戦略プログラム
知の共創プロジェクト
共創を育む手法と技法:環境問題の解決に向けたTD研究のための実践的フレームワーク
プロジェクト概要
地球環境問題に対処するためには、研究者とともに、問題に関わるすべての人たちが一緒になって考え、話し合い、行動する「共創」が求められます。国際的には、異なる学問分野の間の壁や、研究者とそれ以外の人たちの間の垣根を取り払うという意味を持つ、「トランスディシプリナリー(TD・超学際)手法」という言葉が、1970年代から使われてきました。TD手法を使った研究は、近年Future Earth等の国際的な研究プログラムで推進され、その事例数も急増しています。
しかし、共創には多くの困難が伴います。研究者は、自分と異なる分野の研究者や研究者以外の人たちとの協働に慣れていません。また、研究者以外の人たちも、業種や地域の異なる人たちといっしょに活動する機会は、それほど多くないでしょう。このため、共創プロジェクトの参加者は、試行錯誤しながら実践に取り組んでいるのが実態です。そこで、本研究では、これまでの共創プロジェクトの実践を振り返り、その経験から学んだ教訓を明らかにし、体系化することで、今後の共創プロジェクトの実践に役立つ手法や技法をフレームワークとして提示します。
本プロジェクトでは、まず、TD研究の世界各地の事例を集め、どのような課題を対象として、どのような取り組みがなされ、その結果どのような成果が生み出されてきたかを分析し、状況に合わせた効果的な共創の在り方を明らかにします。
また、共創プロジェクトの参加者の経験談を体系化し、実践で使える『心得集』を作成します。その一方で、共創によって地域社会や市民感覚がどう変化したかを調査し、共創が社会に与えるインパクトを明らかにします。
これらの成果を研修・教育・インターネットを介して幅広く共有することで、環境問題の解決に向けた共創の取り組みをサポートしていきたいと考えています。
研究の進捗状況
新しい成果
TD研究と、類似の概念であるアクションリサーチ、マルチステークホルダー・パートナーシップ、共創などの概念を対象に、歴史的変遷や特徴を整理しました。また、地球研や外部の大学・研究所の研究者と連携して、共創の手法やツールを集めました。共創に関する情報共有のためのプラットフォームとして、ウェブサイトを構築し、公開しました。
メンバー
プロジェクトリーダー
大西 有子
総合地球環境学研究所 助教
研究員
LAMBINO, Ria(特任准教授)
KOO Bonjun(研究員)
主なメンバー
菊池 直樹(金沢大学地域政策研究センター)
西村 武司(山陽学園大学地域マネジメント学部)
王 智弘
RAMPISELA, Agnes(Hasanuddin University, Faculty of Agriculture)
GASPARATOS, Alexandros(東京大学未来ビジョン研究センター)
Cyrille, Rigolot(Institut National de la Recherche Agronomique)
Roger Baars(京都大学地球環境学堂)
外部評価委員による評価(英語)
研究スケジュール
2019年度 (令和1) |
2020年度 (令和2) |
2021年度 (令和3) |
2022年度 (令和4) |
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FS | FR1 | FR2 | FR3 |