地球研をのぞいてみよう

地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します

今度の冒険は
「滋賀県 大津市 比良山麓」
に行くよ。

案内してくれるのは、
深町加津枝 共同研究員
中井美波・島内梨佐 研究推進員

だよ!

ガイド ガイド
  • 比良山麓の里山  比良山麓(ひらさんろく)里山(さとやま)
  • ナス子

    抹茶(まっちゃ)の生チョコ♪

  • 地球犬

    どれどれ?

  • ナス子

    みてよ、あれ♡

  • 地球犬

    ナス子ちゃん!食べ物じゃないよ!

  • ガイド

    ここは棚田(たなだ)よ。

  • ナス子

    あ、お姉さん。はずかしい。ちょっとした冗談(じょうだん)ですわ。

  • ナス子

    棚田?

  • ガイド

    傾斜(けいしゃ)している土地に階段状(かいだんじょう)に作られた稲作地(いなさくち)のことよ。

  • 地球犬

    とても緑のキレイなところだね。

  • ガイド

    ここ比良山麓は琵琶湖(びわこ)に面した平野(へいや)と、急な高低差(こうていさ)をもつ比良山系の間のせまい地形だけど、いろいろな自然環境(しぜんかんきょう)がつくられているの。

  • ナス子

    日本にもまだこんなすばらしい自然があったとは♪
    犬にとってはパラダスだわ♡

  • 地球犬

    ん?これはなに?

  • 模式図
  • ガイド

    これは比良山麓にある守山集落(もりやましゅうらく)における明治後期(めいじこうき)主要(しゅよう)資源利用(しげんりよう)のながれを示す模式図(もしきず)なの。

  • ナス子

    んとー、ここの生活はどんな風だと分かったの?

  • ガイド

    ここでは豊富(ほうふ)森林資源(しんりんしげん)建築材(けんちくざい)燃料(ねんりょう)食材(しょくざい)などとしてつかっていたの。そして浜からは舟運(しゅううん)を通して琵琶湖湖岸や京都などの消費地(しょうひち)に向けて森林資源や石材(せきざい)がはこばれていたのよ。

  • 地球犬

    舟運ってなに?

  • ガイド

    舟で移動したり、物を運んだりしていたの。

  • 内湖(近江舞子) 内湖(ないこ)近江舞子(おうみまいこ)
  • ガイド

    湖の周辺でとれる()田畑(たはた)有機肥料(ゆうきひりょう)として使われ、ヨシは屋根材(やねざい)として使われていたの。

  • 地球犬

    ヨシは肥料にしてもヨシ!

  • ナス子

    ・・・・

  • 地球犬

    イヒ。

  • 地球犬

    琵琶湖に近いとお魚もよくとれたんじゃないかな?

  • ガイド

    そうね。湖や湖岸、それらにつながる川や水田、あるいは湧水(わきみず)があるところではシジミやアユ、ウナギなどの魚介類(ぎょかいるい)をとって食べていたの。

  • 石垣 守山石 石垣(いしがき) 守山石(もりやまいし)
  • 地球犬

    みてみて!こにある石はシマシマもようになってるよ。

  • ナス子

    マーブルチョコ♪

  • 地球犬

    あのねぇ、すぐチョコを連想(れんそう)するのはおやめ。

  • ガイド

    これは「守山石」っていうの。

  • 石垣 花崗岩 ▲ 石垣 花崗岩(かこうがん)
  • ガイド

    これは花崗岩の石垣。周辺の山でとれるこういった石は造園(ぞうえん)に使ったりして、産業(さんぎょう)にいかしているの。

  • ドーン!!

  • 百間堤 花崗岩  百間堤(ひゃっけんづつみ) 花崗岩
  • ナス子

    (かみなり)おこし♪

  • 地球犬

    なす子ちゃんお腹でもすいてるの?

  • ガイド

    これは、お菓子じゃなくて「百間堤」っていうの。

  • 地球犬

    この石積(いしづみ)はどういう役目をはたすの?

  • ガイド

    百間堤は江戸時代につくられたもので、直進する流れを南に流すための石積の堤となっているの。比良山麓では、身近にある石材を上手につかって自然災害に備えてきたの。

  • ナス子

    へぇ~昔の人の知恵だね!

  • ガイド

    今日(こんにち)においても、自然災害に備えるための地域の取り組みはきちんとおこなわれているのよ。

  • 地球犬

    近頃も災害が多いからね。どんなことしてるの?

  • 防災チラシ ▲ 防災チラシ(クリックで拡大)
  • 地球犬

    すごい!お姉さんがつくったの?

  • ガイド

    地元自主防災会(じしゅぼうさいかい)や大学などと連携(れんけい)して作成しているの。

  • ナス子

    あ、同じずきんをかぶってるね。

  • 地球犬

    ぼくたちは緊急時(きんきゅうじ)にはパニックになってほえちゃったり、無駄(むだ)に走りまくってしまうけど、これがあればいざというときにも落ちついて行動できるね。

  • ナス子

    地球犬くんのパニックぶり、想像(そうぞう)できちゃうわ・・・

  • 防災講座の様子 防災講座(ぼうさいこうざ)の様子
  • ナス子

    あ、みんな集まっているよ!

