地球犬と行く!世界への冒険 ─ 調査地を研究者と一緒に地球犬が冒険します
はじめに、
「ナミビア北中部 オシコト州」
からおとどけします。
案内してくれるのは、
手代木功基
プロジェクト研究員
だよ!

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▲ ナミビア エトーシャ国立公園
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どーも。君たちどっから来たの?
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こんにちは、サイさん。僕たち日本から来たよ。
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日本か。おら行ったことねーな。ここがどこか知ってるかい?
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ナミビア!
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正解。エトーシャ国立公園だよ。野生動物がいっぱいいて、海外からも観光客がたくさん来てんだ。ほら、みんなサファリをしてるだろ。
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▲ ゾウの群れに出会う観光客
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わぁ、いっぱい象がいる!面白そうなところにきたね!!
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日本にはいない動物にあえるなんてワクワク!
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だろ。でも国立公園の外にある地域では、家畜がライオンに食べられてしまったり、井戸をゾウに壊されてしまったりといった問題も起こっていて、困っているみたいだ。
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え!?
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野生動物が人の生活に影響を与えてるんだなー。
すまぬ。君らは野生か? -
・・・・
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ナス子ちゃんそろそろ村へいきましょか・・・
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そうだね。ここから村までどのくらい?
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50キロ。
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?!!
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村まで行くなら一緒にいく?
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いきます♡♡(即答)
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ちょっとーナス子ちゃん、知らない人からの誘いにのって大丈夫なの?・・・
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バイバーイ。気をつけなサイ。
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じゃあ、あれに乗っていこう。
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▲ ドンキーカート(ロバ車)
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ロバだ!!
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えっと、、、お兄さんは何をしている人なの?
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僕はこの乾燥した環境で植物や家畜の調査をしているよ。
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へえ、この乾燥地で生活しているなんて大変そう。
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もう慣れたけどね。
このあたりがオシコト州の農村だよ。 -
▲ 家の様子(ラジコンヘリコプターで藤岡悠一郎撮影)
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家がたくさん建ってるけど、これでひとつの家族なんだよ。
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広そうだね。
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彼らの家は柵がたくさんあって迷路状になっているのが特徴で、台所に行くのに迷うこともあるよ。
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へー。日本じゃ考えられないね。
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▲ トウジンビエ畑の景観
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家のまわりには畑が広がっていて、この畑は主にトウジンビエが植えてあるよ。
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トウジンビエってどんな植物なの?
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トウジンビエは乾燥に強く、雨が少ない地域でもよく育つからこのあたりで広く栽培されている作物なんだ。
彼らの主食で日本人にとってのお米のようなものだよ。 -
近くにお友達家族が住んでるから一緒にご飯をたべようか。
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楽しみ!どんな人達かな~
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この地域に暮らしている農牧民であるオヴァンボと呼ばれる人たちだよ。
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こんにちはー
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▲ 家で暮らしている家族
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こんにちは。
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こんにちはー。
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▲ トウジンビエの調理の様子
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ちょうどトウジンビエを料理しているところみたいだね。
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どうやって食べるの?
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トウジンビエは粉にしたものを水と一緒に練り上げて、手を使って食べるんだよ。おかずはトウジンビエの畑に一緒に植えられているマメや畑に生えてくる草をよく食べるよ。
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▲ ある日の晩ご飯(トウジンビエと草)
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僕が一番おいしいと思うのは、現地語でオマトゥンブラと呼ばれる地中に生えてくるキノコだよ。別名でカラハリ・トリュフともいって、採れるところが限られる希少なキノコなんだよ。ちょっとだけジャリジャリするけど、とてもトウジンビエに合うんだ。
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▲ カラハリ・トリュフのトマト煮込み
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おいしそー!!
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いっぱい食べてちょうだい。
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これもおいしいよ。
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▲ タマムシの成虫を炒ったもの
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ギャー!!! これ虫じゃないの!?
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見た目はすごいけど、乾燥させてあって香ばしくておいしいよ。
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ん。意外といける♪
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お祝いの時などにはヤギやウシの肉を食べたりもするよ。
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そうなんだ。
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じゃあ、僕はそろそろ調査に行くね。お二人さん楽しんでね。
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調査って?
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トウジンビエの畑で問題になっている雑草の調査だよ。村では最近ギョウギシバという雑草がトウジンビエの畑に入り込んで問題になっているんだ。世帯によっては畑の半分以上がギョウギシバに覆われてしまって、そこではトウジンビエが作れなくなっているんだ。僕はそのギョウギシバがどういったところに分布しやすいかとか、どうやったら駆除できるかといったことについて調査しているんだよ。
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頑張ってね!
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また日本で!
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また会いましょう!
ナミビア北中部 オシコト州
- 気候:
- 乾燥気候
- 経済:
- 鉱山資源と畜産
- 民族:
- オヴァンボ、ダマラ、ナマ、ヘレロ、カヴァンゴなど多数
- 言語:
- オシワンボ語、ダマラナマ語、ヘレロ語など多数
- 宗教:
- キリスト教など
- 食文化:
- 主食はトウジンビエ、トウモロコシなどの粉を練ったもの
- 建築:
- 樹木と土、家畜糞などで作った壁と草やトタンの屋根でできた家屋が主
今回のガイド
手代木功基
総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員
専門は地理学・自然地理学。主にナミビアやモンゴルといった乾燥地で植物の調査や、植物を食べる家畜の調査をおこなっています。文中で紹介した地域では、トウジンビエの畑で問題になっている雑草の調査を進めています。高山や日本の山間部などの乾燥地以外でも研究をしています。
