、アーティスト、学術イラストレーターが共に組んで編集作業を進め、日本の農村風景や動植物のイラストを加えたデザイン性にも優れた本になりました。

総合地球環境学研究所 編

※入手ご希望の方はこちらにお問合せ下さい。

未来へつなぐ人と水-西条からの発信-

未来へつなぐ人と水-西条からの発信-

2008年9月15日に愛媛県西条市にて開催された、人間文化研究機構の連携研究「人と水」の市民シンポジウムの成果を広く伝えるため、一般向け読者にまとめたものです。

  • 総合地球環境学研究所 編

水と世界遺産

水と世界遺産

連携研究「人と水」のシンポジウムの成果。日本を含むアジア地域の世界遺産と水との関わりから、世界遺産地域が抱える問題に鋭いメスをいれたものです。エコツーリズム研究の必読書。

  • 秋道智彌 編

図録メコンの世界

図録メコンの世界

生態史プロジェクトの研究成果として、東南アジアのメコン河流域に何が起こったかについて、55のテーマで解説。全頁カラーの資料価値と教育的効果の高い図録です。

  • 秋道智彌 編

人類学生態環境史研究

人類学生態環境史研究

生態史プロジェクト(4-2)で、中国雲南省の研究者による3年間の共同研究の成果。若手研究者による貴重な論文を集約したものです。環境問題を地域の生態史として描いた労作(中国語)。

  • 尹紹亭・秋道智彌編

黒水城人文与環境研究

黒水城人文与環境研究

2006年9月に額済納で開催した国際シンポジウムの論文集。オアシスプロジェクトの成果論文が約半分を占めています。英語のアブストラクトが付いています。

  • 沈衛栄・中尾正義・史金波 編

オアシス地域史論叢
―黒河流域2000年の点描

オアシス地域史論叢

オアシスプロジェクトの成果の一つ。黒河流域という特定の地域の2000年の歴史を、文書情報や考古学的情報を中心とした論文集の形でまとめたものです。

  • 井上充幸・加藤雄三・森谷一樹 編

子どもたちに語るこれからの地球

子どもたちに語るこれからの地球

誰のための地球環境なのか。子どもたちに大人や親はなにを語り伝えればよいのだろうか。地球環境問題を分かりやすく解説したものです。

  • 日高敏隆+総合地球環境学研究所 編
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