今後のフォーラム

 

【T3 Earth Forum (T キューブ・アースフォーラム)】

  • 第5回 2024年5月 9日 (木) 15:30-17:30

    (1)招待発表:加納 圭(滋賀大学)15:30~16:30
      「Neo-indigenous Knowledge「柿渋」と脱プラスチックを合わせたグリーンイノベーションの取り組みと 心理学の期待価値理論に基づく利用価値介入を取り入れたSTEAM教育プログラムについて」

    ハンズオンアクティビティ も含む: 実際に柿渋や柿渋のプロダクトを見ることができたり、柿渋の効果を 確かめることができます。(現地参加のみ)

    (発表要旨)

    「柿渋」(渋柿のジュースを発酵させたもの)でコーティングされたものは、防水・撥水性、防虫性、抗菌・ 抗ウイルス性、防臭性を持つ。そのため、釣糸や漁網、袋や小包、紙子(紙の着物)、寺社仏閣の木材塗装など様々なも のに使われてきた。しかしながら、安価・高強度のプラスチックが日本へ導入された後、柿渋の需要は急速に衰退した。 本発表では、「柿渋」をケースの 1 つとして捉え、天然物によるグリーンイノベーションの可能性について考えてい く。その際、Neo-indigenous Knowledge というIndigenous Knowledge の枠組みを日本にも援用した枠組みを用いて「柿 渋」を捉えていく。最終的に、必ずしもプラスチックか「柿渋」かという二項対立にならない、西洋科学とNeo-indigenous Knowledge との共創が可能な枠組みを提案する。 また、現在においては日本人ですら「柿渋」を知る人が少なく、柿渋に似た技術をもつ韓国済州島、タイ王国チェン マイでも同様であることから、「柿渋」や「柿渋」を用いた生活様式に関する教育もグリーンイノベーションに向けた重 要な要素の1つとして捉えられる。人々の行動変容にまでつながる教育プログラムを開発することは容易ではないが、 期待価値理論に基づく利用価値介入という手法を用い、行動変容につなげることを目指したSTEAM教育プログラム開 発についてもハンズオン形式で紹介する。

    (2)浅利美鈴(地球研)16:30~17:00
      「京都で超SDGsを考える」

    (3) ディスカッション 17:00~17:30

    場所:総合地球環境学研究所 オンライン

    【参加URL】
    https://us02web.zoom.us/j/87336678087?pwd=MWY4RW10ZDJtT256SmY0Sk1aZWFZZz09

    ミーティング ID: 873 3667 8087
    パスコード: 458927

    言語:日本語


  • 第6回 2024年7月11日 (木) 15:00-17:00

    (1)招待発表:曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科) 
      「人と自然の関係性の変容(仮)」

    (2)友尻大幹(地球研)
      「生態系管理における認識変容に関するショートプレゼン」

  • PDFはこちら からダウンロードできます。

     

    終了したフォーラム

     

  • 第4回 2024年3月14日 (木) 15:00-17:00

    (1) 招待発表:大岡由佳(武庫川女子大学)
      「トラウマインフォームドなケアシステムの社会実装」

    私たちの社会は、災害や人災といったトラウマ(心的外傷)になりえる出来事が多数存在している。環境課題の一つである気候変動を例にとれば、その変動によって、集団全体のメンタルヘルスに破壊的な影響を及ぼすと予測されている。トラウマのリスクは、不均等に分布し、より脆弱な状況に住む人々は、一般的に最悪の結果を経験しているといわれている。それらの経験がもたらすトラウマ反応を含むメンタルヘルスの問題は、その原因、症状、影響、治療法が異なるが、こころ・からだ・行動の変化をもたらすものである。これらのトラウマとなる出来事の影響を緩和するために効果的な方法がとられれば、何世代にもわたって幾分かはトラウマを予防できる可能性がある。本報告では、その効果的な方法の一つとして、心理社会学的な視点としてトラウマインフォームドケア(トラウマのことをよく理解し関わる視点)を提示し、人々の認知をどのように変容できるか、その可能性について模索する。

    (2) 一原雅子(地球研)
      「規範と制度:予防原則を例に」

    人間社会と地球環境の関係において、規範や制度はその関係性を社会的に形作る役割を持つ。規範がその起源や違反に対する強制力の構造などによって、個人の行動に対する制約の程度に幅を持つのに対て、制度は原則として人々の行動の外枠を決定づける。このように規範と制度は連続性があり、後者に近づくほど要保護性の高い法益が画一的に保護され、前者に近づくほど個人の自主性と遵守態様の多様性が尊重される。

