窒素のファクト04

廃棄窒素nitrogen waste

私たち人類が肥料や工業原料として利用した窒素や、燃料の燃焼に伴い発生した反応性窒素は、最終的には窒素ガス(N2)あるいは反応性窒素の形で環境に流出しようとします。これらをまとめて廃棄窒素(英語ではnitrogen waste)と呼びます。各種資源を利用した後に発生するものを廃棄物と称するのと同じ考え方です。ただし、廃棄窒素とは2020年ごろに提案された呼称であり、その定義にはまだ議論の余地があります。

廃棄窒素は、投入したけれども最終産物に到達せずに環境に流出するものと、最終産物の利用後に環境に流出するものに大別されます。前者の例は、投入した窒素肥料のうち作物に吸収されずに大気や水域に排出される窒素です。後者の例は、食品の消費後に発生する排せつ物としての窒素です。廃棄窒素が反応性窒素として環境に漏れ出すと多様な窒素汚染の原因となります。排ガスや排水の処理によって反応性窒素の一部を無害なN2に戻すことが可能ですけれども、処理の設備や維持にも資源やコストがかかります。元々の廃棄窒素を減らす工夫をすることが大切です。

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