地球研をのぞいてみよう

地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します

最初は
「ブルキナファソ・カッセーナの
人びとの住まい」

だよ。

案内してくれるのは、
清水貴夫
プロジェクト研究員

だよ!

ガイド
  • カセーナの屋敷(ソンゴ) ▲ カセーナの屋敷(ソンゴ)
  • ナス子

    迷路に迷い込んだみたい!

  • 地球犬

    かくれんぼー!僕をみつけてみな!

  • ガイド

    みーっけ。

  • 地球犬

    わわっ!お、お兄さんどこから?!

  • ナス子

    村長さんでしょうか?

  • ガイド

    いいえ、私は日本人ですよ。

  • 地球犬 ナス子

    えっ!どうもはじめまして。

  • ガイド

    どうも。お二人はここに来たのは初めて?

  • 地球犬

    はい。お兄さんもかくれんぼ中?

  • ガイド

    ・・・。僕はしごと中だよ。

  • ナス子

    こんなに日本から遠くはなれた地でどんなお仕事を?

  • ガイド

    僕のプロジェクトでは「砂漠化」と呼ばれる水が少なく植物もほとんど生えなくなってしまった所に住む人々が、どんな風に適応して暮しているかを調べているよ。そうして集めた人々の知恵を他の地域にも伝えていくことが目的なんだ。

  • ナス子

    とっても素敵なお仕事だと思います!

  • 地球犬

    お兄さん、とてもふしぎな所にきちゃったけどここは一体どこなの?

  • ガイド

    君たちは、ここティエベレという町の王様が住む屋敷(やしき)(ソンゴ)に迷いこんだんだよ。いくつかの同じ祖先をもつ家族が集まって住んでいるだ。彼らはカッセーナと呼ばれる民族で、その家々は様々な模様(もよう)(いろど)られているのが特徴(とくちょう)さ。

  • 男性の家(マンゲロ) ▲ 男性の家(マンゲロ)
  • 地球犬

    カッセーナの家、かっけーな!

  • ナス子

    え。

  • ガイド

    あれは男性の家でマンゲロと呼ばれていて、四角い建物になっているんだ。

  • ナス子

    男性しか住めないの?

  • ガイド

    以前は男性のための家だったんだけど、こういう四角い家の方が作りやすいので、今は女性の家も四角いものが増えてるんだけどね。

  • ナス子

    地球犬くん!みて!あのおうち、とっても模様がキレイ!

  • 「8の字型」の家とその装飾 ▲ 「8の字型」の家とその装飾
  • 地球犬

    わあ、ホントだ!こんなお家みたことないよ!

  • ガイド

    でしょ。カッセーナの人びとの住居は、ユニークな装飾(そうしょく)が特徴で、この家は「8の字」型のなっていて、首長の第一夫人が住んでいるといわれているんだ。赤茶、黒で美しい模様が描かれているだろ。

  • ナス子

    なんだか町が美術館みたいだね!

  • ガイド

    最近はブルキナファソ、ガーナでも観光資源として注目を浴びているんだよ。

  • ナス子

    こっちではお姉さんたちが何かやってるよ!

  • 地球犬

    もしや・・・カッセーナでも女子会?

  •  色を塗るのは女性の仕事 ▲  色を塗るのは女性の仕事
  • ゲスト

    こんにちは。

  • ナス子

    こんにちはー!お姉さんここで何をしているの?

  • ゲスト

    家の壁を塗っているところよ。

  • ナス子

    お姉さんたちだけで?

  • ゲスト

    そうよ。家を塗るのは主に女性の仕事なの。

  • 地球犬

    お、お疲れ様です。

  • ガイド

    ちなみに家を建てるのは男性の仕事だから、その時は地球犬くんも手伝ってね。

  • 地球犬

    ハ、ハイッ!!

  • ナス子

    お兄さんは家のことにとっても詳しいね。

  • ガイド

    まぁね。僕は住居を単に建物としてだけでなく、文化的な要因(よういん)に目を配りながら、「住まうこと」のあり方を研究しているんだ。

  • ナス子

    どうしてまた「住まうこと」に注目を?

  • ガイド

    人の生活の基本的な要素は「衣食住」でしょう?人の生き死に関わるので、「食」の大切さはよくわかるのだけど、「住」も人が外界の敵や風雨から身を守り、家族が暮らしていく基礎(きそ)となる重要な要素だからね。

  • ナス子

    わかります! 私も今より大きく快適な家に住みたいです!

  • 地球犬

    犬小屋ではご不満?

  • ナス子

    夢はでっかくいこうぜー!

  • ラングエル村の首長のソンゴ(屋敷) ▲ 時代は遷ろう
  • ガイド

    ここは現在調査を行っているラングエル村の首長のソンゴ(屋敷)。ナーボと呼ばれる中庭を中心に、それぞれの家屋の壁と壁を(つな)げて小さな家族のまとまりが作られていて、さらにそれらが繋ぎ合わされて約40の家屋が連っていてるんだ。

  • 地球犬

    さっきの家と違って壁がシンプルだね。

  • ガイド

    そうだね。伝統的にそれぞれの家は美しく色が塗られてきたけれど、時代と共にその「伝統」は変化していくもので、塗装(とそう)の材料も変わり、そして最近では色を塗ることさえあまりされなくなってきたんだ。

  • ナス子

    なんだかさみしいけど、伝統や文化は移り行くものだからね。

  • 地球犬

    お!ナス子ちゃん、成長したね!

  • ガイド

    僕はそろそろ行かなくちゃ。またどこかの砂漠で会おうぜ!

  • 地球犬 ナス子

    お兄さんありがとう!またね!

ブルキナファソ南部 ナホリ県

地理:
高低差はほとんどなく、平坦な地形
気候:
湿潤サバンナ
経済:
基本的にはトウジンビエ、モロコシやトウモロコシの栽培や、家畜飼養
民族:
カッセーナ(大グルンシのサブグループ)
言語:
カッセーナ、フランス語
宗教:
イスラーム、キリスト教
食文化:
トウジンビエなどを原料に「ト」と呼ばれる練り粥を主食に、ソースに添えて食べる
建築:
土づくりの集合住宅的な居住スタイル

今回のガイド

清水(しみず)貴夫(たかお)

総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員

専門は文化人類学、アフリカ地域研究、アフリカ子ども学研究。大学生時代のバックパッカーの経験からアフリカにはまる。大学卒業後、4年間の民間企業勤務、NGO駐在員、フランス留学、名古屋大学大学院を経て現職。主な研究キーワードは、アフリカにおけるストリート・チルドレンとイスラーム教育、宗教組織の経営に関する問題など。

清水貴夫
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