Ⅰ 総合地球環境学研究所の設立趣旨と目的
総合地球環境学研究所(以下「地球研」という。)は、地球環境問題の解決に向けた学問を創出するための総合的な研究を行う目的で大学共同利用機関として平成13年に創設されました。
環境の研究はこれまで科学の諸分野で個別に取り組まれてきましたが、地球研の使命は、環境問題の本質を解明して、人間と自然とのあり方を統合的に提示することであり、設立当初から「地球環境問題の根源は、人間文化の問題にある」と位置づけています。
地球研では、人間と自然との相互作用環を明らかにする研究をさまざまな領域について進めています。研究領域として、循環、多様性、資源、文明環境史及び地球地域学の5つの領域プログラムを設定し、それぞれのプログラムのもとに多様なテーマを掲げた研究プロジェクトを推進しています。また平成22年度から始まった第二期中期目標・中期計画では、領域プログラムと未来設計イニシアティブを組み合わせた統合知の構築により、地球環境問題の本質を明らかにし、新しいパラダイムによる未来社会のデザインをめざすプロジェクトを立ち上げてきました。
そのために地球研では、研究者コミュニティから研究テーマを広く公募し立ち上げる「連携研究プロジェクト(現在の個別連携プロジェクト)」及び地球研がイニシアティブをとって立ち上げる「基幹研究プロジェクト(現在の未来設計プロジェクト)」を推進してきました。昨年度から、地球研が求める要件にしたがって大学・研究機関との協定のもとで共同研究として公募・実施する「機関連携プロジェクト」を実施することとしました。
この機関連携プロジェクトは、地球研との密接な協議を通じてプロジェクトのシーズを発掘し、プロジェクト提案を設計することが特徴です。
今回からは、従来の個別連携プロジェクトの形成に関してだけ設定してきたインキュベーション研究(以下「IS」という。)について、機関連携プロジェクトにおいても実施することになりました。
Ⅱ 公募の内容
1.インキュベーション研究とは
今回公募を行うISは、地球環境問題の解決に向けた総合的な研究における新たな研究シーズを発掘することを目的として、地球研及び所外の研究者が共同して行うものです。地球研の研究プロジェクト方式では、ISは半年から1年後に個別連携予備研究(個別連携フィージビリティ・スタディ:以下「個別連携FS」という。)または機関連携予備研究(機関連携フィージビリティ・スタディ:以下「機関連携FS」という。)の候補となり、地球研の所内審査を経て個別連携FSまたは機関連携FSに進むことが認められる(ISを経ずに直接「機関連携FS」に申請することはできません。)と6ヶ月ないし1年の研究を実施し、地球研の所内審査及び国内外の評価委員で構成する研究プロジェクト評価委員会によって適切と認められれば、地球研運営会議の承認を経て研究プロジェクトに進展できます。
なお、今回募集のISは、その研究推進の過程で個別連携FSあるいは機関連携FSのどちらにふさわしいかについて、地球研と申請者及び申請者の所属機関との協議に基づいて判断し、さらに連携機関との調整の進捗を踏まえたうえで、平成27年10月または平成28年4月から個別連携FSまたは機関連携FSに進展します。また平成27年度末または平成28年度末の評価結果により、個別連携プロジェクトまたは機関連携プロジェクトへの進展を目標とします。
ただし、地球研第3期のあり方に関しては現在検討中でその検討結果を踏まえてプロジェクトのあり方等について変更になる可能性があります。これについては公募説明会でもご説明します。
地球研プロジェクトの種別および個別連携プロジェクト並びに機関連携プロジェクトの詳細については、「9.参考資料」、特に「個別連携プロジェクトに求めるもの」および「機関連携プロジェクトに求めるもの」をご参照いただき、地球研プロジェクトの概要をご理解いただいた上で、ISとしての申請に対する適合性をご判断ください。
2.個別連携FS及び個別連携プロジェクトの要件
個別連携FSに進展した場合、その研究代表者(申請者)は地球研の客員教授または客員准教授になっていただく必要があります。(半年~1年)さらに、個別連携プロジェクトに進展した場合、そのプロジェクトリーダーには地球研の専任の教授または准教授になっていただく必要があります。
なお、地球研の専任の教授または准教授への採用の際には、地球研と研究代表者の所属機関の間で十分に協議を行います。
3.機関連携FS及び機関連携プロジェクトの要件
すでに地球研との連携協定を締結している機関は、機関連携FS期間中に地球研との協議のもとに、さらに機関連携プロジェクトの実施に必要な覚書等(双方に係る知的財産に関する事項も明記させていただく内容となります。)の準備をしていただきます。地球研との連携協定をしていない機関とは、この期間に新たに協定を締結する準備をしていただきます。
