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第31回 「人と自然:環境思想セミナー」

農業が環境を破壊するとき―ユーラシア農耕史と環境」プロジェクト(略称:里プロジェクト)では、第31回「人と自然:環境思想セミナー」を下記の通り開催いたします。

  ふるってご参加ください。

詳細チラシはこちら (PDF)です。

テーマ vol.31 「味わいの零度」
話し手 : 諏訪綾子 (food creation 主宰)
聞き手 : 鞍田崇 (総合地球環境学研究所上級研究員)
日    時 2010年6月16日(水) 15:00〜17:00 (受付:14:00より)
場    所 総合地球環境学研究所 講演室 ( アクセス)
備  考 申込不要/聴講無料

■概要
「今もどこかでだれかが食べている。国籍も、文化も、関係なく、わたしたちは毎日食べている。食べずには生きていけないし、あたりまえの行為として、習慣として、時にはりきって、私たちは食べる。/私は食べものをつくっている。それは罠のようなもので、私はそこに置いて、陰からこっそり見ている。無理矢理だれかの口に食べものを押し込むことはしない。食べてとお願いすることもない。ただ、そこに置くだけ。/人は好奇心に満ちている。魅力的な人ほど、好奇心に溢れている。人は好奇心によって進化してきた。最初になまこを食べた人はえらい。最初にフグで命を落としたひとは、きっと素敵な人だったはず。/私は安全で美味しい食べ物に溢れたこの都市で、なまこやフグのような食べものを作る。栄養源でもエネルギー源でもない、グルメや美食でもない、食べもの。/見たこともないものはきっと素晴らしい。食べたことのないものは、きっと人を進化させる。」――諏訪綾子
いまフードアーティストの活躍が注目されています。なかでも、「胃までコンセプトを届ける」をテーマに “food creation”という独自の活動を行っている諏訪綾子さんは別格的存在です。
彼女が目指しているのは、表現としての「食」。多くのフードクリエイターが見た目と美味しさの2点に比重を置いているのに対し、“food creation”が重視するものは、シチュエイション。視覚的要素をきっかけとしながらも作り出そうとしているのは感覚的刺激であり、その人が「食べること」とどう関わっていくかという状況を提案しつづけています。
「味わう」という感覚が麻痺しかねないほど、情報的、物質的に食傷気味の現代。でも、もしかしたら私たちの味覚は単に眠っているだけなのかもしれません。意表をついたフードパフォーマンスで、忘れていた味覚、食べることのすばらしさを想起させてくれる諏訪さんのお仕事を拝見していて、ふと思いついたのが「味覚のゼロ点」という言葉でした。食を問題にするとはどういうことなのか、それが私たちの暮らしに とってどういう意味があるのか。food creation の活動、そのねらいをうかがいながら、味覚と日常の原点を考えていきます。
*諏訪さんの手になる作品をテイスティングいただきます(先着100名限定)。
■講師プロフィール
諏訪綾子 SUWA Ayako
1976年石川県生まれ。金沢美術工芸大学商業デザイン学科卒業。D&DEPARTMENT PROJECT のショップディレクション、ホテル・グランドハイアット東京勤務を経て、2006年より 胃までコンセプトを届ける“food creation”の活動をスタート。ケータリングによるフードパフォーマンスのほか、食べて感応するコミュニケーションアートも手がけ、新たな食の価値を提案している。近年の主な活動として、個展「食欲のデザイン展 感覚であじわう感情のテイスト」(金沢21世紀美術館、2008)、フードパフォーマンス「タイム・クレヴァス」(横浜トリエンナーレ、2008)、同「ALICE in the crystal forest」(スワロフスキー銀座、2009)、ゲリラレストラン「sensuous food, emotional taste, with Tears,」(福岡・VIORO、2009)、同「Taste of story」(福岡・三菱地所アルティアム、2010)など。“Asia on the Edge 2008”(シンガポール、2008)や“THROUGH THE LOOKING GLASS”(パリ、2009)に参加するなど、海外にも活動の場を展開している。
http://www.foodcreation.jp/
■アクセス
  • 京都市営地下鉄烏丸線「国際会館駅」バスターミナル2番乗り場から、京都バス40系統(京都産業大学ゆき)もしくは50系統(市原ゆき)にて「地球研前」下車スグ(所要時間:約10分)。
  • 叡山電車「京都精華大前」もしくは「二軒茶屋」下車、徒歩10分。
  • 自家用車のご利用はご遠慮ください。
■「人と自然:環境思想セミナー」について
情報化、都市化が進む現代社会では、自然との関わりはもちろん、そもそも自然を感受する感性そのものが失われかねません。それと連動してのことでしょうか、便利になればなるほど、日々の暮らしからはリアリティが希薄になっていくような気すらします。そんな中、さまざまなジャンルで、新しいまなざしをもって自然からの触発をベースとして活躍する人たちがいます。そんな方々の現在進行形の「思い」を手がかりに、いま求められている自然との関わりの姿を探っていくのが、このセミナーの目的です。わたしたちが特に注目しているのは、日常と感性の力です。日々の生活の中で素朴に感じていることという視点を共有しながら、参加者のみなさんといっしょに等身大の環境問題の意味を吟味していきたいと考えています。
■次回予告
vol.32 「暮らしに寄り添う」
2010.07.21. wed.  講師 : 三谷龍二氏 (木工デザイナー)
【お問い合わせ先】
鞍田 崇(地球研・上級研究員、環境思想セミナー担当)
〒603-8047  京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所
TEL:075-707-2382  FAX:075-707-2508
Email:
人と自然:環境思想セミナーのホームページ

 

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