田中樹准教授が2015年(第25回)「日経地球環境技術賞」優秀賞を受賞

2015年10月16日

平成27年10月、日本経済新聞社・2015年(第25回)「日経地球環境技術賞」の受賞者が発表され、地球研研究プロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」の田中樹准教授らが行なった研究テーマ「暮らしを支える生業活動を通して実施可能な砂漠化対処技術の開発」が「優秀賞」に選ばれました。

日経地球環境技術賞は、地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、生態系の乱れ、砂漠化、海洋汚染、廃棄物処理など、いわゆる地球環境問題に関する調査、研究、技術開発、ものづくりを対象とし、実践的な取り組みの独自性、実現性などを総合判断、特に事業所においては生産性向上や先端性なども考慮し、優れた成果のあった国内の大学・研究機関・企業、そこに所属するグループないし個人の研究者に贈られるものです。また選考については、 (1)地球環境保全への貢献度(実績及び実現性の予測を含む)(2) 研究・技術の独自性(3)技術の実現性、普及の可能性(4)社会へのインパクト の4点について総合的に判断されます。

田中准教授らは、砂漠化の原因の一つである風食(風による土壌侵食)を防いで作物の収穫量を増やせる新技術を開発しました。この技術は農地に幅約5メートルの「休閑帯」(種まきも除草もしない)を設けることで、土壌や有機物がその休閑帯に吹き寄せられ、年ごとに場所を変えると全体の収穫量を増やせるというものです。手間や資材、費用はほとんど要らず、アフリカやニジェールでの実験では風食を7割押さえ、作物の収穫量が3~8割増えることを実証したことなどが高く評価されました。

これらの技術は、地域の暮らしの実態やニーズに丁寧に対応し、人びとと共につくりあげるという意識が強く反映されており、地球研がめざす、研究の枠を超えて社会との対話と協働・連携した超学際的研究(transdisciplinary)への取組みとも合致しています。

なお、表彰式は11月6日(金)に東京・大手町に日本経済新聞社にて執り行われます。

調査地ニジェール

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