- 日 時
- 2019年10月11日(金)13:30 - 15:00
- 場 所
- 総合地球環境学研究所 セミナー室 3・4 (⇒アクセス)
- 主 催
- 実践プログラム3
- 言 語
- 日本語
- 報告者
- 李秀澈(名城大学経済学部 教授)
- 連絡担当者
- 実践プログラム3 上田
本研究では、まず日本のこれまでの原子力政策を考察したうえ、福島第一原子力発電所事故前の規制制度と事故後の新規制基準が原子力リスクを格段に減らし、国民の信頼が得られるほどのものであるかについて検討する。そして、事故後世界的な規制基準の強化に伴い、国内外で原発の安全対策費が高騰し、国内での早期廃炉や海外での原発工事を取りやめる企業が増えつつある。世界的な規制強化傾向による原発の建設コストの上昇による、原発の経済性に関する検証も欠かせない。本研究では、高騰する原発の建設費用傾向の中で、原子力リスクから安全な社会に向かうためのこれからの規制制度の在り方と原発政策の方向性を提案する。
結論として、原発リスクから安全な社会に向かうためには、再生可能エネルギーを中心とした長期電源計画、原子力規制機関の独立性と透明性のさらなる向上、そして原発を民間から切り離し、公共が安全確保の責任を取ることである。そのためには、国は原発の将来ビジョンに対して明確にし、国民的議論を通して、原発を公共が担うべき正当性を確保する必要がある。