  • 地球犬

    どうみても遊びじゃないよ、ナス子ちゃん。

  • ガイド

    あら、いらっしゃい。

  • ナス子

    なにしているの?

  • ガイド

    今から防災講座よ。自主(じしゅ)の防災の一環(いっかん)なの。

  • ナス子

    みんな真剣(しんけん)だね。

  • ガイド

    ここではECO-DRRにかんする伝統(でんとう)や地域のもつ知恵、そして自然災害履歴(りれき)や土地の利用の変化などをみんなで情報共有(じょうほうきょうゆう)しているの。

  • 地球犬

    えっとそのECO・・・なんたらってなに?

  • ガイド

    ECO-DRRはEcosystem-based Disaster Risk Reductionの頭文字(かしらもじ)をとっているの。

  • ナス子

    Aha..

  • 地球犬

    ナス子ちゃん英語わかってんの?

  • ガイド

    生態系(せいたいけい)活用(かつよう)した防災や減災(げんさい)のこと。それぞれの自然環境や歴史(れきし)、文化的な特徴(とくちょう)にそって(さく)を考えるということ。

  • 地球犬

    地域のたすけ合いもたいせつだね。

  • ナス子

    あっ!こっちでも何かしているよ!

  • 史料調査の様子(古文書の埃を払っています) 史料調査(しりょうちょうさ)の様子(古文書(こもんじょ)(ほこり)を払っています)
  • 地球犬

    こちらも遊びでない。

  • ナス子

    お呼びでない?

  • ガイド

    古文書から守山の過去の災害、河川(かせん)、土地利用等について知るために調査を行っているところよ。

  • 地球犬

    昔と今ではずいぶん変化しているのかな。

  • ガイド

    そうなの。近年(きんねん)、比良山麓では伝統的な仕組みが大きく変化して、地域と自然環境や自然資源との関わりも変化しているから、地域防災や生物多様性(せいぶつたようせい)保全(ほぜん)に関わる問題も生じているの。

  • ナス子

    どんな問題があるの?

  • ガイド

    耕作地(こうさくち)が手入れされず放置(ほうち)されたり、利用されない里山林(さとやまりん)がふえているの。そして都市に近いという好立地(こうりっち)から住宅開発(じゅうたくかいはつ)も進んでいるの。

  • 地球犬

    自然があって都市からも近いとなるとみんな住みたくなるよね。

  • ガイド

    こういった課題(かだい)について、地元自治体や市民団体などが主体(しゅたい)となって、この地特有(とくゆう)の自然のめぐみや文化をいかした地域発展(ちいきはってん)のあり方を模索(もさく)しているのよ。

  • ナス子

    お姉さんたちはすごいね。

  • ガイド ガイド

    私たちのプロジェクト「人口減少時代(じんこうげんしょうじだい)における気候変動適応(きこうへんどうてきおう)としての生態系(せいたいけい)活用(かつよう)た防災減災(ぼうさいげんさい)(Eco-DRR)の評価(ひょうか)と社会実装(じっそう)」では、地元自主防災会や行政などの活動と連携(れんけい)しながらワークショプの開催(かいさい)や地区防災計画の策定(さくてい)普及啓発活動(ふきゅうけいはつかつどう)などにかかわっているのよ。

  • 地球犬

    たいへんなお仕事だと思いますが、がんばってくださいね。

  • ナス子

    ポー

  • 地球犬

    ナス子ちゃんどうしたの?

  • ナス子

    吉田先生だ♡

  • 地球犬

    !!

  • 吉田先生

    どうも、プロジェクトリーダーの吉田です

滋賀県 大津市 比良山麓

地理:
琵琶湖に面した平野と、急な高低差を持つ比良山系の間の狭い範囲に多様な環境が形成
気候:
温暖な東日本・瀬戸内型と冬季 に雪による降水量が多い日本海・中部山岳型の気候を相備えた地域
経済:
京都や大阪の都市近郊、古くからの街道に面した地域、伝統的な集落周辺に新興住宅が増加
民族:
日本人
言語:
日本語
宗教:
集落ごとにお寺や神社が存在
食文化:
琵琶湖の恵みや農地、森林資源を
建築:
ヨシ葺き民家、杉板と漆喰を使った民家、樹下神社

今回のガイド

深町(ふかまち)加津枝(かつえ)

総合地球環境学研究所 ECO-DRR共同研究員

主な研究テーマは、京都周辺、琵琶湖湖岸などの文化的景観、里山における人と自然の関係とその変化、景観生態学に基づく地域固有の景観保全、活用の計画です。生態的な価値と文化的な価値を統合した環境デザイン、緑地環境保全のあり方を目指しています。

顔写真

中井美波(なかい みなみ)島内梨佐(しまうち りさ)

総合地球環境学研究所 研究推進員

地球研のEco-DRRプロジェクトの研究推進員です。滋賀県を中心に調査の補助をしています。

顔写真
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