- 日 時
- 2021年11月13日(土)15:20-17:30
- 視聴方法
- YouTube Live配信
- 趣 旨
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大学共同利用機関法人人間文化研究機構広領域型基幹研究プロジェクト「アジアにおける「エコヘルス」研究の新展開」は、2016年に始まったプロジェクトです。人間文化研究機構に属する 3つの研究機関(総合地球環境学研究所、国文学研究資料館、国立民族学博物館)が連携し、社会と環境が急速に変化している現代において、多様な視点から「人の健康」を考察することを目的としています。
この研究プロジェクトは「健康とはなにか」という問いから出発しました。人間にとって「健康」はある状態を意味しています。しかし、その具体的内容は厳密に定義できるものではなく、一種の大きな努力目標としか表現できません。現在、国際社会は「すべての人が健康に向かう」ことを共通の目標とし、各種の政策や取り組みが行われていますが、なにをもって健康とするかという「健康観」や、どのように健康を達成するかの方法論には多様な捉え方があり、それは地域や文化によっても異なります。私たちのプロジェクトが進めてきた東アジアの歴史的な健康観の研究は、東アジアにおける健康のあり方の多様性を示しています。
一方、健康を実現する方法には、近代医学の方法論とそれ以外のアプローチが競合してきました。近代科学、特に近代医学の登場により、人間(個人)の健康は社会や環境から切り離され、抗生物質、ワクチンなどによる病原体との闘いとなりました。しかし、近代科学の進展はその後、人間と環境のバランスを崩し、人間が引き起こす環境破壊を原因とする不健康を生じさせるにいたっています。
人の健康は元来、切り離されてあるものではなく、自然や社会とのせめぎあいの間に存在してきたものです。本プロジェクトが標榜するエコヘルス概念では、「人の健康」を日常の暮らしや生態環境、生業との関わりの中で模索しようとするものです。しかし、人間活動が地球の惑星としての限界を突破しつつある現在、エコヘルスは、人間と地域社会との関わりから、人間文明とそれを支える地球全体を含むプラネタリーヘルスへと概念的に拡張されつつあります。いまいちど、社会や環境のなかで、人間の健康を考える必要があります。本シンポジウムでは、6か年の研究成果を振り返り、健康観の多様なあり方について考えます。
- 主 催
- 日本健康学会・人間文化研究機構基幹研究プロジェクト『アジアにおける
「エコヘルス」研究の新展開』 - プログラム
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- 15:30-15:40
- 15:40-16:00
- 16:00-16:15
- 16:15-16:35
- 16:35-16:50
- 16:50-17:30
総合地球環境学研究所 ハイン・マレー
国立民族学博物館 野林厚志
演題2:なぜ私たちは私たちが食べているものを食べるのでしょうか
―中国海南島における食物摂取動機調査から総合地球環境学研究所 蒋 宏偉
国文学研究資料館 入口敦志
東京都立大学 福士由紀
パネルディスカッション
総合地球環境学研究所 ハイン・マレー
国立民族学博物館 野林厚志
国文学研究資料館 入口敦志
長崎大学 渡辺知保
神戸大学 中澤 港
- 連絡先
- 総合地球環境学研究所 蒋 宏偉