8つの条件 / 8 Components

エリアケイパビリティー8つの条件(要素)
- 地域資源の(再)発見と活用
- 資源活用のコミュニティー形成
- コミュニティーにおける生活の質の向上の実感
- 資源・環境への興味をはぐくむ
- ケアの重要性の認識強化
- ケア活動の進展
- 資源状態が上向
- 地域を活かす気持ちの芽生え
外部からの評価
⇒1~7による成功が地域の人びとの自信となり、また外部からqも評価されることで、活動が持続していきます。
私たちのプロジェクトでは、それぞれの地域の生態系の特徴と地域住民による生態系サービスの持続的利用に向けた取り組みを調べ、利用と保全のバランスを保つ仕組みをGood-Practiceとしてモデル化することに挑んでいます。そのモデルに沿った生態系サービス利用が展開するために必要な条件群を整理したのが「エリアケイパビリティー(Area-capability: AC)」です。
ACとは、人々が地域の環境的豊かさを能動的・主体的に高め、その環境が有する資源を用いて地域が質的に豊かになる能力のことです。地域社会は、本来その地域の人々が主体的・継続的に未来を築いていくべきだと私たちは考えます。これがままならない地域は、経済面と環境保全の面で複雑な問題を抱えることになります。ACは、地域社会と環境がよい関係性で結ばれ、その結果地域が持続的に発展していくために必要な要素(条件)といえます。
ACの考え方にそって地域開発(振興)をすすめるには、8つの条件(要素)が必要です。ここではその条件と、大事なポイント3つをご紹介します。
地域資源とは、地域の自然や文化と調和した、その土地独特の天然資源や文化です。温泉や観光資源はわかりやすい例ですが、考え方・見方を変えればどの地域にも必ず地域資源があるはずです。大切なのは、その資源を地域のコミュニティーで活用していくこと。特定のだれかが収益をあげるのではなく、その地域に地域資源を活用する新たなコミュニティーをつくれば、長期的な地域活性化が実現できます。
地域資源を末永く活用するには、資源を「管理」するのではなく、その資源とまわりの環境について考え、見守っていかなければいけません。このように資源や環境を気遣い、観察・手当することを、私たちは「ケア」と呼んでいます。ケアをすすめていくためには、地域資源や環境への興味と理解をはぐくみ、ケアが資源状態の向上へとつながることを、コミュニティーのみんなが実感することが必要です。
コミュニティー(地域住民)が活動を持続していくためには、専門家と行政がコミュニティーと協働していくことが重要です。外部からの客観的な検証・評価は、科学的にも信頼度の高いよりよい活動システムを作りあげていけるだけでなく、コミュニティーメンバーの自負の高まりにもつながります。