    地球環境問題は多くの場合、問題状況が流動的かつ不鮮明であって、現に生じている法益侵害を食い止める必要性が明らかでありながら、その法益侵害ゆえに守られている人々の暮らしがあるなど、問題状況は複雑である。それゆえに国際環境法の分野では、規範と制度の双方にまたがる法原則が、他のいかなる法分野よりも多用されてきたといわれる。本報告では法原則の一例として予防原則を取り上げ、その経緯や、社会変容との関係で持ち得る機能を指摘する 場所:総合地球環境学研究所 セミナー室 3.4 およびオンライン

    【参加URL】

    https://us02web.zoom.us/j/93443806672?pwd=V0pVU1k0aFRzaElWcitwVGJDVzUrZz09

    ミーティング ID: 934 4380 6672

    パスコード: 431605

    言語:日本語

  • 第3回 2024年1月12日 (金) 15:00-17:00

    (1)招待発表:武田英明(国立情報学研究所) 
      「AI社会における人の未来」

    (2)熊澤輝一(地球研)
      「知識伝搬、科学とナラテイブに関するショートプレゼン」


  • 第2回 2023年11月9日 (木) 15:00-17:00

    (1) 15:00~16:00 招待発表:松田哲也(玉川大学・脳科学研究所)
     「環境との相互作用による社会性の形成」

    <発表要旨>
    私たちは、脳内で表象された感覚を認知する際に、記憶を使って理解する。これは、既知の情報を用いて理解できれば対象の情報量が削減でき、省エネで認知することが可能となるためである。ただし、この記憶は、単なる言語的な記憶だけでなく、遺伝的要因のような先天的に決定されているもの、生活習慣、食習慣、加齢、エピゲノム、体内環境、社会環境なども含まれるため、履歴記憶といった方が適切なのかもしれない。この履歴記憶により個々の価値観が形成され、それを参照することでヒトの意思決定が行われる。履歴記憶は、時々刻々とアップデートされ、価値感も必要に応じて変わるものもある一方で、変わらずより頑強に形成されていくものもあると考えられる。つまり、個と社会との相互作用により揺るがぬ信念を持ちつつ柔軟性をももつ個性が創られていくのである。本講演では、このような観点から生物学的に個性を考えていきたい。

    (2) 16:00~16:30 原口正彦(ハーバード大)
     「リスクコミュニケーションに関するショートプレゼン」

    (3) 16:30~17:00 ディスカッション


    第1回 2023年9月14日 (木) 15:00-17:00

    (1) 招待発表:村上佳世(関西学院大学)
      「地球環境保全に対する価値観の世界比較:社会システム変容に向けた課題」

    (発表要旨) 私たちの経済活動に起因する気候変動や大気・土壌汚染などがもたらす環境変化は、人間の健康や社会資産、生物種の絶滅リスクや植物の生産力を通じて、私たち自身にダメージを与えている。ライフサイクル影響評価 (LCIA)は、疫学、毒性学、大気汚染学等の知見を用いて、そのような社会へのダメージを定量的に推定する手法であるが、日本版評価モデルLIMEは、物量単位で推定した現在の被害量をベースラインとして、それらの被害を軽減することの「社会的重要度」を、経済評価手法を用いて推定する学際的評価モデルである。2022年公表論文では、世界19ヵ国に居住する人々を対象にしたLIMEの大規模同時調査データと、国の平均寿命、所得や男女の不平等度などの社会指標、および相対所得や主観的幸福などの個人指標を用いて、人々の地球環境保全に対する多様な価値観を体系的に解明した。フォーラムでは、その研究内容を紹介し、地球規模の環境問題に関わる社会システム変容に向けて話題提供を行う。

    <論文情報>

    ・ プレスリリース(https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_06_30_01.html)

    ・ 論文(Nature Sustainability)(https://www.nature.com/articles/s41893-022-00914-8)

    ・ 関連する一般向け記事(週刊エコノミスト)(https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221213/se1/00m/020/005000c)


    (2) 青木えり(地球研)
      「価値認識、価値共有、行動変容に関するショートプレゼン」

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