地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
次の国は
「ブータン」
からのおとどけです。
案内してくれるのは、
佐野雅規
プロジェクト上級研究員
だよ!

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▲ パロで開かれたチェチュ祭り
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幸せだなぁ~♪
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あら、地球犬君、いきなりどうしたの??
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ナス子ちゃん、ここは幸せの王国ブータンですよ♪
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◀ ガサ・ゾンのお坊さん。ゾンとはもともとは要塞であるが、今のブータンでは僧院と地方の庁舎を兼ねた建物として使われている。
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私はいつも幸せだけどねー。みんな優しい顔をしているね。
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▲ 仲むつまじい親子。
ブータンでも特に秘境のルナナ(標高4200m)の集落での一コマ -
▲ ラヤ集落のおしゃれな少女。この地方の服は黒を含むのが特徴
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お姉さん、衣装が素敵だね!
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ありがとう!これは「キラ」という女性の民族衣装よ。
男性用は「ゴ」という服を着るのよ。 -
▲ アーチェリーの試合
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▲ 首都にある学校。日本の小学生から高校生くらいまでが通う。
同じ学校でも学年に幅がある。 -
ここは観光客が少なそうだね。
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そうね。高額のパッケージツアーを組まないと観光ビザが下りないんじゃ日本からわざわざ来る人もいないでしょうね。
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僕は日本人だけど。
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!!
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お二人は観光?
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はい!お兄さんは?
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僕は仕事だよ。
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どんな仕事しているの?
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山奥に生えている古い樹木から年輪のサンプルを取って分析するのが仕事だよ。
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いろんな山に行ってるの?
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これまでは、ネパールやインドのヒマラヤで調査を続けてきたんだけど、どっちの国も人口が多く原生林がほとんど残ってなくて、人の影響を受けていない森林からサンプルを採ることが難しくなってきてるんだ。
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僕たちもいろんな国に行ってるけど、自然がどんどん減っているよね。
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そうだね。でもここブータンの人口は70万人ほどで、町から少し離れるだけで手つかずの大自然に入れるんだ。今回は、氷河の研究グループに同行して調査できることになったから、今から出発するところ。
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年輪をどうやって取るのか興味あるな。
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じゃあ一緒にくる?
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いいんですか?!
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目的地は、チベットに近い北部の山奥にあって、そこまではひたすら歩いて200kmほど移動するけど、頑張ってね。
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ギョエ!!そんな過酷な旅したことないわよ・・・
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距離だけ聞くと大変だと感じるけど、現地のスタッフがサポートしてくれて、食事の準備もしてくれるし、大量の荷物はあの馬さん達が運んでくれるよ。僕たちは軽装で、自然を満喫しながらトレッキングを楽しもう!
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それはウマイい話だ!
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・・・
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▲ 薪として使う木材を、森林限界よりも上にある集落に運ぶ
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では出発します!
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▲ 調査道具などを運ぶ馬
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▲ 収穫期が近づいた棚田
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▲ トレッキング中に出会った親子
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こんにちはー。
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こんにちは!
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▲ 右端の女の子の2年前が
上の写真・ルナナの「仲むつまじい親子」の真ん中のタンクを持った子供 -
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この雄大な景色、美しすぎて言葉がでません♡
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いっぱい歩いてきたからお腹すいたな。
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じゃあそろそろご飯にしようか。
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▲ 中央の白っぽい器がエマダチ
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おいしそ~♪これはブータンではよく食べるものなの?
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◀トレッキング中の村での食事
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ブータンでは、米が主食で、唐辛子や乳製品をつかった料理がよく食べられているんだ。エマダチとよばれる唐辛子のチーズ煮が定番で、とても辛いけど、寒いところでキャンプ生活をしているので体が温まって食も進むよ。
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みんなで食べると楽しいね♪
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▲ ブムタンから来た馬方さん達の親分さん。日本人と似ているね
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さて、準備OK、また出発するか。
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もう何日歩いたかな。。。お馬さん疲れない?
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これがオレっちの仕事だから平気。
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もうすぐ僕の調査地だよ。
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やっとだねー。こんな山奥まで来なくちゃいけないなんて大変なお仕事だね。
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日本では、森林限界(高木が生育できなくなる限界高度)は標高2500mくらいだけど、ブータンは緯度が低く4000mを超えるところまで樹木が生えているからね。冷涼な環境なので木の成長が遅く、小さい木でも樹齢は300年を超えるんだよ。
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すごいな。私達の生まれるずっと前からあるのね。
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▲ 年輪サンプルの採取
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これはビャクシンと呼ばれるヒノキ科の針葉樹だよ。成長
錐 と呼ばれる専用のドリル道具を使って、鉛筆状の年輪サンプルをとるんだよ。 -
この道具を使えば簡単に取れるの?
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こうやって回しながら幹に穴をあけてドリルを入れていくと、ドリルの中が空洞になっているから、そこにサンプルが入っていくよ。
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▲ 年輪サンプルの採取
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うぁ、すごい。これなら木をほとんど傷めずに取れるね。
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ん?なんだか向こうからおいしそうな匂いがしてきた♪
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いただきます!
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あれ、地球犬君お仕事は?
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お兄さんに任せてきた。
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えっ・・・、ま、最初から何もやってないだろうけど。。。
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そうそう、お兄さんが次は氷河へ行くって言ってたよ。
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本当?!じゃあ、今日はお風呂に入って早く寝ようっと。
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◀ 温泉で疲れた体を癒やす
パチャパチャ♪たのしー♪
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天然の温泉、気持ちよかったね!おやすみなさい。
- ZZZZ・・・・
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▲ キャンプ
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▲ マサカン峰 京都大学が1985年に初登頂した山
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おはようみんな!
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▲ キャンプ地から見える雪山、ガンカルプンスム峰。
未踏峰の山としては世界で最も高い -
おはようございますぅ・・・ZZZねむい。
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早く外に出ておいでよ。
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うあぁぁ----!! こりゃたまげた景色だ!
地球上でこんなに美しいところがあったとは! -
Good Morning.
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そんなに驚いた?オレっちはいつも見てるから驚かないけど。
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さあ、今日は氷河に向けて出発だよ!
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▲ ルナナ地方の氷河・氷河湖群
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わくわくする~♪
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▲ 氷河湖の水深測定調査
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氷河が見えてきたね。
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寒い!


