2018.3.24
今年度の調査と活動報告レポ
(滋賀県甲賀市小佐治地区)
今日は滋賀県甲賀市小佐治地区に行きました。小佐治環境保全部会の今年度の活動報告と合わせて、栄養循環プロジェクトからも、今年度の調査・活動報告を行いました。石田研究員からは、冬期湛水及び田越し水田による水田からの栄養塩の流出について
琵琶湖環境科学センター 淺野研究員からは、水田の生物調査の結果から、水田内水路や冬期湛水と生物多様性の関係についての報告がありました。石田の土壌培養実験の話や、淺野の生き物の話など、住民の方々は真剣に聞いてくだいました。また、発表後も、活発な議論が交わされました。来年度もまた、お世話になります。帰りの車内から
研究員 上原佳敏
2018.3.22
Ecological Research誌 論文賞
授与式
日台共同研究を開始して、今年でちょうど10年の節目を迎えます。台湾・翡翠水庫のメタン栄養食物網に関するこれまでの共同研究成果を総説した論文がEcological Research誌の論文賞に選ばれました。本プロジェクトに参画くださった共同研究者の皆さんに感謝申し上げます。
プロジェクトリーダー 奥田昇
2018.3.19
第65回日本生態学会大会in札幌
上原レポ
昨日まで、札幌にて第65回日本生態学会大会が開催されていました。栄養循環プロジェクトの成果として3つ発表がありました。
プロジェクトリーダーの奥田ら
「河川生態系の生物多様性とリン循環機能」
*プロジェクト研究対象地である野洲川で、りん酸の酸素の安定同位体比という最先端の研究手法を生態学に適応させた例を発表しました。河川中のリンの起源(岩石由来なのか、人間活動由来なのか、生物が代謝した結果にゆらいするリンなのか)を議論し、川に住む微生物とりんの関係を評価しました。
研究員 上原ら
「琵琶湖固有種ニゴロブナの出生地回帰性:耳石Sr安定同位体を用いた回遊履歴の復元」
*滋賀県の伝統的な料理であるフナ寿司の原料であるニゴロブナが、どこで生まれて、どこで育ったのかというのを耳石(年輪のようになっていて、タイムレコーダーの機能がある)のストロンチウム安定同位体手法という最先端技術を用いて復元しました。
琵琶湖環境研究センター 淺野ら
「中山間地における耕作水田の水生生物相は活況保全型農業によってどう変わるのか」
*プロジェクト研究対象地である、中山間地域で行われている、水田内水路や冬水田んぼが、水田に生息する生き物にどのような影響を与えているのか(良いのか、悪いのか)を統計的に評価しました。
P.S.(ここからが本題かもしれません)
行きは、ANAのスターウォーズジェットに乗ることができました。
機内のBGMはスターウォーズ(じゃじゃじゃじゃーん、じゃーん、じゃじゃじゃじゃーんじゃん)
ヨーダのぬいぐるみがお出迎えしてくれました。
奥田、淺野と研究打ち合わせと題して入ったお食事では、刺身の船盛りがでてきました。
刺身として食べきれない分は、バター焼きにしておいしくいただきました。
北海道といえば、みそラーメン!スープカレー!ジンギスカン!
せっかく北海道に行っても、ずっと会場に引きこもりな分、食事だけは北海道を楽しみました。
研究員 上原 佳敏
2018.3.8
フィリピン 上原レポ②
フィリピンでの調査を終え、明日帰るだけになりました。かれこれ、9日くらいここで過ごしていました。普段私たちがどんなものを食べているか紹介したいと思います。フィリピンの食事は基本的に肉とご飯です(間違っていたらすみません)
鶏肉、豚肉、牛肉。その中でも特に、鶏肉の消費がとても多く感じます。どんなファーストフードにいっても、大抵フライドチキンがあります(+ライスが人気なようです)マックやKFCをはじめ、どこでもです。マックでご飯が出てくるのも最初は衝撃的でしたが。
2015年、2016年とフィリピンでの調査に参加しましたが、ファーストフードで食べる事が多く、味が濃く、食べ物を受け付けませんでした。
そんな中救われたのが Mang Inasalという店のグリルチキン
2016年の調査では、本当に救われて、一人で行くときはそこでしか食べませんでした。
今回は、3回目ともなりだいぶ慣れました。そして地元の人が行く屋台や、フィリピン料理屋さんを多く利用しました。ファーストフードとは異なり、フィリピン料理自体はとても美味しいです。
油を大量につかった料理にさえ気をつければ、食べ物が好きな人にはたまらないでしょう。不足しがちな野菜を積極的に摂るようにし、毎日野菜ジュースをがぶ飲みし、体調管理はバッチリでした。
毎日乳酸菌の摂取もしていたため、日本にいる時よりも体調がよかったかもしれません。ビールは基本的にバケツで頼むとお得です。
一本80円くらいでしょうか。6本入りを頼むと一本無料で付いてきます。水など、飲めるかどうかあまり信用していませんが、ビールや缶入りの飲み物は安心して飲めます。(という理由をつけて飲んでました)
