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第1回未来設計FS「化学的不均衡を乗り越えるために」研究会
「ペットのネコは化学物質のハイリスクアニマルか?」

時】

2014年7月29日(火) 13 : 30 - 15:00

場】

総合地球環境学研究所 講演室(矢印 アクセス

催】

総合地球環境学研究所 未来設計FS「環境問題認識システムの開発と新しい地球環境観の形成―「化学的不均衡」を乗り越えるために」

【講演者】

北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座 助教 水川葉月

2008年愛媛大学理学部生物地球圏科学科卒業。2010年愛媛大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。2013年愛媛大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。学位論文の題目は「陸棲哺乳類における有機ハロゲン代謝物の曝露実態解明、動態解析およびリスク評価に関する研究」。博士課程在籍中に、第20回および第21回環境化学討論会で最優秀学生賞を受賞、The 32nd International Symposium on Halogenated Persistent Organic Pollutants (DIOXIN 2012) でOTTO HUTZINGER Student Presentation Awardを受賞。2013年4月より現職。主な研究テーマとして「ペットのネコにおける有機ハロゲン代謝物の分析と代謝特性およびリスク評価に関する研究」に取り組んでいる。

【講演要旨】

残留性有機汚染物質として知られるポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)は、優れた難燃剤として家具や家電に大量に使用されてきました。その結果、(揮発したPBDEsによる)室内環境の汚染が深刻化しています。この汚染に被害を受けるのは人間だけではありません。近年、イエネコはPBDEsを蓄積しやすい動物であることがわかってきました。イエネコへの影響として、甲状腺機能亢進症の増加に対するPBDEs代謝物の関与が挙げられますが、ペットのイヌやネコはヒトの身近な動物であるにも関わらず、化学物質による汚染の実態はほとんど明らかにされていません。

今回の研究会では、ペットの血中代謝物の残留パターンを解析した結果を踏まえ、ハロゲン化代謝物がもたらすネコの健康リスクについて報告します。とくに、「餌やハウスダスト中に含まれる化学物質(ハロゲン化フェノール類など)の曝露による悪影響」、「イヌ・ネコにおける残留性有機汚染物質の水酸化代謝物の残留パターンと代謝機能は、生物種によって大きく異なること」、「餌から取り込んだ天然由来の化合物が代謝によって生体内で変化し、毒性を増すことによる健康リスクが懸念されること」などに焦点を当てます。

加】

無料

【参加申し込み/連絡先】

総合地球環境学研究所研究推進戦略センター基幹研究ハブ部門
松岡 e-mail