プレシンポジウム(第1ステージ)開催報告

会 議 名 総合地球環境学研究所プレ国際シンポジウム
ハーヴァード大学・地球研共同円卓会議
『中央・南アジアにおける民族生成』
開 催 日 2005年6月6日(月)〜2005年6月8日(水)
開催場所 ぱるるプラザ京都
主催・共催 総合地球環境学研究所
ハーヴァード大学インド学サンスクリット学科
開催責任者 長田俊樹、佐藤洋一郎、ミヒャエルヴィッツェル
予稿集・報告集
(一冊添付)
 
招待参加者 カラクワル(JRNラージャスターン大学)
ケノイヤー(ウィスコンシン大学)
ファーマー(パロ・アルト)
ムガル(ボストン大学)
イーサン・アリ(ペシャワール大学)
ジョグレカル(デッカン・カレッジ)
パルポラ(ヘルシンキ大学)
ピーター・ベルウッド(オーストラリア国立大学)
趙志軍(中国社会科学院)
ピーター・マシウス(国立民族学博物館)
サウスワース(ペンシルヴァニア大学)
フラー(ロンドン大学)
篠田謙一(国立科学博物館)
アンダーヒル(スタンフォード大学)
斉藤成也(国立遺伝研究所)
マーク・ハドソン(筑波大学)
金鋒(中国科学院心理研究所及び遺伝与発育生物学研究所)
ヴィレムス(エストニア・タルトゥ大学)
吉田敦彦(学習院大学)
アレン(オックスフォード大学)
後藤敏文(東北大学)
ビンスベルヘン(ライデン大学)
ニック・エヴァンス(ケルン大学)
内  容 今回のプレシンポはハーヴァード大学との共同開催という新しい試みで、世界各地から一流の研究者が出席して行われた。今回の目玉としては、Science誌上で取り上げられた二つのトピックについて、第一線で活躍する研究者たちが一堂に会して議論をかわしたことである。一つはインダス文字をめぐり、単なる紋章のような記号にすぎないという学説が去年12月のScience誌上に掲載されたが、その記事後はじめて、記号派と文字派の主だった研究者がプレシンポに出席し、議論を戦わせた。もう一つは、いかに人類が農耕をはじめたのかというテーマで、Science誌上をにぎわせたオーストラリア国立大学のピーター・ベルウッド教授が参加され、農耕の起源をめぐる議論も活発に行われた。なお、ベルウッド教授の最新刊“First Farmer”を日本語に訳し、地球研ライブラリーの一冊として刊行することを提案したところ、ベルウッド教授から快諾を得たので、現在出版に向けて出版社と交渉中である。 インダス文字や農耕の起源といった問題だけではなく、遺伝学や比較神話学についても議論がなされた。とくに、DNA遺伝学の分野ではスタンフォード大学のアンダーヒル教授とエストニア科学院長のヴィレムス教授によって、DNA分析による人類の拡散経路が披露されたが、これらの研究成果は最新のデータで、本プレシンポで初公開であった。研究の最前線によって、しかもそれが日本で議論されるという画期的な試みで、今回のプレシンポは刺激的かつ建設的な議論が展開され有意義なものであったと、参加者からの評判もよく大成功だったといえるだろう。
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