地球環境研究の共通言語と理論的基礎をデザインする

プロジェクトの概要

地球環境問題の解決に貢献する〈知〉は、学術コミュニティでつくられるだけではなく、社会との連携のなかでデザインし生産されるものである。これがいわゆる超学際的アプローチによる総合地球環境学の命題であるが、では、この協働プロセスはどのようなメカニズムのもとで進むのだろうか。このコアプロジェクトでは、このメカニズムを探索しつつ、とくに共通の知識を参照しながらコミュニケーションとることがプロセスを円滑にするか、という点に焦点を置く。

ここでいう知識は、さまざまな表現のかたちをとりうる。それは、問いやゴールのかたちをとるかもしれないし、より構造的な枠組み図のかたちをとるかもしれない。イラストや映像であっても不思議ではない。協働のプロセスを円滑にするのは、これらの表現の組みあわせではないだろうか。問題は、これらの表現が、知識の「型」ともよべるものに支えられる必要があるかどうか、ということである。このコアプロジェクトでは、こういった型とこれを用いた協働プロセスのあり方を「地球環境研究の理論的基礎」とよび、議論を進めることにした。

この理論的基礎は、プロセスを円滑にするための〈作法〉を提供し、同時に総合地球環境学を〈体系〉づけるものであることが求められる。これらの共通の作法や体系を記述するものとしてなんらかの「共通言語」を開発すること、これが理論的基礎の検討とあわせて行なう作業となる。

コアFS段階では、環境・サステイナビリティ分野の体系化にかかわる既存の議論の整理と、ワークショップ形式による地球環境研究の基本語彙の定義をめぐる議論、概念と関係の両方を扱うことのできるオントロジー工学の活用の可能性について検討する。

ところで、とりわけ地球環境研究では、その知にどれほどのリアリティがともなっているかにより、〈知〉の価値が決まる側面がある。それゆえ探求すべきは、身体を介して直接導入された〈体験知〉と、技術や思考といった回路を経由して導入された〈教養知〉を融合させ、体系的に理解するための方法論であろうと考える。

コアFRでは、既存の研究プロジェクトと連携しながら、この方法論を構築することをゴールとしたい。これからの半年、そのために必要な枠組みと体制を構築したいと考えている。

FS責任者

氏名所属
熊澤 輝一地球研研究高度化支援センター助教
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