Newsletter Aakash No.4

オハイオ州立大Rattan Lal教授からのメッセージ

Aakashプロジェクトのアドバイザリーボードの一人で、2019年の日本国際賞(主催・国際科学技術財団)受賞者のRattan Lal教授から、Aakash projectに激励のメッセージをいただきました。メンバー一同、COVID-19感染拡大の中にあっても初心を忘れず、研究に邁進して参ります。

Dear Prof. Sachiko Hayashida and Aakash members,

It was my great pleasure to meet you in September 2019 in Kyoto and to discuss your new project. I am very pleased to learn about the excellent work being done and also the progress that you have made in Punjab, India. The interdisciplinary and integrated approach embraced by your group, covering agricultural science, economics, remote sensing, and public health that encompasses universities, research institutes, NGOs, and civic societies, provides an excellent role model for Asia and the world.

I wish you the best during the difficult circumstances of the COVID-19 pandemic these past months, and I do hope your group will overcome any challenges facing you through the strong ties built through international collaboration between India and Japan.

I look forward to witnessing the paradigm shift toward a new sustainable era to which you are making a valuable and important contribution. I hope that we may continue our correspondence in the coming year.

Sincerely,
 Rattan Lal

(日本語訳)
林田佐智子教授とAakashプロジェクトのみなさんへ

2019年9月に京都で皆さんとお目にかかり、新しいプロジェクトについて議論することができてとても光栄でした。インド・パンジャーブ地方で皆さんが取り組んできた、そしてこれから発展してゆくであろう素晴らしい仕事について知り、とてもうれしく思います。農学、経済学、リモートセンシング、公衆衛生学を含み、複数の大学・研究機関、NGO、市民団体を巻き込んだ、皆さんのグループによる学際的で統合的なアプローチは、アジアと世界に対する素晴らしいロールモデルとなることでしょう。

ここ数か月のCOVID-19パンデミックによる困難な環境の中でも、皆さんがベストを尽くせることを願ってやみません。そして、インドと日本の国際協力を通じて築かれた絆によって、皆さんが直面している多くの試練を克服できると信じています。

新しい持続可能な時代への転換点に、皆さんが有益で重要な貢献をしているところに立ち会えるのを楽しみにしています。今後も引き続き、皆さんと交流を続けていきたいと思っています。

ラタン・ラル

ラタン・ラル博士プロフィールと研究内容

日本国際賞授賞式でのラタン・ラル博士(2019年4月、国際科学技術財団ホームページより)

日本国際賞授賞式でのラタン・ラル博士(2019年4月、国際科学技術財団ホームページより)

1944年9月5日インドで生まれる。パンジャブ農業大学を卒業し、インド農業科学研究所で修士号を得た。その後渡米し、米オハイオ州立大学で博士号を取得。1970年にナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)で土壌の浸食をテーマに研究を始めた。当時、アフリカのサブサハラ地域では森林伐採や耕作に重機が使用されたことなどから土壌が劣化し、雨や風で浸食が起こりやすく作物が十分に生育しない状況だった。こうした事態を受けて土壌浸食が起こる条件や土壌有機物が失われるメカニズムなどを明らかにした。また土壌浸食を防ぐとともに生物生産を安定化する方法として「不耕起栽培法」を考案し、母国インドのほか、ブラジル、オーストラリアなど世界各地でこの方法の普及に努めた。1987年にオハイオ大学の教授に就任。このころから土壌と地球環境問題の関係についての研究を進め、食糧生産と地球保全の両立のためには土壌の適切な管理が重要であることを明らかにした。専門は土壌物理学。現在、オハイオ州立大学特別栄誉教授/炭素管理・隔離センターセンター長。(日本国際賞受賞インタビューhttps://scienceportal.jst.go.jp/columns/interview/20190423_01.html より引用)

2019年に日本国際賞受賞、2020年にはWorld Food Prizeを受賞している。

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