窒素のファクト03
生物学的窒素固定biological nitrogen fixation
窒素ガス(N2)は2個の窒素原子が三重結合で固く結びついていて簡単には分解されません。地球大気の78%がN2であるのは、地球を作る素材に元々窒素があり、一度N2となった窒素が安定な気体であるために大気に蓄積しているからです。
窒素は、タンパク質やDNAの形成に必要な元素ながら、N2のままでは利用できません。ところが、一部の微生物は常温常圧でN2からアンモニアを生成する能力、生物学的窒素固定を獲得したのです。ニトロゲナーゼという酵素(これもタンパク質ですね)が強力な三重結合を分離し、そこに水から作り出した水素をくっつけてアンモニアとするのです。生成されたアンモニアはグルタミン酸に変換され、さらに他のアミノ酸に変換されて生体内で利用されます。地球の生態系は元々、この生物学的窒素固定により生成される反応性窒素を最上流において回っていました。