2024.11.01
公募
2025(令和7)年度 総合地球環境学研究所 実践プロジェクト 予備研究(FS)の公募について
総合地球環境学研究所では、2025(令和7)年度に開始する予備研究(FS)の公募を実施します。
応募をご検討されている方は、公募要領を必ずお読みください。また、8に記載の公募説明会に必ずご参加ください。
1.総合地球環境学研究所のビジョンとミッション
総合地球環境学研究所(以下「地球研」といいます。)は、2001(平成13)年に創設された地球環境学の総合的研究を推進する大学共同利用機関です。
地球研は設立当初から「地球環境問題の根源はことばの最も広い意味における人間の『文化』の問題である」と位置づけ、文理融合を中心とした「学際研究」や、研究者と社会の直接の連携に根ざした「超学際研究*」を特色とする、多様な研究プロジェクトを通して、課題解決型の研究に取り組んできました。
*超学際研究とは、研究者のコミュニティが、研究者以外の社会の様々な関係者(ステークホルダー)と連携・協働して、新たな価値の創出を行う研究を指し、ステークホルダーの特定から、協働のための企画作り、共同研究の実施、研究成果の発信や社会での実装まで、さまざまな過程から成ります。
地球研は現在、下記のようなビジョンとミッションを掲げ、地球環境問題の解決への貢献を目指した研究活動を進めています。
【ビジョン】
地域から地球スケールでの人と自然の関係のあるべき姿を描き、平等かつ公平で未来可能な地球社会の実現を目指します。
【ミッション】
大学共同利用機関として、大学単独ではできない研究基盤の提供を通して、人文学・社会科学・自然科学の文理融合による学際研究に加え、社会と連携・協働した超学際研究により、人と自然の相互作用環の根源的かつ包括的理解と地球環境問題の解決に向けた実践を目指す「総合地球環境学」を先導します。
2.プログラムープロジェクト制
地球研では、上記ビジョンとミッションの達成に向けた研究活動の総合的な展開を図るため、多様な研究活動を既存の学問分野や領域を超えて束ねるプログラムの下で、複数の研究プロジェクトやその準備研究をつなぐ「プログラム-プロジェクト制」により研究を実施しています。
2022(令和4)年度から開始した6年間の第4期中期目標・中期計画期間に実施する3つのプログラムは、探求する研究テーマに以下3つの観点を含み、課題達成のために明確なミッションを策定し、それに基づいた研究プロジェクトを公募・実施します。
1.地球システム的視点による環境変化の理解と劣化への対応を探究する観点
2.環境問題を文化・価値体系とのつながりから把握することを通して、人新世における「生き方」を探求する観点
3.地球環境問題の解決に向けた方策や思考を、社会の多様なアクターと協働して探求し、その解決法を実現する仕組みを提示する観点
各研究プロジェクトは特定のプログラムに所属しますが、研究内容が広範なため、すべてのプログラムと密接かつ有機的に連携する体制を構築しており、地球研のリソースを十分に活用いただけます。
地球研の研究プロジェクトは、異なる分野の研究者が社会と協働して研究を行い、その過程で内部審査と外部評価を経ながら、研究内容を深化させ、練り上げていくシステムに特徴があります。
インキュベーション研究(IS)、予備研究(FS)、フルリサーチ(FR)の段階があり、FRの前には準備期間としてプレリサーチ(PR)を実施することができます。最終段階であるFR(PRを含む)に到達すると、研究プロジェクトのリーダーは地球研への完全移籍、またはクロスアポイントメント制度の適用により、地球研で教授または准教授として雇用されることが条件となります。これは、地球研の研究の核である研究プロジェクトが、地球研という「場」で分野を超えた研究を行うことによって、新たな発想を生み出すことを目指すものだからです。
FRでは、大学、研究機関、企業、地方公共団体等と連携して研究グループを形成し、その際、地球研の持つ様々なリソースを活用していただくことができます。最終的な研究成果は、地球環境問題の解決に向けた学術的研究の実施と社会における協働実践を通じて、人々の意識・価値観や社会の具体的なあり方の転換などの選択肢を構築・提示することが求められます。
研究プロジェクトは必ず異なる分野の研究者とともに構成される必要があります。研究プロジェクトに求められる基準については、「研究プロジェクト等実施細則」別表第1「審査基準」をご参照ください。
今年度の公募はFSから開始する提案が対象となります。
※2026(令和8)年度はIS・FSからFRに至る研究プロジェクトは公募いたしません。ただし、単年度の共同研究会(案)を公募いたします。
