1.公募事項
総合地球環境学研究所では、大学共同利用機関として、安定同位体質量分析装置を中心とする実験施設の整備を進めてきました。2012(平成24)年度より、これらの分析機器を用いることで、地球環境問題の解決に資する研究活動を促進するために、同位体環境学という新しい分野を設定し、関連する共同研究を実施してきました(注1)。2019年度においては、当研究所の共通機器(注2)を用いた以下の共同研究を募集します。
- (A)一般共同研究:
- (B)部門共同研究:
- (C)環境トレーサビリティーコアプロジェクト共同研究(2018-2019年度特設分野):
- (D)生態系トレーサビリティー共同研究(2018-2019年度特設分野):
当研究所の考える同位体環境学の概念に合致した幅広い分野の共同研究。
実験にかかる 共通機器使用料 については原則利用者負担とさせて頂きます。
計測・分析部門と密に連携した新しい分析手法(試料処理法なども含む)の開発や、計測・分析部門と協働で行う新しい同位体利用法の開発と応用など、計測・分析部門の研究体制構築に資する研究。
計測・分析部門との協議の上、 共通機器使用料 の一部または全部を当研究所が負担させていただきます。
地球研コアプロジェクト「環境研究における同位体を用いた環境トレーサビリティー手法の提案と有効性の検証(研究代表者 陀安一郎)」と密に連携し、学際的な地球環境学の枠組みで安定同位体情報を利用するにはどうすればよいのか、さらに社会と連携する超学際的アプローチでは安定同位体情報をどのように活用することができるかについて考える研究。
研究代表者との協議の上、 共通機器使用料 の一部または全部を当研究所が負担させていただきます。
科学研究費補助金基盤研究(A)一般「多元素同位体・分子レベル同位体手法による生態系トレーサビリティー技術の確立(研究代表者 陀安一郎 16H02524)」と密に連携した、多元素同位体生態学的研究。
研究代表者との協議の上、 共通機器使用料 の一部または全部を当研究所が負担させていただきます。
2.申請資格
- ①
- ②
3.研究期間
2019年4月1日から2020年2月29日まで
4.研究経費
- ① 旅費(交通費、宿泊費、日当)については、利用者負担とさせて頂きます。
- ② 実験にかかる消耗品および薬品は当研究所で用意致します。
5.申請方法
- ①
- ②
- ③ 採択後は、
「共同研究承諾書」(様式2)を必ず提出(郵送)して下さい。
- ④ 提出先
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター 計測・分析部門
E-mail:
6.申請書提出期限
2019年2月18日(月) 午後5時(期限厳守)
7.採否
当研究所の同位体環境学委員会の議を経て、所長が採否を決定し、2019年3月下旬頃までに申請者へ通知します。
8.留意事項
機器利用に際しては事前に機器利用申請書を提出して頂きますが、申請日時が同じ場合は、地球研プロジェクトの利用が優先されることをご了承ください。
9.知的財産権の取り扱いについて
当事業における申請者の知的財産権の帰属等に関しては、下記の規程に準ずることとします。
2004(平成16)年 9月14日 人間文化研究機構規程 第77号
なお、知的財産権にかかわる問題が発生した場合は、共同研究委員会で検討します。
10.実験施設利用・研究における施設等の損害について
共同利用施設、設備等に利用者の過失による損害が生じた場合には、利用者の所属機関に対して原状回復をお願いすることがあります。
11.研究成果報告書
研究者は、研究終了後速やかに 「共同研究成果報告書」(様式3)をE-mailで提出(5-④提出先)してください。
なお、提出していただいた報告書は当研究所のホームページ等において公表することがあります。
12.本研究による成果の発表
本研究による成果の発表の際は、必ず本研究事業により援助を受けた旨を明記してください。
- ・和文:
- ・英文:
あわせて、発表論文のPDFファイル(別刷りもしくはコピーでも可)を提出して下さい。
なお、特設分野については、これらに加え個別にお伝えする謝辞をお願いします。
本事業による成果は、毎年地球研において開催している 同位体環境学シンポジウム(次年度は2019年12月開催予定)での発表をお願いします。また、地球惑星連合大会の地球人間圏に継続的にセッションを開催しており、本研究の成果を発表する場としています。2019年度は英語セッションとして
「H-TT18 環境トレーサビリティー手法の開発と適用(Development and application of environmental traceability methods)」というセッションを設け、次年度以降も継続して開催する予定です。本研究の成果は可能な限り同セッションで発表して頂くことをお願いします。
13.問合せ先
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター 計測・分析部門
<研究内容>
陀安一郎 TEL:075-707-2380 FAX:075-707-2509
E-mail:
申 基澈 TEL:075-707-2473 FAX:075-707-2509
E-mail:
<事務手続きに関する内容>
倉田純子 TEL:075-707-2453 FAX:075-707-2509
E-mail:
- 注1
- 注2
総合地球環境学研究所では、人間と自然の相互作用環を明らかにし、地球環境問題の解決に資する研究を進めています。2016(平成28)年度から開始された第3期中期計画では、 プログラム-プロジェクト制 を採用し「アジアの多様な自然・文化複合と未来可能社会の創発」の研究にあたっています。研究で対象とする地域や時間のスケールはさまざまですが、研究所として個々の研究プログラムを分野横断的に束ねて、地球環境学を構築する方向性を明確に提示することが重要であると考えています。その中にあって、水・大気・生物・土壌など生態系を構成する種々の要素、人間の活動とその歴史など、あらゆる人間と自然の相互作用環のなかに、元素の安定同位体比という指紋が内在されていることが明らかになってきました。当研究所では、多様な環境物質と多くの元素について、この指紋情報を獲得できる実験機器を整備してきました。これらを用いた分析を通じて、地球環境問題の解決に資する研究を行うことは、研究所の中期目標・中期計画の位置づけに示されている通り、重要なミッションです。総合地球環境学研究所では、これらの研究を「同位体環境学」とよび、全国の研究者との共同研究を2012(平成24)年度より公募しています。
同位体環境学共同研究は、「地球化学」「水文学」「生態学」「地質学」「鉱物学」「人類学」「食品科学(産地判別)」「科学捜査」など、細分化された専門的学問領域で活用されている「同位体手法」を、幅広い環境学の研究に利用することを目指しています。単なる「機械の共同利用」ではなく、「研究方法」や「研究成果の利用方法」も共有する共同研究を目指し、研究基盤国際センターの計測・分析部門と共同しながら、今後の総合地球環境学研究所において行われるプログラム-プロジェクトに貢献する可能性を持つ研究を広く募集します。
総合地球環境学研究所の実験施設に設置され利用できる機器(共通機器)は、地球研のホームページにある 「実験施設」の「施設案内」のページ をご参照ください。
研究計画書には、使用する装置名と予定分析試料数(標準試料を含む)を明示してください。機器には、機器使用料が決まっていますので、申請には 別紙「共通機器課金単価表」を参照してご記入ください
ご不明な点は、「問合わせ先」までご相談ください。