窒素のファクト05
窒素問題nitrogen issue
私たち人類は、20世紀初期にアンモニアを工業的に合成する技術、人工的窒素固定を実現しました。その後、1960年代の緑の革命と呼ばれる時期からアンモニアの合成量が飛躍的に伸び、化学肥料として食料増産に大きく寄与しています。また、合成した反応性窒素は工業原料にもなり(薬品、爆薬・火薬、プラスチックなど)、近年ではアンモニアを水素キャリアや燃料とする用途も着目されています。これらは窒素利用の便益(benefits)です。その一方で、私たちが利用する窒素の多くが反応性を有したまま環境に逸出しています。これらが窒素汚染という脅威(threats)をもたらしています。窒素利用が望まぬ窒素汚染を伴うというトレードオフを窒素問題と称します。