温暖化するシベリアの自然と人
- 水環境をはじめとする陸域生態系変化への社会の適応 -

 

これまでの成果

レナ川の雪解け洪水に対する現地住民の在来知を、インタビューや新聞などのマスメディアを活用しながら記録化しはじめました。さらに、重要な交通手段であるレナ川凍結時の冬道路の交通量・車のタイプ・載積量などのデータを分析し、冬道路が温暖化の影響を強く受けるのかどうかについて予測しました(図4)。その結果、温暖化によって冬道路として使用できなくなる日数は、重い車両ほど増えることがわかりました。一方、農村住民の狩猟の対象として重要な野生トナカイの移動パターンと気温・植生・積雪深・害虫発生などの環境との関係を明らかにするために、野生トナカイに衛星テレメトリー発信機を取り付け、データの収集を開始しました。また動物資源とその利用者の動態を知るために、トナカイ牧民の参与観察、毛皮獣狩猟と毛皮流通量の調査、サケ漁の実態調査を行いました。温暖化によって生じる災害に対し、行政がどのように認識し対応しているのかを知るために、行政機関へのインタビューや、政令やマスメディア情報の収集とそれらの分析に着手しました。特に、気候変動への適応/不適応の分かれ目を明らかにするために、移住が検討されているいくつかの村で現地調査を行いました。

G1: シベリア広域グループ

  • G1a: 炭素・水循環サブグループ
  • G1b: 温室ガスサブグループ
  • G1c: シベリア概況サブグループ

G2: 水循環-生態系相互作用
プロセス研究グループ

  • G2a: 過去の復元サブグループ
  • G2b: プロセス研究サブグループ
  • G2c: モデル解析サブグループ

G3: 人間生態グループ

  • G3a: 氷結水環境 サブグループ
  • G3b: 生業パターンサブグループ
  • G3c: 環境認識実践サブグループ