地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
次の冒険は
「ブルキナファソ」
に行くよ。
案内してくれるのは、
清水貴夫 研究員
だよ!

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▲ ブルキナファソのどのローカルマーケットにもスンバラを売る女性がいる
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再びのブルキナファソ~
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令和初のブルキナファソ~
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そのとおり。
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何か売られているよ。
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▲ スンバラ
(「アフリカ納豆」と呼ばれ古くからブルキナファソの家庭料理で使用されてきた発酵調味料 ) -
これはスンバラっていう食べものだよ。
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でた!!もうじゅう!
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だからアフリカは気をつけなきゃって言ったでしょ!
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もうじゅう系ですがヒトですよ。
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はい?あれ?
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ムムッ。マジ?ヒト?
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清水貴夫と申します。
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しかも日本人。
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ダブルの
衝撃 。 -
こんなに遠く熱い国まで、よくその足で来たね。
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もちろん飛行機使ってますけど。
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(カーゴ便できたのかな。まぁ、いっか。)
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せっかく来たなら、西アフリカのおいしいものを
紹介 してあげるよ。 -
やったー!それサイコー!
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(見た目とちがって、やさしい人なんだ。ちょっと安心。)
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でも、アフリカってお腹いっぱいごはんを食べられないって
イメージがあるんだけど・・・。 -
確 かに。雨も全然ふらなくて、作物がとれないんじゃないのかな。 -
実は色々あるよ。
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▲ ソルガムの
草丈 は3m以上茎 のしなりから穀粒 が重くなっているのがわかる -
▲
収穫期間近 の真っ赤なソルガム -
例えばこの
乾燥 した地域では、主にミレット
(トウジンビエ)やソルガム(モロコシ)といった
「雑穀 」が主な主食作物になっているよ。 -
雑穀?
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地球犬くん、しらないの?
雑穀はカロリーや糖質 が低くて、ミネラルが豊富 な穀物 として「五穀米 」などに入っている女性に人気な
スーパーフードなんだよ。 -
そうだね、日本でもこれらの雑穀は作られていたんだけど、
穀粒は鳥のえさ、茎は家畜飼料用 として、なかなか人の口に入ることは多くなかったんだ。けれど最近は再注目されているね。 -
ぼくは鳥でもないし、家畜でもないから知らねー。
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それじゃモテないね。
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ガーン!!!!(
激 へこみ) -
べ、べつに僕はモテなくてもいいけどさっ。
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そこまですごい食べ物なら、別にたべてみてもいいんだけど・・・。
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わたしの友達がいま作っているよ
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▲
沸騰 したお湯に少しずつ雑穀の粉を入れ、渾身 の力を込めて練 り合わせます。
ト(練粥 )を作るのは重労働 -
わー!おいしそうだな~!
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雑穀は、房から取ったあと、石のすりこぎで粉にして、
こうやってそれをお湯に溶 いていくよ。 -
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これが完成したもの?
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そう。「ト」と呼ばれるもので、西アフリカで広く食べられる主食で「練粥」だね。日本では「
蕎麦 がき」のようなもの。 -
ほうほう、じゃあ少しいただいても?
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このソースをつけてたべるといいよ。
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これは?
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▲ バオバブの葉のソース
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季節ごとの
野草 や、バオバブやカポックという木の葉、
そして、日本でもお馴染 みのオクラを具材 にしたソース。 -
ソーっスか。
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早く食べな・・・。
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もぐもぐ
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お、これはどこかなつかしの味がするぞ。
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このソースは、とある作家さんが「アフリカ納豆」と呼ぶ、
ネレというマメ科の木からとれる豆を発酵させた納豆のような調味料。そして、セネガルなどで取れるイワシや小アジを乾燥させて作る魚粉 を使っているので、まるで味噌汁 のような味わいがあるんだ。 -
もぐもぐ
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おいしい。かす汁のような味もするね。
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お、ナス子ちゃんすごいね。実はこれ、ブルキナファソのムスリム以外の村や地域でよく飲まれているソルガムビールを作るときに出る、「ラビレ」と呼ばれる
酒粕 が使われてるんだ。 -
▲ ソルガムビール
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日本がなつかしくなってきたな。。。
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どこか
親近感 がわくでしょ? -
うん、アフリカの食に
興味 がわいてきた! -
そう?じゃこれ読んでみる?
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『ブルキナファソを喰う!
-アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』
(2019年2月、あいり出版) -
すごい!これ、もうじゅ・・・いや清水さんが書いたの?
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ええまぁ。こうみえてブルキナファソで長くフィールドワークをしている人類学の研究者でもあるので・・・。
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ぜひ読んでみます!ありがとう!
ドーン!
ブルキナファソ
- 地理:
- 西アフリカ内陸部
- 気候:
- 半乾燥地、サバンナ
- 経済:
- 天水農業や出稼ぎが中心的な生業だが、近年では、金鉱労働なども盛んになってきている
- 民族:
- モシ、ボボ、フルベなど35ほどの民族が居住
- 言語:
- フランス語(公用語)、モレ(モシの言葉)、ジュラ語、フルフルデなど
- 宗教:
- イスラーム、キリスト教、アニミズム
- 食文化:
- うまい!!
- 建築:
- 伝統的な家屋は土づくりで、男性の系譜に従い小家族が寄り集まった大家族で居住
今回のガイド
清水 貴夫
総合地球環境学研究所 研究員
専門は文化人類学・アフリカ地域研究で、主に、子どもの研究を進めています。プロジェクトでは、ブルキナファソのし尿の農業利用の方法を地元の人びとと一緒に考えることを課題としています。生来の大食漢を生かし(?)西アフリカで食べまくっています。その成果は『ブルキナファソを喰う!-アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』(2019年2月、あいり出版)にまとめました。
