プロジェクト概要

 

インド北部のパンジャーブ地方では稲と小麦の二毛作が盛んです。ただし、地下水資源保護のため、雨期が始まるまで田植えが禁止されているので、田植えの時期と稲刈りの時期がそれぞれ短期間に集中し、しかも、稲刈りの直後に小麦の種まきを行う必要があります。このため、大量の稲藁が10月下旬から11月初旬に焼却処理されており、その煙が大都市デリーを含む近隣地域の大気汚染を引き起こしていると考えられています 近年は、藁焼きを減らすための政策もとられ始めていますが、そうした政策が実効性をあげるには、この地域の方たちが大気汚染による健康被害に対する意識を高め、自らの⼿で環境を改善していこうという気持ちをもっていただくことが大切です。そこで、私たちは以下の 3 つの班で活動を進めています。 大気班は藁焼きからの大気汚染物質排出量を推定し、シミュレーションした結果を観測値と比較して藁焼きと地域の大気汚染の関係を明らかにしようとしています。現地で藁焼きの時期に広域で大気汚染物質の集中観測を実施し、PM2.5観測データとシミュレーション結果を比較・検証します。科学的なデータを示すことで、地域の方たちに藁焼きの影響を認識していただくことがねらいです。 健康班は、地域で健康教室を開催したり健康診断を行ったりすることを通じて、地域の方たちに、きれいな空気を保つことが重要だという意識をもっていただくことを目指しています。 農村班は、稲藁の有効利用方法の提案に向けて活動しています。現地の大学や研究所の協力も得て、地域の文化的・社会的背景を考慮しながら、利用方法を検討し、大学構内での圃場実験も行っています。 私たちの活動が、地域の方たちがきれいな空気を取り戻す一助になればと考えています。


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  プログラムへの貢献について PDから一言

 

Coming soon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト概要

 

サンゴ礁が発達する熱帯〜亜熱帯の島々に住む人々は、限られた水資源である地下水や湧き水と、水産資源や森林資源の恵みを利用しています。水は姿を変えながら陸と海を循環することでサンゴ礁生態系と陸をつなぎ、地域固有の生物や文化の多様性を育んできました。しかし、近年の土地利用や社会経済の変化による水資源の枯渇や水質の悪化、さらには、気候変動による降水パターンの変化、地球温暖化に起因した海水温や海面の上昇、海洋酸性化などの海洋環境の変化により、サンゴ礁生態系の劣化が進み、人々は水資源、水産資源、森林資源などの自然資源、すなわちマルチリソースを利用しにくくなっています。 そこで私たちは、環境保全や自然資源管理のための社会のしくみや制度を状況に合わせて地域の人々とともに調整させていく「順応的ガバナンス」を強化し、サンゴ礁島嶼に生きる人々がマルチリソースを利用し続けていけるようにするための研究を行っています。 そのために、本プロジェクトではまず、地下水やサンゴ礁生態系を分析する種々の⼿段により水循環とマルチリソースの実態を明らかにし、社会経済の変化や気候変動によるマルチリソースの応答を把握・予測します。また歴史生態学的アプローチにより、島の人々の暮らしにおける生物と文化のつながりや多様性を明らかにし、島嶼コミュニティにおける生存基盤の維持機構を解明します。 一方で、行動科学や制度分析により、順応的ガバナンスの制度・組織・意識の変遷や重層性を明らかにします。また、順応的ガバナンスに必要な科学知、在来知、政策知などの知識の関連性を可視化し、さらに統合することで新たな価値を創造する「知の橋渡し」を試みます。 これらの成果により、サンゴ礁島嶼系におけるレジリエントな自然共生社会の実現に貢献したいと考えています。


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  プログラムへの貢献について PDから一言

 

Coming sooon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト概要

 

窒素はタンパク質や核酸塩基などの生体分子に必須の元素です。地球大気の78%は窒素ガス(N2)であり、窒素はどこにでもある物質ですが、人類を含む生物の大半は安定なN2を利用できず、N2以外の形の窒素(反応性窒素、Nr)を必要とします。我々の食事はタンパク質として窒素を摂取する⼿段でもあります。限られた土地から多くの食料を得るには肥料となるNrが必要です。20世紀初期に実現したアンモニア合成技術(ハーバー・ボッシュ法)は、望むだけのNrを⼿に入れることを可能にしました。合成されたNrは肥料に加えて工業原料にも用いられ、人類に大きな便益を与えてきました。一方、人類が利用するNrの多くが反応性を有したまま環境へと排出されています。特に食料システムの窒素利用効率(NUE)が低いことが大きな原因です。食料生産のNUEが低いことに加え、食品ロスやNUEが相対的に低い畜産物を好むといった消費面の課題もあります。化石燃料などの燃焼もNrの排出源となります。環境へのNr排出の結果、地球温暖化、成層圏オゾン破壊、大気汚染、水質汚染、富栄養化、酸性化といった多様な窒素汚染が生じ、人と自然の健康に被害を及ぼしています。窒素利用の便益が窒素汚染の脅威を伴うトレードオフを「窒素問題」と呼びます。我々の将来可能性が健全であるように、窒素問題を解決に導き、将来世代の持続可能な窒素利用を実現する統合知を得るためにこの研究を行います。


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  プログラムへの貢献について PDから一言

 

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