地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
今度の冒険は
「アメリカ
カリフォルニア州バイセリア市」
だよ。
案内してくれるのは、
羽生淳子 教授
だよ!

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▲ Edible School Yard(バークリー市内中学校庭)
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こ、これはもしや?!地球犬くんの耳野菜では?!
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えっ?!
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新鮮なのと取りかえちゃう?
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いやいや、これはキャベツって書いてあるでしょが、、、僕のはすぐきの葉ですけど、、、
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えへへ。
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あそこで何かやっているよ!
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▲ カリフォルニア大学バークリー校実験農場
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こんにちは。何をしているの?
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有機農業 の講義 ・実習 が行われているところよ。 -
おじゃましてすみません。講義ってここは?
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ここカリフォルニア大学バークリー校内の農場よ。大学ではファーマーズ・マーケットの調査なども行っているのよ。カリフォルニアは有機
栽培 の最先端地域 なの。 -
そいうえばさっきスーパでもオーガニック野菜が充実していたな。
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ところで今日は今から今からセントラル・バレー域のバイセリア市(Visalia)でおもしろいワークショップがあるけど一緒に行く?
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行きます!
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▲ ドングリの
殻 をむく子ども -
みんな何しているの?!
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ここではワクチャムニ・ヨクーツ族、ウェスタン・モノ族の方々と、ドングリ・ワークショップをしているのよ。
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あ、あの先生、そのワク・・・族って?
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ネイティヴ・アメリカンの部族の名前よ。
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ドングリころころどんぶりこー♪
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ナス子ちゃんあいわからず美声!
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この地域には秋には数種類のオークの木からドングリが実り、このドングリがかつての彼らの主食だったの。
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ドングリを食べていたの?
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ドングリ食の歴史は彼らにとっての大切なアイデンティティの一部なの。
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かたいドングリをどうやって食べていたの。
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いい質問ね!今からワークショップに参加するとわかるよ。
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体験型のお勉強だいすき。わくわくするな。
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土器 を持たない文化では、食材を集める際 の容器としてはもちろんのこと水を蓄 えるにも、調理にも「バスケット(編 みカゴ)」を使っていたの。、 -
▲ バスケットと調理用具
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えっ?水はこぼれないの?
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ここにはないけれど、
緻密 に編まれたバスケットは水ほとんどもれることはなく、調理もできるのよ。 -
すごいね!
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これは何をしているところ?
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▲ ドングリ粉作製
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ドングリの皮をむいてから、
石臼 と石杵 で粉状 にしているの。 -
お
嬢 さん、ポケモンの帽子 がお似合いで♪ -
地球犬くん、集中して!
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▲ 石臼と石杵
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こんな感じでゴリゴリとつぶすのよ。
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そうか、つぶせば食べられるね!
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アクヌキをしたドングリの粉に水を混ぜてドロドロにしたものをバスケットに入れ、そこに焼けた石を入れるとドングリの
粥状 になったものがふつふつと煮立 ってくるの。今日はバスケットじゃなくて、普通のお鍋 の中に焼石 をいれたけど(笑) -
▲ ドングリ粉を水にさらしてアク抜き ▲ 水さらし後のドングリ粉を絞る
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▲ 焼けた石を取り出す作業
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お姉さん熱そう。僕も熱くて耳が赤くなりました。
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▲ ドングリマッシュ(調理済)
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ちょっと食べてみる?
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もぐもぐ。あっ!意外に甘みがあるね。
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こうやって
柔 らかくしたものを食べていたのか。 -
ドングリの実には
豊作 の年と、不作 の年があるので、彼らは常にドングリを乾燥貯蔵 していたのよ。 -
大切な食料だったんだね。
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▲ 水不足で枯れた木(バイセリア市)
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あれあれ、この木はなんだか様子がヘンだよ。
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小雨による水の不足でかれちゃった木よ。この地域では
農業用水 の不足も問題なの。 -
環境の変化によって受け継がれてきた文化まで失うことになっちゃうかもしれない!
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気候や
植生 など日本とも似ているこのカリフォルニアの地が大好きだから、文化も自然も未来につないでいきたいと思っているの。 -
せんせい、今日はありがとうございました。
アメリカ カリフォルニア州バイセリア市
- 地理:
- ロサンゼルスとサンフランシスコの中間のセントラル・バレーと呼ばれる地域。
バレー(谷)なのに広くて平ら。 - 気候:
- バイセリア市は、温暖だが少雨のため、農業用水の不足にも悩む。
- 経済:
- 農業を中心として畜産も盛ん。電子部品と紙製造業も成長中。
- 食文化:
- ブドウ、オリーブ、柑橘類などが特産。
今回のガイド
羽生 淳子
総合地球環境学研究所 研究部教授
プロジェクトリーダー
横浜育ち。小学校4年生の時に家の近所の遺跡で妹とともに縄文土器を拾って以来、考古学に目覚める。慶応義塾大学文学部・民族学考古学専攻卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学理学部助手を経て、カナダのマッギル大学人類学科博士課程修了(博士号取得)。同大学人類学科講師、カリフォルニア大学バークリー校人類学科助教授、准教授を経て、2010年より同校人類学科教授(現在、地球研教授と兼任)。日本の縄文時代を中心とした研究に基軸を置きつつ、当プロジェクトにおいては環境考古学と生態人類学の立場から、地域と地球環境問題の解決に役立つ国際発信をめざす。
