地球研をのぞいてみよう

地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します

次の冒険は
「ブルキナファソ」
に行くよ。

案内してくれるのは、
清水貴夫 研究員
だよ!

ガイド
  • ブルキナファソのどのローカルマーケットにもスンバラを売る女性がいる ▲ ブルキナファソのどのローカルマーケットにもスンバラを売る女性がいる
  • 地球犬

    再びのブルキナファソ~

  • ナス子

    令和初のブルキナファソ~

  • 地球犬

    そのとおり。

  • ナス子

    何か売られているよ。

  • スンバラ(「アフリカ納豆」と呼ばれ古くからブルキナファソの家庭料理で使用されてきた発酵調味料) ▲ スンバラ
    (「アフリカ納豆」と呼ばれ古くからブルキナファソの家庭料理で使用されてきた
    発酵調味料(はっこうちょうみりょう)
  • ドーン!

  • ガイド

    これはスンバラっていう食べものだよ。

  • 地球犬

    でた!!もうじゅう!

  • ナス子

    だからアフリカは気をつけなきゃって言ったでしょ!

  • ガイド

    もうじゅう系ですがヒトですよ。

  • ナス子

    はい?あれ?

  • 地球犬

    ムムッ。マジ?ヒト?

  • ガイド

    清水貴夫と申します。

  • ナス子

    しかも日本人。

  • 地球犬

    ダブルの衝撃(しょうげき)

  • ガイド

    こんなに遠く熱い国まで、よくその足で来たね。

  • 地球犬

    もちろん飛行機使ってますけど。

  • ガイド

    (カーゴ便できたのかな。まぁ、いっか。)

  • ガイド

    せっかく来たなら、西アフリカのおいしいものを
    紹介(しょうかい)してあげるよ。

  • ナス子

    やったー!それサイコー!

  • 地球犬

    (見た目とちがって、やさしい人なんだ。ちょっと安心。)

  • ナス子

    でも、アフリカってお腹いっぱいごはんを食べられないって
    イメージがあるんだけど・・・。

  • 地球犬

    (たし)かに。雨も全然ふらなくて、作物がとれないんじゃないのかな。

  • ガイド

    実は色々あるよ。

  • ソルガムの草丈は3m以上。茎のしなりから穀粒が重くなっているのがわかる ▲ ソルガムの草丈(くさたけ)は3m以上
    (くき)のしなりから穀粒(こくつぶ)が重くなっているのがわかる
  • 収穫期間近の真っ赤なソルガム 収穫期間近(しゅうかくまぢか)の真っ赤なソルガム
  • ガイド

    例えばこの乾燥(かんそう)した地域では、主にミレット
    (トウジンビエ)やソルガム(モロコシ)といった
    雑穀(ざっこく)」が主な主食作物になっているよ。

  • 地球犬

    雑穀?

  • ナス子

    地球犬くん、しらないの?
    雑穀はカロリーや糖質(とうしつ)が低くて、ミネラルが豊富(ほうふ)
    穀物(こくもつ)として「五穀米(ごごくまい)」などに入っている女性に人気な
    スーパーフードなんだよ。

  • ガイド

    そうだね、日本でもこれらの雑穀は作られていたんだけど、
    穀粒は鳥のえさ、茎は家畜飼料用(かちくしりょうよう)として、なかなか人の口に入ることは多くなかったんだ。けれど最近は再注目されているね。

  • 地球犬

    ぼくは鳥でもないし、家畜でもないから知らねー。

  • ナス子

    それじゃモテないね。

  • 地球犬

    ガーン!!!!((げき)へこみ)

  • 地球犬

    べ、べつに僕はモテなくてもいいけどさっ。

  • 地球犬

    そこまですごい食べ物なら、別にたべてみてもいいんだけど・・・。

  • ガイド

    わたしの友達がいま作っているよ

  • 沸騰したお湯に少しずつ雑穀の粉を入れ、渾身の力を込めて練り合わせます。ト(練粥)を作るのは重労働 沸騰(ふっとう)したお湯に少しずつ雑穀の粉を入れ、渾身(こんしん)の力を込めて()り合わせます。
    ト(練粥(ねりがゆ))を作るのは重労働(じゅうろうどう)
  • ナス子

    わー!おいしそうだな~!

