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研究体制

プロジェクトの目的を達成するため、下記の4つのテーマで統合的レジリアンス研究へと導きます。

テーマI 環境変動下での人間活動と生態レジリアンス

環境変動下における生態レジリアンスと人間活動の相互作用を明らかにする。生態レジリアンスの構成要件,許容量および遷移を評価するため,比較的安定な状態にある生態系が拓かれ農耕地へと転換される途上で起こりうる土壌の劣化,肥沃度メカニズムの質的変化などを時空間変動の観点から追跡する。立地条件,土地利用とその履歴,遷移段階などが異なる農耕地生態系の比較から,生態レジリアンスが人間活動に与える影響を明らかにする。

テーマII 不確実な環境に対する世帯とコミュニティーの対応

農村世帯が不規則な降雨に対して取る戦略を調査する。まず圃場レベルで降雨量の空間・時間分布を測定する。次に旱魃に対処するための世帯の資産状況を調査する。降雨量の変動に対してどの様に作物シーズンの前,途中,後に対処しているのかを分析し,最後に世帯のレジリアンスをリスク管理能力と対処行動の効果によって評価する。

テーマIII 脆弱性増大のポリティカル・エコロジーとレジリアンス

社会的レジリアンスの制度的側面に注目する。社会的レジリアンスは社会・政治・経済の変化のみならず,生態的変遷によって変化する。変化は空間・時間の複数スケールで同時に起こるので,社会的レジリアンスを理解するためにはまず脆弱性増大のプロセスと緩和プロセスを同時に理解することが必要である

テーマIV 社会-生態システムに対する統合解析

生態システムの変遷とそれに影響を与える社会システムについて統合的かつ包括的な調査を行い、生態システムの脆弱性・レジリアンスと人間活動の相互作用について明らかにする。生態システムの脆弱性がもっとも顕著に現れる「旱魃」を取り上げ、気候・気象的要因と実際の旱魃被害状況について把握するとともに、旱魃によって起こる食料危機に対する早期警戒システムの果たす役割、さらにはこれが人間活動に与える影響について検討する。
最終更新日: 2013-02-01 17:14 JST Jump to Top Page Top