僕たち氷の上を歩いているよ!

クレバス(氷河や雪渓の深い割れ目)があるから気をつけて!

ヒエー!落ちたらこの世の終わりだわ!


ブータンでまさか氷河にたどり着けるとは思わなかったね。

本当に貴重な体験ね。いっぱい足跡つけてかえろっと♪

お疲れ様、がんばったね!

お兄さんありがとう!
ブータン
- 地理:
- チベットとインドに挟まれたヒマラヤ東部に位置する山岳域。
- 気候:
- 夏に雨が多く、冬は乾燥。高地では夏でも冷涼、冬は極寒。
- 経済:
- 農業、水力発電、観光
- 民族:
- チベット系、ネパール系
- 言語:
- ゾンカ語、英語、ネパール語
- 宗教:
- チベット仏教、ヒンズー教
- 食文化:
- 米、唐辛子、乳製品
- 写真提供:
- 小森次郎(帝京平成大学)、松橋勇太(名古屋大学)
今回のガイド
佐野雅規
総合地球環境学研究所 プロジェクト上級研究員
ブータン、ネパール、インド、ベトナム、ラオス、台湾などの山奥に生えている古い木を材料にして、その年輪から昔の気候を復元する研究をしてきました。最近は、日本各地から産出した考古材を収集し、日本の気候の変化を数千年前まで遡って調べる研究に取り組んでいます。
