サニテーション価値連鎖の提案―地域のヒトによりそうサニテーションのデザイン―

プロジェクトについて

プロジェクトの考え

サニテーション価値連鎖の提案

サニテーションプロジェクトでは、先進国と開発途上国の共通の解決策として、「サニテーション価値連鎖」を提案します。

サニテーションとは、一般的に、ヒトのし尿を人びとの生活の害にならないように処理するしくみを指しますが、私たちはこれを、価値を生み出すしくみに転換する取り組みをおこなっています。このように、サニテーションを単なる技術ではなく、人間や地域社会のなかの価値連鎖そのものとして捉えるモデルが、「サニテーション価値連鎖」です。

4つの学際チーム

4つの学際チーム

サニテーションを統合的に理解するために必要とされる、人文・社会科学と自然科学にまたがる学際的な研究や、その研究の可視化のために、4つのチームで共同研究を進めています。

Life

人類学、医学・保健学、経済学、政治学、開発学の専門家から構成され、それぞれの地域の人びとの価値観や歴史に着目して、サニテーションと生活との関わりを明らかにしていきます。

Technology

工学の専門家から構成され、サニテーション技術を適用するために必要な条件やその価値を再評価し、それぞれの地域にあわせた技術開発を行います。

Co-creation

医学・保健学、工学、農学、人類学、経済学、政治学、開発学の専門家が、ステークホルダーと協働してサニテーション価値連鎖のモデルを共創し、地域社会の中で具体化していきます。

Visualization

科学コミュニケーションの専門家・実務家によって構成され、研究者と地域の人びとのコミュニケーションツールとして、研究のコンセプトや成果などを可視化していきます。

研究フィールド

研究フィールド

サニテーションのしくみが普及していない開発途上の国の都市部と農村部で調査をおこなっています。日本国内では、高齢化・人口減少社会の例として、北海道の石狩川流域の農村部でも研究をしています。

インドネシアバンドン

し尿を堆肥化するための、地域社会内へのシステム導入やローカルビジネスの可能性など、サニテーションを通じた価値連鎖のデザインを考えています。

日本石狩川流域

人口減少が進み、インフラ維持が難しくなりつつある地域において、地域の核となる高校と連携しながら自律的に運営できるようなサニテーションの仕組みの共創を目指しています。

ブルキナファソワガトゥグ、コングシ

汲み取りの社会的な役割や位置づけの調査に加え、ローカルNGOと人糞由来の堆肥を用いたパイロットファームを運営し、地域社会内でのサニテーション価値連鎖のあり方を模索しています。

ザンビアルサカ

大腸菌の曝露解析により、コレラの発生や下痢などの原因究明および解決の糸口を探ります。また、サニテーション課題についてのアクションリサーチも地元の青少年とおこなっています。

カメルーンサブフィールド

狩猟採集民の暮らしからみえるトイレの起源や、トイレのない状況のなかでの排泄行動について調べています。

インドサブフィールド

「カースト」制度と関連した衛生問題についての歴史的変遷や、「汚さ」の文化的な位置づけについて調べています。

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