この度、アメリカ・プリンストン大学の真鍋淑郎先生がノーベル物理学賞を受賞されました。真鍋先生は、大気と海洋の循環を考慮した気候変動の総合モデルを開発し、地球温暖化の予測に関する研究を続けたパイオニアとしての業績が評価されました。真鍋先生は、KYOTO地球環境殿堂の第1回受賞者でもあり、地球研においても講演をお願いするなど、当研究所とも関わりのある研究者です。その功績は温暖化等の地球環境問題に大きな貢献を果たした大変素晴らしいものであり、この度の受賞につきまして、心からお喜び申し上げるとともに、長年に渡る研究活動に敬意を表します。真鍋先生の研究成果とご教訓を肝に銘じ、地球研は気候変動を始めとした環境問題に力強く取り組んでまいります。
真鍋先生、この度の受賞、おめでとうございます。
令和3年10月6日
総合地球環境学研究所 所長 山極 壽一
真鍋先生と地球研との関わり
地球研は、京都府、京都市、京都商工会議所、国際高等研究所、国立京都国際会館とともに、世界で地球環境の保全に多大な貢献をされた方々の功績を讃え、永く後世に伝えるために、2010年、KYOTO地球環境の殿堂を創設しました。その第1回の殿堂入り者が、ノーベル平和賞を受賞された環境保全活動家ワンガリ・マータイさん、「環境と開発に関する世界委員会」の委員長であったグロ・ハルレム・ブルントラントさん、そして真鍋淑郎先生でした。世界初の大気・海洋・陸面過程結合モデルを開発し、温暖化の予測に多大な貢献をされた真鍋先生は、地球環境学の先達です。
第1回「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式の様子
(「KYOTO地球環境の殿堂」運営協議会 提供)