「生物情報工学」、「食・環境・文化情報学」、「フードシステム学」、そして季節学へ -持続可能な地域フードシステムを目指して-

日 時
2021年6月15日(火)13:30-15:00
会 場
オンライン
主 催
実践プログラム3
発表者
一般社団法人ALFAE 代表理事
学校法人辻料理学館 理事
亀岡孝治(三重大学 名誉教授)
要 旨

農産物の収穫後(ポストハーベスト)技術と食品の乾燥・貯蔵・冷凍などを行う食品化学工学の研究からスタートした私の研究は、ファジイメジャー・ショケ積分とニューラルネットワークを用いた味覚の定量化、マルチ分光技術を用いた農産物・食品・植物細胞の生物情報計測を経て、マルチ分光技術と情報通信技術を援用した栽培現場での生育環境計測と農作物の樹勢診断にたどり着きました。その後、農作物の栽培、食品保蔵、食品加工、マーケッティング、販売までを技術的な視点からシステムとして研究するフードシステム学研究に展開して、三重大学での仕事を終えました。

X線からテラヘルツまでのマルチ分光による栽培過程でのフィールドフェノタイピング、生育環境のフェノロジー計測、低周波数電界を用いた農産物の保蔵システム、X線からテラヘルツまでのマルチ分光と機械学習による野菜の品質計測、調理プロセスの科学的解析などの研究活動と、「農産物・食品の安全と安心のためのGAP・HACCP」、「エントロピーを指標とする生態圏循環」、「人権から辿るSDGs」などの教育活動が退職前数年間の主な仕事です。

現在は、農作物の生育環境指標としてのフェノロジー(生物季節学)を、地球生態系の変化指標としてのフェノロジー(季節学)に拡張し、地域住民による多様な季節データ収集のプロジェクトを考案中で、スマートフォンを用いた計測方法、収集データの解析方法と利用方法、など具体策について私が代表理事を務める一般社団法人ALFAEで検討しているところです。

今回のセミナーでは、退職後の活動を通して思考してきた、「データ駆動型アナログ社会におけるプラットフォーム型地域フードシステムの持続可能性」、「地球の生態系観測としての季節学」、「SDGsと人権」などのテーマを「窒素プロジェクト」との関連も視野に入れて、私の過去の研究とも関連させながら、思いつくままにお話ししたいと思います。

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