【3つの実践プログラム】
プログラム名 | プログラムディレクター | 公募予定時期 |
---|---|---|
科学と在来知との接合による総合的な環境文化の創成プログラム | 松田 素二 | 2022年度開始分(IS・FS) 2023年度開始分(FSのみ) ※このプログラムの公募は終了しました。 |
土地利用の根源的な革新による地球環境問題解決に向けた知の集約プログラム | 荘林 幹太郎 | 2023年度開始分(IS・FS) 2024年度開始分(FSのみ) ※このプログラムの公募は終了しました。 |
地球人間システムの連環に基づく未来社会の共創プログラム | 谷口 真人 | 2024年度開始分(IS・FS) 2025年度開始分(FSのみ) |
3.研究プロジェクトの段階
研究段階 | 概要 |
---|---|
予備研究(FS) 【1年間】 |
FRとしての実行可能性を検証するために行う予備的な共同研究で、予算規模は、1年間400万円が限度額になります。FS段階では、研究代表者は、地球研の客員教員になっていただく必要があります(代表者が地球研所属の場合は、専任の研究教育職員となる人事審査があります)。 採択後、地球研の内部審査(例年11月下旬開催)及び国内外の外部評価委員で構成される研究プログラム評価委員会(例年2月開催)による評価を踏まえ、プロジェクト等選考委員会による採択、地球研運営会議の承認を経て、早ければ2026(令和8)年4月1日からFRに進むことができます。 |
プレリサーチ(PR) 【1年以内】 |
FRへの移行が決定された後、1年以内の準備期間をおくことができます。予算規模は、1年間1,600万円(1年に満たない場合は月割りで減額)が限度額になります。この期間は、プロジェクトを実施する研究員の公募等、FR開始時からスムーズに研究開始できるように様々な準備を進めていただきます。 地球研への異動やクロスアポイントメント等の手続きが完了し、地球研で教授又は准教授として雇用されることが、PR開始の条件となります。 |
フルリサーチ(FR) 【3~5年間】 |
研究期間は年単位で3~5年間、予算上限は5,000万円/年と3,000万円/年の二種類があり、FR移行の審査までは相互変更が可能です。研究期間と予算上限は研究テーマの性格や文理融合・連携の方法の多様性を尊重するために設けられたもので、プロジェクトの重要性の違いを表したものではありません。 ・FR年間予算は上限5,000万円/5年間で2億5千万円上限 ・FR年間予算は上限3,000万円/5年間で1億5千万円上限 |
すべての段階において予算管理は地球研で行います。また、各段階に示している予算額は運営費交付金として配架される予算額に応じて変更となる場合もあります。あらかじめご承知おきください。
4.公募の対象となるプログラム
研究プロジェクトの公募は、地球研のミッション及びプログラムのミッションステートメントに基づき行います。今回は下記のプログラムでの公募となりますので、別添のミッションステートメントが示す方向性を理解の上、研究の内容がその方向性と合致もしくは部分的に関係することが要請されます。
公募するプログラム | 研究内容の概要 |
---|---|
地球人間システムの連環に基づく未来社会の共創プログラム 【地球人間システムの共創プログラム】 (谷口 真人 プログラムディレクター) |
複合的な地球環境問題を構成する、地球人間システムに存在する様々な閾値と連環を明らかにする。人の生き方や価値と人々の行動及び社会の変容を促すコミュニケーションと、地域と地球をつなぐマルチスケールの社会デザインの共創を通して、持続可能な未来に向けた人と自然の関係性の変容を目指す。 |
・地球人間システムの連環に基づく未来社会の共創プログラムミッションステートメント
※プログラムが求める研究内容等についてのご質問やご相談は、直接プログラムディレクターにお問い合わせください。事務的な問合せは末尾記載の問合せ先までお願いいたします。
プログラムディレクター・谷口 真人 教授・連絡先: makoto[at]chikyu.ac.jp
※[at]を@に変換してください。
5.2024(令和6)年度開始分公募の特徴
今回は、「地球人間システムの連環に基づく未来社会の共創」プログラムの2年目公募となります。
2年目公募:地球人間システムの連環に基づく未来社会の共創プログラム(谷口プログラムディレクター)
2年目公募では、プログラム期間の制約上、ISから開始する研究提案の公募はなく、FSから開始する研究提案のみ公募を行います。FS段階からの研究提案は開始後約半年でFR移行の内部審査を受ける必要があるため、プログラムの内容を十分に理解いただいている必要があります。
