大学共同利用機関法人　人間文化研究機構　総合地球環境学研究所

環境と人との関わりは古くから存在している。生業や災害、戦乱といった人の攪乱も含めて史資料から環境史を描く。

重要記録を保存・活用し、未来に伝達するアーカイブ。近年ではインターネット技術の進展にともない、博物館や美術館、公文書館や図書館、さらに研究機関においても、デジタルアーカイブ化という、さまざまなモノやデータの活用のための新たなシステム構築が求められている。ネットワーク時代のアーカイブをめぐる現状と課題とは。

温暖化や環境汚染など、地球規模の環境の危機が叫ばれ始めて約半世紀。その対策にむけて今、さまざまなレベルでの取り組みが必要とされている。あらたに立ち上げられた国際的枠組み Future Earth と、それを取り巻く世界と地域の現況をみる。

食べ物には様々な情報が伴っており、我々が何を食べているかを知る手がかりである。この観点から見ると食べ物はどのように映るだろう。

農地やレアメタルを求め、各国のアフリカの開発支援が加速している。実際の変化を見据え、今後の開発支援のあり方を問う。

河川や海といった国際的な「コモンズ」から伝統的で身近なコモンズまで、あらたなコモンズの問題に迫る。

社会主義から「粗野な資本主義」に支配される北ユーラシア。環境破壊が進むその現実を分析し、国際社会の対応を考える。

ビルが林立し、多くの人が行き交う現代都市。「ヒト」の感性を超えて巨大化、複雑化する都市は、その実像をなかなかあらわさない。その都市をさまざまな角度から「はかる」ことで、普段は見えてこない都市の姿を浮き彫りにする。

水田の生態系サービスや環境形成力が注目されて久しい。一方、グローバルなスケールで大気や水の循環にはたすアジアモンスーン地域の水田の役割も注目される。本特集では、湛水という特異な技術によって営まれる水田に焦点をあてて、人と水とのさまざまなつながりに迫

阪神・淡路大震災から15年。その後もスマトラ島沖、新潟中越、ハイチ、チリと大規模災害は容赦なく続く。地震・防災研究、緊急支援、復旧・復興、その実態を情報学を中心に、地域・環境の視点から立体的に捉える。

多角的広範囲に及ぶ生物多様性の考え方を整理し、それが訴えようとしていることの根本に迫る。

大規模農業や豊富な鉱物資源の輸出によって、力強い発展を見せるオーストラリア。しかし、昨年来の大干ばつや大規模な山火事、珊瑚の白化やわかめの大増殖による生態系の変化など、その自然環境は大きく変化している。オーストラリアでいったいなにが起こっているのか。立体的なアプローチを試みる。

IT技術の進歩により、これまでとは違ったデータ処理や調査、分析の手法が可能となりつつある。本書は地域研究者、環境研究者に情報学研究者が加わり、有機的な連携によって新たな研究と地の地平を生み出そうとするものである。