そして、今日は昼にフィリピン料理をご馳走になったので、最後の晩餐は、ホテルでパンを食べる予定です。明日、無事に帰国できたら良いと思っています。
研究員 上原佳敏
2018.3.1
フィリピン 上原レポ①
3月1日から、フィリピンに入っています。〜
現地の政府機関である、ラグナ湖開発局(LLDA)、市の環境保全課(City Environmental Natural Office:CENRO)、そして地球研のメンバー(+滋賀県立大尾坂助教)で、地下水の調査です。2016年の9月にも同様の調査を行いました。(雨季)
今回は、時期を変えての調査になります。(乾季)主に、井戸水の水質の調査と、井戸の利用についての聞き取り調査です。彼らは普段の生活には地下水が欠かせません。洗濯物、お風呂、料理、時には飲用水として利用しています。聞き取り調査を行なっていると、地下水への強い関心が伺えます。水のサンプリングをしてくると、地域住民や子供達がなんだ なんだ とみんな関心を持って集まって来ます。
うまくこの調査の結果を住民に返していけるように頑張ります。
研究員 上原
2018.2.15
セブンレイク湖沼調査
ラグナ湖南東のサンパブロ市にある7つの火山湖で湖沼調査をおこないました。一番深い湖は120m以上ありますが、調査は竹で組んだ筏の上で全て手作業なので大変重労働です。当該湖沼では、ラグナ湖開発局が湖沼の保全プログラムを実施しており、パンディン湖では、湖面養殖から持続可能なエコツーリズムへ舵を切ることに成功しつつあります。このような活動を支援する科学データを湖辺住民に提供することを目指しています。
リーダー 奥田 昇
2018.2.14
ラグナ湖開発局長との懇談典
シラン-サンタ・ローザ流域フォーラムの話し合いの結果を共有するためにラグナ湖開発局長とランチミーティングをおこないました。行政区の垣根を超えて流域という単位で市町村が連携するフィリピンで初めての事例とのことで局長は本プロジェクトの成果に大きな期待を抱いていました。
リーダー 奥田 昇
2018.2.12
カルメン村の保全団体の設立式典
カルメン村の泉を守る活動をする団体「S-KARMEN」の設立式典を実施しました。カルメン村の多数の方が参加を表明して下さりました。また、当日は村長さんの60歳の誕生日ということで、みんな赤い服を着てお祝いをしました。
リーダー 奥田 昇
2018.2.11
フィリピン シランサンタローサ聞き取り調査
シラン-サンタ・ローザ流域の上流に位置するフーカイ村で奥田とリア研究員が環境意識の変遷を調べるための聞き取り調査を実施しました。こちらはちょうど乾季に入りましたが、熱帯にしては肌寒く感じます。
リーダー 奥田 昇
2018.2.24
ニホンアカガエルと
カスミサンショウウオの卵塊調査
昨日、今日(2月20日、21日)と滋賀県甲賀市小佐治地区にお邪魔していました。今回の目的は2つ。一つは、ニホンアカガエルとカスミサンショウウオの卵塊調査。もう一つは、今週土曜日(24日)に開催される、地域連携セミナーの準備です。 小佐治地域はまだまだ気温があがらず、池の氷が分厚く張っていました。そのせいか、カエルの産卵は今年は若干遅い気がします。そんな中、冬期湛水(冬に水を張る)が行われている水田の中には、一筆に100個程の卵が産卵されてる場所もありました。夜の観察では、卵の横でじっとメスを待つオスのカエルの姿が見られました。 水田内水路には、カスミサンショウウオも産卵にきていました。今日は、甲賀市小佐治にある、佐山小学校を訪問して、地域連携セミナーで発表していただく、小学生の発表リハーサルと、冬季の生き物観察を行いました。生徒さんが一生懸命考えた楽しい発表になりそうですので、当日お楽しみに♪ また午後からは、小佐治保全部会の皆様と一緒に、地域連携セミナーで展示する生き物を採集しにいきました。たくさん、小佐治の生き物を紹介できる予定です。
2018.2.24
第21回 地球研 地域連携セミナーレポ
滋賀県甲賀市かふか生涯学習館におきまして、第21回地球研地域連携セミナー「地域の底ヂカラ〜結の精神が育むいきものの多様性」を開催しました。この日はとても寒い日で朝から震え上がっておりましたが、多くの方にご来場いただきました。開催の挨拶で開幕し、奥田リーダーから趣旨説明があり、基調講演に金沢大学の客員教授 中村浩二先生による「里山マイスターの活躍による地域活性化〜能登とイフガオ(フィリピン)での試み」で第一部が始まり、休憩を挟んで第2部に地元小学生によるいきもの観察会の学習成果発表を淺野悟史共同研究員と行い、壇上で生き生きとした表情を見せていました。最後にはパネルディスカッション「みんなで語ろう!甲賀の未来」をテーマに質疑応答や討論を行いました。2階のホールでは水槽にカエルなど生き物を入れてを展示。子どもたちはやはり生き物にとても興味あるようで、いきもの観察コーナーが一番賑わっていました。最後は甲賀もち工房の皆様による餅つきで締めくくり、つきたてモッチモチのおいしいお餅を振る舞っていただき閉幕しました。このようなイベントで地元住民のみなさまと行政そしてわたしたち研究機関との連携・絆が潤滑油となり更にしあわせの歯車がクルクルと回ることを目指していければと思います。そして寒い中足をお運びいただいたみなさま、ありがとうございました。
