- 日 時
- 2022年3月14日(月)13:30 - 15:00
- 場 所
- オンライン ※ID・パスコードは担当者にお問い合わせください。
- 主 催
- 実践プログラム3
- 報告者
- 明日香壽川先生(東北大学 東北アジア研究センター中国研究分野 教授)
- タイトル
- 「ウェールズの未来世代法の世界的意義および日本への適用可能性」
- 概 要
ウェールズが、長期的視点、すなわち未来世代のことを真剣に考えることを義務付け、それを法律という制度にまでした。2015年に制定された「未来世代の豊かさと幸せに関する法(Well-being of Future Generation Act: 以下、未来世代法)」であり、政府や地方自治体などの全ての公的機関での意思決定において、未来世代の利益が十分に考慮されているかの検討を義務付けている。
この法律の最も重要なポイントは、未来世代を代表するコミッショナーの権限が大きく、かつ未来世代に悪影響を及ぼす可能性のある政府や地方自治体の決定を市民が変えることができることである。後者は、具体的には、公的機関の意思決定や政策が未来世代の利益を考慮したものであるかを、市民も参加する第三者機関がチェックする仕組みを入れている。これによって、政府や地方自治体が持つ価値観、経済政策、社会や環境のための法律や政策の策定方法など、公的機関が行うすべてのアクションが、未来世代の利益を考えなければならないことで再構築されることが期待されている。
このような法律を日本で制定することは可能であろうか。本セミナーでは、まず未来世代の利益の考慮に関する国内外の議論を振り返る。次に、ウェールズの未来世代法の概要を紹介する。最後に、日本における具体的な制度設計の課題などについて議論する。
- 問い合わせ
- 実践プログラム3 上田