地球研の林健太郎客員教授(農研機構主席研究員)が、2021年5月、一般社団法人 日本土壌肥料学会 第66回学会賞を受賞しました。
本賞は、土壌・肥料・植物栄養学およびこれらに関連する環境科学に関する顕著な業績をあげた者に授与される賞です。
林客員教授は、農林水産省研究機関において一貫して人間社会と自然をつなぐ複雑な窒素循環の実態とその環境変動応答の解明に取り組み、特に大気から地表への窒素沈着や農地から大気へのアンモニア揮散などの大気-陸面相互作用のメカニズム、南北両極地のツンドラ土壌の硝化・脱窒特性とその気候変動応答、および食料生産~消費における窒素フローとその潜在的環境影響について先取的な研究成果を発表し続けてきました。土壌が地球システムにおける生物生産・食料生産の要であることを強く意識した一連の研究活動は、土壌肥料学の発展に大きく貢献するものであるとともに、日本土壌肥料学雑誌編集委員および Soil Science and Plant Nutrition 誌副編集委員長を務め、日本土壌肥料学会の発展にも尽力してきたことから、今回の受賞に至りました。
林客員教授が代表を務める予備研究(FS)「人・社会・自然をつないでめぐる窒素の持続可能な利用に向けて」は、本年4月から始動しています。今後のプロジェクトの成果にもご注目ください。