WONG, Grace

総合地球環境学研究所准教授/Stockholm Resilience Centre, Stockholm University

担当

社会生態システム転換における衡平性:熱帯森林フロンティアの政治・権力・不確実性

役職・肩書

総合地球環境学研究所准教授/Stockholm Resilience Centre, Stockholm University

専門分野

森林・天然資源経済学、持続可能な開発

経歴

専門は天然資源経済。過去20年間の研究は、土地開発と環境保護プロセスの狭間において、変化する熱帯環境の社会的、専門は資源経済学。熱帯南半球における森林保全、開発、気候変動ガバナンスについて20年以上の研究経験があり、東南アジア及びサブサハラ・アフリカで幅広く活動しています。現在は、政治・権力・衡平性の問題に特に焦点を当てながら、地域のウェルビーイングと生態系サービスにおけるグローバルとローカルの相互作用について研究しています。

Q&A

地球研ではどんな研究をしていますか?
南半球の熱帯地域では、多様な焼畑農法や小自作農がほとんどだった森林と農業のフロンティアが急速に均質的な景観の商業農地に転換されています。農業、休耕地、森林のモザイクからなるこれらのフロンティアは、複数の生態系サービスを提供し、社会的・文化的・生活的ニーズを支えており、先住民族コミュニティや地域住民が土地や資源に対する伝統的権利を有する地域でもあります。土地利用の激化は、しばしば「持続可能な開発」や進歩として追求されますが、社会的にも生態系にも期待されるような成果をもたらさないことが多いです。こういった森林・農業のフロンティアに住む先住民族や小規模農家はさまざまな開発に関わり、適応し、抵抗してきましたが、地元の権力者や国家、外部の投資家の利益の犠牲の上に、自分たちや自分たちの慣習上の権利が疎外されていることに常に直面しています。こうした状況は、森林や土地利用をめぐる政治、制度、権力構造の複雑さを反映しています。

このプロジェクトでは、学際的・超学際的なアプローチを用いて、森林と土地のガバナンスの歴史、政策、政治を批評的に検証し、フィールド調査を実施して、各国の調査地におけるウェルビーイングと生態系サービスの相互連関を検証しています。「森林と農地の境界(フロンティア)は誰の権益で変化し、誰が利益を得て、誰が不利益を被るのか」、「生態系においても持続可能で、社会的に衡平な結果をもたらすことができる政策の選択肢にはどのようなものがあるのか」を問いかけていきます。

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