管理人 寺井真希子
2018.2.6
淡海の川づくりフォーラム
準ブランプリ受賞
淡海の川づくりフォーラムで滋賀県小佐治地区の取り組みについて淺野と発表してきました。
小佐治では冬水たんぼや水田内水路の取り組みによって冬でも水田に水を貯めていて、そこにカエルやサンショウウオが産卵にやってきているよってお話をしてきました。
住民と研究者が一緒になって自然再生を行っているところを評価していただけたようです。
なんだかんだ賞がもらえると嬉しいですね。へへへ。
研究員 石田卓也
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2018.1.17
フィリピンからのお客さま
先週からフィリピンよりセント・トーマス大で栄養循環プロジェクトの共同研究をしている大学院生のイージーさんとクリスさんが生き物と水質の実験に地球研へ来られています。毎日実験室にこもり水を濾過してり、データ分析などで大忙しです。
先週クリスさんは琵琶湖へ調査に出たりで寒い中頑張ってもらいました。風邪をひかないかとても心配でしたが。。滞在最終日近くにはみんなで新年会を兼ねてモツ鍋で打ち上げを行いました。
研究室広報 寺井真希子
2018.1.17
新メンバーのご紹介
今年から新しく研究員として石橋弘之さんがメンバーに加わりました。専門分野は森林地域の地域研究、歴史研究です。プロジェクトでの担当は主に上流地域である滋賀県甲賀市小佐治の大原地区で河川を介した森と湖のつながりの研究活動を含め、流域住民が森林保全に直接関わる仕組み作りを担当していただきます。
以下、石橋さんからのメッセージです
みなさん。こんにちは。石橋弘之です。
人と森との関わりの歴史と現在をテーマに研究に取り組んでいます。
これまでに海外、特にカンボジアの山村で森に関わる研究に取り組んできました。
日本の山村で森に関わる研究は初めてになりますが、研究活動と地域活動を橋渡 していけるよう、流域に関わるみなさんとの交流から学んでいきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。
おしらせ
【甲賀もちふる里まつり 】
来る11月19日(木)滋賀県甲賀市甲賀町 鹿深夢の森におきまして、甲賀もちふる里実行委員会主催の「甲賀もちふる里まつり」が開催されます。今年で20回を迎え、食の安全と環境問題を考えながら小佐治名産のお餅を楽しむこのイベントもラストとなり、来年からは新たな形として生まれ変わる予定です。栄養循環プロジェクトも参加し活動報告などを行います。地球犬も出張いたします。お餅の販売や露店、地元高校による吹奏楽や龍谷大学よさこちチームが披露する「華龍舞」などを楽しむことができます。 詳細はこちら
来る11月19日(木)滋賀県甲賀市甲賀町 鹿深夢の森におきまして、甲賀もちふる里実行委員会主催の「甲賀もちふる里まつり」が開催されます。今年で20回を迎え、食の安全と環境問題を考えながら小佐治名産のお餅を楽しむこのイベントもラストとなり、来年からは新たな形として生まれ変わる予定です。栄養循環プロジェクトも参加し活動報告などを行います。地球犬も出張いたします。お餅の販売や露店、地元高校による吹奏楽や龍谷大学よさこちチームが披露する「華龍舞」などを楽しむことができます。 詳細はこちら
2017.10.26
絶滅危惧種 コガタノゲンゴロウの発見
【プレスリリース】京都市北部において、#地球研 奥田昇准教授らのグループが京都府の絶滅寸前種(京都府レッドデータブック2015より)とされているコガタノゲンゴロウを発見。今回発見されたのは1個体のみで、現在繁殖地の特定を進めています。https://t.co/Kr7m6XK9kD pic.twitter.com/EZ4KoqWi5P
— 総合地球環境学研究所(地球研) (@CHIKYUKEN) 2017年10月25日
2017.7.28
オープンハウス
総合地球環境学研究所 の一般公開「オープンハウス」にて小学生を対象とした「川の調査を体験しよう!」のお知らせ・活動報告等を開催しました。お知らせ・活動報告等はとても好評で、約150名前後小学生を中心としてご参加いただきました。地域の活動・イベント等内容は上流(静原)と下流(地球研前の川)の水、砂利、その中に生息している生物を入れ用意したトレーを参加者が選択。ピンセットと虫眼鏡を用いて見つけた生物をシャーレに取り出し、顕微鏡で見たり、質問したりととても熱心に観察していただきました。来年も更に工夫を重ね、このような体験型地域の活動・イベント等を行いたいと思っております。