採択された場合、4月からFSを開始し、11月末にはFR移行の内部審査を受けていただきます。内部審査で採択され、年明けの外部評価を経て所内の選考で採択されると、翌4月からFRを開始できます。
※プレリサーチ(PR)を実施しない場合
6.プロジェクトリーダーの人事手続きについて
地球研の研究プロジェクトとして採択された場合、プロジェクトリーダーは地球研への完全移籍、またはクロスアポイントメント制度の適用により、地球研で教授または准教授として雇用されることが条件となります。いずれの場合も、地球研と研究代表者の所属機関との間で採用等の人事上の手続きについて十分に協議を行い、必要に応じて連携協定または覚書等に定めるものとします。
クロスアポイントメント制度を利用することを予定される場合は、FSからFRへの移行のための11月の内部審査(研究審査・報告会)までに、所属機関と協議のうえ、地球研の業務に対するエフォート率を提示していただきます。地球研では、可能な限り地球研の業務に専念していただくという考え方のもと、クロスアポイントメント制度を利用した場合の地球研業務(所内会議等への参加を含む。)のエフォート率は70%以上とすることを方針としています。
なお、FS開始からFR終了までの全期間を通じ、研究代表者は責任者としての責務を負えることを前提としております。そのため、研究実施期間において研究代表者の途中交代は想定しておりません。
7.公募の手続きについて
公募要領をお読みいただき、以下の提出期限までに必要書類をご提出ください。
・2025(令和7)年度 総合地球環境学研究所実践プロジェクト 予備研究(FS)公募要領
Ⅰ.提出書類 | ・様式1-7aまたは1-7b 2025(令和6)年度 実践プロジェクト・予備研究(実践FS)申請書 様式1-7a(word/pdf) 様式1-7b(word/pdf) (7aは所外申請者用、7bは所内申請者用です。) ・様式1-8 2025(令和6)年度 実践FS研究計画書(word/pdf) ・申請者履歴書(word/pdf) ・参考意見を伺える方2名の氏名及び連絡先(「Ⅳ.申請資格」の2)に該当する方のみ) |
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Ⅱ.提出期限 | 2025(令和7)年1月20日(月) 午前10時必着(日本時間) ・様式1-7は公印押印済みの用紙をスキャンし、電子メールの添付ファイルとしてPDF形式で提出してください。原紙の郵送は不要です。 ・応募時の電子メールの件名は「【2025年度 FS公募】所属機関名・氏名」としてください。 ・電子メール受信後に受領確認のメールを返送しますが、万一、1月22日(水)13時までに受信確認メールが届かない場合は、お問い合わせ願います。 |
Ⅲ.提出先 | (電子メール) opencall[at]chikyu.ac.jp [at]を@に変換してください。 (郵送又は持参)〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4 総合地球環境学研究所 管理部研究支援課研究企画係 |
Ⅳ.申請資格 | 1) 国、公、私立大学等の教授、准教授、講師及び助教 2) 上記1)に準じる者(この場合、応募者について意見を述べられる方2名の氏名と電話及びEmailアドレスを必要とします) 3) FR開始年度(見込を含む。)の前年度3月31日時点で満65歳に達していない者 ※人間文化研究機構では65歳を定年年齢と定めているため、定年に達した日以後における最初の3月31日が退職日となり、翌年度以降の雇用継続はありません。FR開始年度の前年度3月31日時点で65歳に達している場合、FR開始年度に雇用契約を締結できないため、FRのプロジェクトリーダーとなることはできません。なお、FR開始後に定年退職を迎える可能性がある場合の対応の詳細については公募説明会でご説明します。 |
Ⅴ.研究期間 | 2025(令和7)年4月~2026(令和8)年3月末 |
Ⅵ.所要経費 | 旅費及び消耗品費等について、予算の範囲内において地球研が負担します。400万円以内で予算計画を立ててください。なお、FS期間中、単価10万円以上で、耐用年数が1年を超える物品の購入はできません。 |
8.公募説明会
地球研の研究や公募するプログラムの説明、公募の事務的な質疑応答等を目的とした、教職員向けの説明会をZoomにより開催いたします。応募をご検討の方は必ずご出席いただきますようお願いいたします。参加希望の方に詳細をお知らせしますので、所属と氏名を明記のうえ、研究支援課研究企画係のメールアドレス(opencall[at]chikyu.ac.jp)までご連絡ください。
