所長挨拶

安成哲三地球研所長から皆様へ
総合地球環境学研究所長 安成哲三

総合地球環境学研究所長
安成哲三

総合地球環境学研究所(地球研/Research Institute for Humanity and Nature)は、地球環境学の総合的研究を行なう大学共同利用機関のひとつとして2001年4月に創設され、2004年の国立大学法人化にともない設立された人間文化研究機構に属しています。

地球研のミッションは、「地球環境問題の根源は、人間文化の問題にある」という認識に基づき、地球環境問題の解決に役立てる総合的研究を行なうことにあります。人と自然の相互作用環の理解の上にたち、地球環境問題の解決に資する研究をさまざまな領域について進めています。

20世紀末から21世紀に入り、地球環境は、気候システム、生態系、物質循環などを含むさまざまな面で、すでに限界にきている可能性が、地球研での成果も含め、近年の多くの研究で指摘されています。人と自然の相互作用環の不具合がまさに顕在化しており、持続的で未来可能な相互作用環はどうあるべきかを、地域的な特性や歴史的な経緯も考慮しながら、統合的に考えていくことが、喫緊の課題となっています。そのためには、自然科学・人文科学・社会科学をまたぐ学際的な研究の上に、社会とも連携して新たな価値を創出しつつ、「人と自然のあるべき姿」を模索する課題解決志向型の超学際的(transdisciplinary)研究を進めていく必要があります。

地球研では、創設以来、多くの研究プロジェクトを通して、人間・自然系の相互作用環のさまざまな学際的研究を進めてきましたが、社会との協働による超学際的研究を、さらに強力に進めることが、今、問われているわけです。2016年度から始まった地球研の第3期中期目標・中期計画では、このための組織体制として、研究プロジェクトを有機的につなぐ実践プログラム・コアプログラム制と、これを支えるための研究基盤国際センターを新たに発足させました。2017年度には、3つの実践プログラムを統括する3名のプログラムディレクターもそろい、プロジェクト間の連携・協働も本格的に開始しています。超学際研究の理論や方法論構築をめざすコアプログラムも、複数のコアプロジェクトを立ち上げて、具体的な活動を開始しました。

研究基盤国際センターは、これらの研究プログラム・プロジェクトの推進に必要な情報・データネットワークや取得された研究調査資料の物理・化学・生物学的分析を担うとともに、国内外の関連大学・研究機関やFuture Earthなどの国際プログラムとの連携や、社会との研究・教育コミュニケーションを進めています。所長のリードの下、地球研全体の研究戦略・方針を検討する研究戦略会議を設置、また、所長直属の広報室とIR室にも専任スタッフがそろい、2016年度から本格的に稼働しています。

2017年度は、これらの新しい体制をフル稼働させ、「人と自然のあるべき姿」を具体的に模索していく重要な年と位置づけています。

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