地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
お次は
「日本 香川県 豊島」
からおとどけします。
案内してくれるのは、
遠部 慎
プロジェクト研究員
だよ!

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▲ 豊島遠景
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島が見えてきたよ!
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瀬戸内海にはいっぱい小さな島があって、一体どこに来ちゃったのか分からなくなっちゃったよ。
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あれが
小豆島 の西側にある豊島 だよ。 -
お兄さんは島の人?
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僕は島の住人ではないけど、ここ10年くらい調査で通っているんだ。今日はフィールドワークがあるんだ。
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フィールドワーク??
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そう。島の物質文化にまつわる
痕跡 を求めて、遺跡 や貝塚 、浜辺、教会跡地などを歩いて回るんだ。 -
冒険みたいで楽しそう!
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じゃあみんなで一緒に行こう!
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みなさんこんにちは!
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こんにちは!
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今日一日、一緒にフィールドワークに参加する仲間だよ。
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よろしくお願いします!
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よろしくお願いします
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さっそく行こう!
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▲ 浜辺ではカニも見つかります。
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アイーン。
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びっくりした!!
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そんなにびっくりしないでよ。オイラはずっーと昔からここに住んでるんだから。
昔と今ではこの瀬戸内海の景観 もまったく違う世界だったけどな。 -
そうなのお兄さん?
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もともと瀬戸内海は陸続きだったけれど、縄文時代に
徐々 に海水が流入 してきて現在の形になったんだ。海水が流入する前は、いまで言うと「汽水湖 」ないしは「河口付近」のような状況だったと考えられてるよ。 -
ちなみに「汽水湖」ってのは
淡水中 に海水が侵入している湖沼 のことさ。 -
へー。かにさん意外に物知り。
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浜辺にも遺物が落ちていることもあるからよく見ながら歩いてね。
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◀ 浜辺で落ちている遺物の
解説をしている様子 -
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あっちを見てごらん。
断崖絶壁 になってるとこに瀬戸内海最古の貝塚があるんだよ。 -
あんなてっぺんのトコにも貝塚があるんだ!?
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◀ フィールドワークの様子
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こんな木々が生い茂った中も歩くんだね。
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こうやって薮の中をかき分けて進んで行くのがフィールドワークの
醍醐味 。まったくの手付かずの部分も多くて、現場、現場を歩いて、荒れ放題の道なき道を切り開いていくんだよ。 -
▲ 古墳を探してる様子
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レディが歩く道じゃないわよ・・・。
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レディって・・・。犬なんだから平気でしょ・・・。
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ずいぶん歩いたね。
少し変わったところに着いたよ。 -
こ、ここは!?
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▲ 不法投棄現場(昔、遺跡だった場所)
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産業廃棄物 の不法投棄現場 。実はここも考古学的な遺跡があったりするんだ。 -
遺跡の上に不法投棄していたってことなの?!
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そう。遺跡が壊されて不法投棄されたから、調査はとっても難しいんだけどね。
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私の
嗅覚 で何か見つかるかも! -
そ、そういう問題じゃ・・・。
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難しい問題だね。
さて、みんな疲れたよね。おいしいものでも食べにいこっか。 -
さんせー!
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▲ 農民福音学校でのピザ焼の様子
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わあ!おいしそう!!!
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ここは農民
福音 学校といって、キリスト教の農村伝道 に尽力 された賀川豊彦 さんの影響 を受けた方が、みんなの学びの場として使っていたところなんだ。 -
海に囲まれたこんないい環境で学べたらいいね。
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モグモグ。こんな環境で食べられるのもいいね。
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ナス子ちゃんはどこに行っても食べることしか考えてない・・・。
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これもどうぞ食べてね。
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◀ 焼きそば
(農民福音学校の簡単レシピ) -
ありがとうございます!
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おいしい!!
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◀ 農民福音学校
(キリスト教的農村伝道)の碑 -
のどがかわいたなー。
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◀ 唐との清水
(豊かな水源:昭和初期の水利施設) -
この唐との清水は年中
湧水 が出ていてとってもおいしい水がのめるよ。 -
お水もおいしー!
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島の人はみんな明るくて優しいね。
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そうだね。僕は可能な限り、地元の方にも声をかけるようにしているんだ。声をかけるタイミングや食事の頃合、季節の行事などが、少しずつわかってくるのがフィールドワークの楽しみでもあるんだ。そうした中で
垣間 見える島の暮らしは、自分の日常性とは異なって、とても魅力的 。いろんな意味で、あつかましいのでよく怒られるけど、それでも通うようにしているんだ。誰かと一緒にね。 -
また来たいな!
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今度は秋においで。お祭りがあるよ。
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▲ 秋祭りの様子
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お祭り男、必ず参上します!
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地球犬くん、お祭り男だっけ?
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最後にお土産をどうぞ。
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◀ 苺の栽培
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イチゴだー♪
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いちご
栽培 は島の産業なんだ。 -
お兄さんありがとう!
香川県 豊島
- 地理:
- 香川県の島嶼部南西部。京都からバスで3時間、そこから船旅
- 気候:
- 1年を通じて雨が少ない、瀬戸内海気候
- 経済:
- 海苔・苺・オリーブ・とか。伝統産業は豊島石(現在廃業)
- 言語:
- 「○○してつかあさい」という表現。(○○してください、という意)
- 宗教:
- 寺社・史跡も多いが、キリスト教に関連する施設も多い。古くから続くお祭りやお接待もあります
- 食文化:
- 小魚を中心とするのが特徴。魚(ママカリ、サワラ寿司)、飯蛸、イギス豆腐(テングサ)とか
- 建築:
- 豊島石を使った町並みが素敵!美術館に関連する建物、多数
今回のガイド
遠部 慎
総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員
専門は考古学および文化財学です。瀬戸内海をフィールドに、無人島に遺跡を踏査するために、船でよく出かけますが、川で溺れてからまったく泳げません。誰かに助けてもらいながら、「現場に神宿る」をモットーに島々に通っています。