【第1日程】:2024(令和6)年11月13日(水)10:00-11:30
【第2日程】:2024(令和6)年12月18日(水)16:00-17:30
※両日程ともに内容は同一です。
※この日時でご都合がつかない場合は、個別に対応いたしますのでお問合せください。
公募説明会の質疑応答集について掲載しております。(2024(令和6)年11月18日(月)更新)
・総合地球環境学研究所 2025(令和7)年度開始分実践プロジェクト 予備研究(FS)公募説明会質疑応答集
9.審査と採択後の流れ
まず書類にて審査を行い、書類審査を通過した課題については、地球研所員参加による発表会を経て、プロジェクト等選考委員会において総合的な審査を行います。
なお、地球研が研究プロジェクトの評価・採択にあたって重視するのは、1)研究の範囲とその重要性 2)研究提案の妥当性 3)適切なプロジェクト設計 の3点です。
1) においては、明確な背景・課題のもとに、既存の研究を踏まえた上で独創性のある研究を求めています。地球研の研究プロジェクトはすべて国際共同研究ですが、これは単に海外の研究調査地で研究を行うことを意味するわけではなく、国際的な視野と普及の可能性を前提とした研究であることが求められます。また、専門分野の領域にとどまらず、研究課題や概念において多様な分野の観点が統合されている必要があります。
2) においては、プロジェクトリーダーの学術的な背景だけではなく、社会との連携やマネジメント能力を有していることや、研究目的の達成に向けて適切な方法論を適用することが求められます。
3) においては、研究目的および人的・物的資源や予算を含めて、プロジェクトが適切な構造となっていることが求められます。
FSに採択後、2025(令和7)年11月末の内部審査(研究審査・報告会)においてFSの報告とFR移行計画を発表していただき、プロジェクト等選考委員会の審査を経て、2026(令和8)年2月開催の外部評価(研究プログラム評価委員会)に進むことになります。地球研では、将来的にFRを実施する前提で準備研究の採択と研究プロジェクト形成を実施するため、すべてのFSはFR移行審査を受けることになります。
公募後のスケジュールは以下を予定しています。なお、現時点での予定のため変更となる可能性がありますことご了承ください。
公募説明会 |
2024(令和6)年11月13日(水)10:00-11:30 2024(令和6)年12月18日(水)16:00-17:30 |
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書類締切 |
2025(令和7)年1月20日(月) |
書類審査結果通知 |
2025(令和7)年2月上旬 |
研究内容発表会 (於:地球研) |
2025(令和7)年2月18日(火) (予備日※)2月19(水) 書類審査を通過した提案の発表審査を行います。 |
研究開始 |
2025(令和7)年4月1日 |
研究審査・報告会 (於:京都市内) |
2025(令和7)年11月25日(火)~27日(木) |
研究プログラム評価委員会 (於:地球研) |
2026(令和8)年 2月3日(火)~5日(木) 研究審査・報告会の内部審査を通過した提案の発表審査を行います。 |
※予備日とは、応募多数等の理由により当初予定日に審査を終了できない場合等のための振替日等のことです。申請者が指定するという趣旨のものではありません。
10.留意事項
- 提出書類は、使用言語が指定されている部分はその言語で、指定されていない部分は日本語または英語で記載してください。
- 書類審査通過後の発表会での使用言語は日本語または英語とし、参加する際の旅費は申請者の負担とします。
- 研究審査・報告会での使用言語は、日本語または英語ですが、研究プログラム評価委員会での使用言語は、英語とします。
- 発表会、研究審査・報告会、研究プログラム評価委員会での発表は、原則、各発表会場で行うこととします。
11.参考資料
・地球研の理念と達成目標
・総合地球環境学研究所要覧
・総合地球環境学研究所研究プログラム-プロジェクト規則
・総合地球環境学研究所研究プロジェクト等実施細則
・総合地球環境学研究所研究教育職員の任期に関する規則
・大学共同利用機関法人人間文化研究機構プロジェクト研究員規程
問い合わせ先
管理部研究支援課研究企画係
Tel:075-707-2148
E-mail:opencall[at]chikyu.ac.jp
[at]を@に変換してください。