  • ガイド

    雑穀は、房から取ったあと、石のすりこぎで粉にして、
    こうやってそれをお湯に()いていくよ。

  • ト(練粥)
  • ナス子

    これが完成したもの?

  • ガイド

    そう。「ト」と呼ばれるもので、西アフリカで広く食べられる主食で「練粥」だね。日本では「蕎麦(そば)がき」のようなもの。

  • 地球犬

    ほうほう、じゃあ少しいただいても?

  • ガイド

    このソースをつけてたべるといいよ。

  • 地球犬

    これは?

  • バオバブの葉のソース ▲ バオバブの葉のソース
  • ガイド

    季節ごとの野草(やそう)や、バオバブやカポックという木の葉、
    そして、日本でもお馴染(なじ)みのオクラを具材(ぐざい)にしたソース。

  • 地球犬

    ソーっスか。

  • ナス子

    早く食べな・・・。

  • 地球犬

    もぐもぐ

  • 地球犬

    お、これはどこかなつかしの味がするぞ。

  • ガイド

    このソースは、とある作家さんが「アフリカ納豆」と呼ぶ、
    ネレというマメ科の木からとれる豆を発酵させた納豆のような調味料。そして、セネガルなどで取れるイワシや小アジを乾燥させて作る魚粉(ぎょうふん)を使っているので、まるで味噌汁(みそしる)のような味わいがあるんだ。

  • 地球犬

    もぐもぐ

  • ナス子

    おいしい。かす汁のような味もするね。

  • ガイド

    お、ナス子ちゃんすごいね。実はこれ、ブルキナファソのムスリム以外の村や地域でよく飲まれているソルガムビールを作るときに出る、「ラビレ」と呼ばれる酒粕(さけかす)が使われてるんだ。

  • ソルガムビール ▲ ソルガムビール
  • 地球犬

    日本がなつかしくなってきたな。。。

  • ガイド

    どこか親近感(しんきんかん)がわくでしょ?

  • ナス子

    うん、アフリカの食に興味(きょうみ)がわいてきた!

  • ガイド

    そう?じゃこれ読んでみる?

  • 『ブルキナファソを喰う!-アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』(2019年2月、あいり出版) 『ブルキナファソを喰う!
     -アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』
    (2019年2月、あいり出版)
  • 地球犬

    すごい!これ、もうじゅ・・・いや清水さんが書いたの?

  • ガイド

    ええまぁ。こうみえてブルキナファソで長くフィールドワークをしている人類学の研究者でもあるので・・・。

  • ナス子

    ぜひ読んでみます!ありがとう!

ブルキナファソ

地理:
西アフリカ内陸部
気候:
半乾燥地、サバンナ
経済:
天水農業や出稼ぎが中心的な生業だが、近年では、金鉱労働なども盛んになってきている
民族:
モシ、ボボ、フルベなど35ほどの民族が居住
言語:
フランス語(公用語)、モレ(モシの言葉)、ジュラ語、フルフルデなど
宗教:
イスラーム、キリスト教、アニミズム
食文化:
うまい!!
建築:
伝統的な家屋は土づくりで、男性の系譜に従い小家族が寄り集まった大家族で居住

今回のガイド

清水(しみず) 貴夫(たかお)

総合地球環境学研究所 研究員

専門は文化人類学・アフリカ地域研究で、主に、子どもの研究を進めています。プロジェクトでは、ブルキナファソのし尿の農業利用の方法を地元の人びとと一緒に考えることを課題としています。生来の大食漢を生かし(?)西アフリカで食べまくっています。その成果は『ブルキナファソを喰う!-アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』(2019年2月、あいり出版)にまとめました。

顔写真
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