地球研をのぞいてみよう

地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します

今度の冒険は
「アメリカ
カリフォルニア州バイセリア市」

だよ。

案内してくれるのは、
羽生淳子 教授
だよ!

ガイド
  • Edible School Yard(バークリー市内中学校庭) ▲ Edible School Yard(バークリー市内中学校庭)
  • ナス子

    こ、これはもしや?!地球犬くんの耳野菜では?!

  • 地球犬

    えっ?!

  • ナス子

    新鮮なのと取りかえちゃう?

  • 地球犬

    いやいや、これはキャベツって書いてあるでしょが、、、僕のはすぐきの葉ですけど、、、

  • ナス子

    えへへ。

  • 地球犬

    あそこで何かやっているよ!

  • カリフォルニア大学バークリー校実験農場 ▲ カリフォルニア大学バークリー校実験農場
  • 地球犬

    こんにちは。何をしているの?

  • ガイド

    有機農業(ゆうきのうぎょう)講義(こうぎ)実習(じっしゅう)が行われているところよ。

  • 地球犬

    おじゃましてすみません。講義ってここは?

  • ガイド

    ここカリフォルニア大学バークリー校内の農場よ。大学ではファーマーズ・マーケットの調査なども行っているのよ。カリフォルニアは有機栽培(さいばい)最先端地域(さいせんたんちいき)なの。

  • ナス子

    そいうえばさっきスーパでもオーガニック野菜が充実していたな。

  • ガイド

    ところで今日は今から今からセントラル・バレー域のバイセリア市(Visalia)でおもしろいワークショップがあるけど一緒に行く?

  • 地球犬 ナス子

    行きます!

  • ドングリの殻をむく子ども ▲ ドングリの(から)をむく子ども
  • ナス子

    みんな何しているの?!

  • ガイド

    ここではワクチャムニ・ヨクーツ族、ウェスタン・モノ族の方々と、ドングリ・ワークショップをしているのよ。

  • 地球犬

    あ、あの先生、そのワク・・・族って?

  • ガイド

    ネイティヴ・アメリカンの部族の名前よ。

  • ブラック・オークのドングリ
  • ナス子

    ドングリころころどんぶりこー♪

  • 地球犬

    ナス子ちゃんあいわからず美声!

  • ガイド

    この地域には秋には数種類のオークの木からドングリが実り、このドングリがかつての彼らの主食だったの。

  • ナス子

    ドングリを食べていたの?

  • ガイド

    ドングリ食の歴史は彼らにとっての大切なアイデンティティの一部なの。

  • 地球犬

    かたいドングリをどうやって食べていたの。

  • ガイド

    いい質問ね!今からワークショップに参加するとわかるよ。

  • ナス子

    体験型のお勉強だいすき。わくわくするな。

  • ガイド

    土器(どき)を持たない文化では、食材を集める(さい)の容器としてはもちろんのこと水を(たくわ)えるにも、調理にも「バスケット(()みカゴ)」を使っていたの。、

  • バスケットと調理用具 ▲ バスケットと調理用具
  • ナス子

    えっ?水はこぼれないの?

  • ガイド

    ここにはないけれど、緻密(ちみつ)に編まれたバスケットは水ほとんどもれることはなく、調理もできるのよ。

  • ナス子

    すごいね!

  • 地球犬

    これは何をしているところ?

  • ドングリ粉作製 ▲ ドングリ粉作製
  • ガイド

    ドングリの皮をむいてから、石臼(いしうす)石杵(いしきね)粉状(こなじょう)にしているの。

  • 地球犬

    (じょう)さん、ポケモンの帽子(ぼうし)がお似合いで♪

  • ナス子

    地球犬くん、集中して!

  • 石臼と石杵 ▲ 石臼と石杵
  • ガイド

    こんな感じでゴリゴリとつぶすのよ。

  • ナス子

    そうか、つぶせば食べられるね!

  • ガイド

    アクヌキをしたドングリの粉に水を混ぜてドロドロにしたものをバスケットに入れ、そこに焼けた石を入れるとドングリの粥状(かゆじょう)になったものがふつふつと煮立(にた)ってくるの。今日はバスケットじゃなくて、普通のお(なべ)の中に焼石(やきいし)をいれたけど(笑)

  • ドングリ粉を水にさらしてアク抜き/水さらし後のドングリ粉を絞る ▲ ドングリ粉を水にさらしてアク抜き ▲ 水さらし後のドングリ粉を絞る
  • 焼けた石を取り出す作業 ▲ 焼けた石を取り出す作業
  • 地球犬

    お姉さん熱そう。僕も熱くて耳が赤くなりました。

  • ドングリマッシュ(調理済) ▲ ドングリマッシュ(調理済)
  • ガイド

    ちょっと食べてみる?

  • ナス子

    もぐもぐ。あっ!意外に甘みがあるね。

  • 地球犬

    こうやって(やわ)らかくしたものを食べていたのか。

  • ガイド

    ドングリの実には豊作(ほうさく)の年と、不作(ふさく)の年があるので、彼らは常にドングリを乾燥貯蔵(かんそうちょぞう)していたのよ。

  • ナス子

    大切な食料だったんだね。

  • 水不足で枯れた木(バイセリア市) ▲ 水不足で枯れた木(バイセリア市)
  • 地球犬

    あれあれ、この木はなんだか様子がヘンだよ。

  • ガイド

    小雨による水の不足でかれちゃった木よ。この地域では農業用水(のうぎょうようすい)の不足も問題なの。

  • ナス子

    環境の変化によって受け継がれてきた文化まで失うことになっちゃうかもしれない!

  • ガイド

    気候や植生(しょくせい)など日本とも似ているこのカリフォルニアの地が大好きだから、文化も自然も未来につないでいきたいと思っているの。

  • 地球犬 ナス子

    せんせい、今日はありがとうございました。

アメリカ カリフォルニア州バイセリア市

地理:
ロサンゼルスとサンフランシスコの中間のセントラル・バレーと呼ばれる地域。
バレー(谷)なのに広くて平ら。
気候:
バイセリア市は、温暖だが少雨のため、農業用水の不足にも悩む。
経済:
農業を中心として畜産も盛ん。電子部品と紙製造業も成長中。
食文化:
ブドウ、オリーブ、柑橘類などが特産。

今回のガイド

羽生(はぶ)淳子(じゅんこ)

総合地球環境学研究所 研究部教授
プロジェクトリーダー

横浜育ち。小学校4年生の時に家の近所の遺跡で妹とともに縄文土器を拾って以来、考古学に目覚める。慶応義塾大学文学部・民族学考古学専攻卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学理学部助手を経て、カナダのマッギル大学人類学科博士課程修了(博士号取得)。同大学人類学科講師、カリフォルニア大学バークリー校人類学科助教授、准教授を経て、2010年より同校人類学科教授(現在、地球研教授と兼任)。日本の縄文時代を中心とした研究に基軸を置きつつ、当プロジェクトにおいては環境考古学と生態人類学の立場から、地域と地球環境問題の解決に役立つ国際発信をめざす。

羽生淳子
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