機関連携FSに進展した場合、その研究代表者(申請者)は地球研の客員教授または客員准教授になっていただく必要があります。(半年~1年)さらに、機関連携プロジェクトに進展した場合、そのプロジェクトリーダーは所属機関から地球研への出向あるいは派遣といった形態をとるか、または地球研の専任教員になっていただきます。身分上の扱いと地球研におけるエフォート率等は所属機関によって事情が異なりますので、詳細については個別に相談させていただきます。また、これらについては連携協定ないし覚書等に定めるものとします。
4.申請資格
- 1) 国、公、私立大学等の教授、准教授、講師及び助教
- 2) 上記1)と同等またはそれ以上の研究能力があると地球研所長が認めた者
5.研究課題
地球研の要覧・ホームページの「地球研のめざすもの」等(Ⅱ9.「参考資料」)を参照して地球研の研究教育職員と十分打合せのうえ、設定してください。
6.研究期間
平成27年5月~平成28年2月末(平成27年10月に個別連携FSまたは機関連携FSに進展した場合は、ISはその時点で終了とします。)
7.所要経費
旅費及び消耗品費等について、予算の範囲内において地球研が負担します。1件当たり30~100万円程度で予算計画を立ててください。但し、備品(単価10万円以上)の購入は認められません。また、国内旅費を計上する場合、地球研において共同研究を行う趣旨を鑑みて、申請者の所属機関から京都への旅費のみ可能とします。
8.公募後のスケジュール(現在における予定であり、変更が生じる場合もあります。)
- 書類審査
- 研究内容発表会(書類審査通過分ヒアリング)
- 採択審査
- 研究開始
- IS報告・FS移行発表会
- FS移行課題決定(10月期)
- IS報告・FS移行発表会
- FS移行課題決定
平成27年 4月 7日 (火)
平成27年 4月17日 (金)
(予備日) 4月20日 (月)
平成27年 4月21日 (火)
平成27年 5月 1日 (金)
平成27年 9月 4日 (金)
平成27年 9月 4日 (金)
※10月にFSに進展した場合は、FSとしての発表が必要となります
平成28年 3月 4日 (金)
平成28年 3月 4日 (金)
9.参考資料 資料は、こちらからダウンロードしてください。
- 総合地球環境学研究所における研究活動の基本方針:別添のとおり
- 地球研のめざすもの:地球研HP
- 設立の趣旨と目的:地球研HP
- 本研究実施までの流れ:別添のとおり
- 総合地球環境学研究所研究プロジェクト規則:別添のとおり
- 総合地球環境学研究所研究プロジェクト実施細則:別添のとおり
- 個別連携プロジェクトに求めるもの:別添のとおり
- 機関連携プロジェクトに求めるもの:別添のとおり
- 総合地球環境学研究所FR、FS及びIS審査実施要領:別添のとおり
Ⅲ 応募書類の提出等 資料は、こちらからダウンロードしてください。
1.提出書類
2.提出期限 :
平成27年4月2日(木) 17時必着
(郵送、持参どちらでも構いませんが、メールでの提出は認められません。)
3.提 出 先 :
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所 研究協力課研究協力係
Ⅳ 審査
研究課題の選考は地球研研究プロジェクト所内審査委員会において行います。予算計画を含め、申請内容に対して書類にて審査を行い、書類審査を通過した課題については、地球研所員参加による公開ヒアリングを経て総合的な審査を行った後、地球研連絡調整会議において採択課題を決定します。
Ⅴ その他
- 研究内容発表会(書類審査通過分ヒアリング)に参加される際の旅費は申請者の負担とします。
- 研究内容発表会(書類審査通過分ヒアリング)での使用言語は、日本語または英語とします。
- 地球研の研究教育職員以外の方が申請される場合は、地球研の研究教育職員と十分に打ち合わせを行っていただき、地球研対応者を申請書に記載願います。なお、ISに採択された場合、当該ISの研究方針等について助言を行う所内インキュベーターを地球研において決めさせていただきます。
- ISに採択後、平成27年9月または平成28年3月に、上記「Ⅱ8.公募後のスケジュール」に記載のIS報告・FS移行発表会において、研究代表者(申請者)にISの報告とFS研究計画の発表をしていただきます。なお、IS報告書については公開することがありますのでご承知おきください。
お問い合わせ先
管理部研究協力課研究協力係
Tel:075-707-2148
E-mail: