地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
次は
「世界に広がるサプライチェーン」
について聞くよ。
教えてくれるのは、
金本圭一朗准教授
だよ!

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▲ スーパーで売られているオーストラリア産牛肉
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おおおー!おいしそうな牛肉♡
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生肉を見ておいしそうって、やっぱり野生の
勘 は衰 えてないな・・・。 -
▲ スーパーで売られている国産和牛
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あっ!それより、こっちの方が世界に
誇 る「和牛 」だから
おいしいはずだよ。 -
え、でもさ、これは高くない?
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えー!ナス子ちゃんのケチ・・・
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おやおや、どうしたの??
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あ、地球研の金本先生だ!
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こんにちは。そうだ!金本先生ならどっちを買う?
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お、いい質問だね。
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そりゃ安く買い物できる方が
賢 い主婦 に決まってるよね! -
え?ナス子ちゃんいつの間に主婦になったの?
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一般論 ですよ。 -
ナス子ちゃんの買いたい肉はオーストラリアで育てられて、
日本に輸入 されてきた肉だね。 -
ずいぶん遠くからやってきた牛さんなんだね
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そう、そこがポイント!
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牛さんたちはどうやってここまで来たんだろ?
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このスーパーに
到着 するまでには、船やトラックなど輸送 にコストもかかるし、環境 にも負荷 をかけているね。 -
環境負荷って?
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環境にあたえるマイナスの
影響 があるってこと。 -
え?このおいしいお肉様に何の
罪 があるってのよ? -
例えば牛のゲップやおならによって大量のメタンガスがでて、それも気候変動問題を引き起こす温室効果ガスなんだよ。
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え!おならやゲップがダメなの?!
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地球犬くんは今、自分にも罪の
意識 を感じているはずだ・・・ -
牛は
胃袋 も大きいからね。出す量もハンパないってわけ。 -
金本先生はなぜそんな事しっているの?
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私は地球研で、「サプライチェーン」を通じた
環境への影響について調べているからね。 -
どんなサプライズをするの?!
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サプライズじゃないよ、「サプライチェーン」。
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なにそれ?全然わかんない。
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生産から消費までの全てのつながり、プロセスを示すものが
グローバルサプライチェーン。各国の消費活動が、二酸化炭素の排出 や大気汚染 、生物多様性 にも影響を与えていることが分かってきているよ。 -
▲ 日本の消費によって世界各地で種を
絶滅 の危機にさらしている場所を地図上に可視化 -
おお!これは冒険心をくすぐる世界地図ですな!
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うむうむ。だけどいつも見る世界地図と何かちがう。
このピンクのグラデーションはなに? -
これは日本の消費によって世界各国で種の
絶滅 の危機 に
さらしている場所をしめしたもの。濃 い紫色に近づくと
陸の生物を、黄色に近づくと海の生物により影響を与えて
いるんだ。 -
なるほど。日本の消費によって
危機拡大中 なんだ! -
これはサプライズだ!
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え?あ?まぁそうだね。
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こちらの図は世界各都市における一人あたりの
カーボンフットプリント -
▲ 世界各都市における一人あたりのカーボンフットプリント
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えと、その横文字について、ナス子ちゃんのために
説明してくれませんか?僕は分かるんだけど(汗)。 -
私たちの消費が、どれくらい二酸化炭素などの
温室効果 ガスが出たかを示したもの。 -
色によってどう
違 うの? -
青や濃い緑の部分は
比較的 温室効果ガスの排出は少ない
ところ。日本やヨーロッパ、アメリカの都市は、消費に
よって多くの二酸化炭素を出しているんだ。 -
そんな事までわかるなんて、
尊敬 しちゃう! -
食生活や交通などライフスタイルによってもサプライチェーンの
過程 で排出される環境負荷はちがってくるよ。 -
日本はどうなの?
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例えばさっきの牛肉。日本人は
欧米各国 に比べると、
牛肉の消費割合が低いので、食生活由来 の環境負荷は
小さくなってるよ。 -
あ、思い出した。肉!にく!ニク!
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▲ 持続可能な都市とは
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モノやサービスの輸入を通じて都市の外側でも環境負荷を
排出しているってことも考えながらお買い物をすると、賢 い選択 ができるね。 -
じゃ、今日はお魚を買おっか。
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えっ?そうなの?
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じゃ、仲良く買い物を楽しんでね!
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はーい!またね!
今回のガイド
金本 圭一朗
総合地球環境学研究所 准教授
東北大学博士後期課程修了。九州大学持続可能な社会のための決断科学センター、信州大学経法学部などを経て、総合地球環境学研究所准教授。各国の消費とその生産過程で排出される環境負荷を結びつけ、ライフサイクルでの環境負荷削減を推進する政策に関する研究活動を行っている。
