プログラム3セミナー
気候正義におけるグローバルな分配原理
- 日 時
- 2020年3月2日(月)13:30 - 15:00
- 場 所
- 総合地球環境学研究所 セミナー室 1・2 (⇒ アクセス)
- 主 催
- 実践プログラム3
- 報告者
- 宇佐美誠 教授(京都大学 大学院地球環境学堂)
- 概 要
- 気候変動への対策が国際社会のアジェンダに上った1990年頃以降、政治哲学・倫理学等において、気候正義(climate justice)の研究が急速に進展してきた。主要論点の1つは、地球全体で許容可能な温室効果ガス排出量の上限という制約の下、排出権をいかに分配するかである。もっとも、ゼロ・エミッションをめざす現行の国際的枠組みの下では、排出権という従来の定式を排出削減義務に変換する必要がある。主要な立場としては、近い過去の時点における排出量を基準とする過去準拠説、国を問わず平等な一人当たり排出量を提唱する平等排出説、基底的ニーズの充足に要する排出量までを承認する基底的ニーズ説が挙げられる。本報告では、各説をめぐる論争を振り返るとともに、新たな検討を加えることを通じて、気候正義での分配問題について考察する。
- 連絡先
- プログラム3 上田