【開催報告】2018年度地球研オープンハウス

2018年7月27日(金)に「2018年度地球研オープンハウス」を開催しました。地球研オープンハウスは、地球研の研究活動を広く地域の方々に知っていただくことを目的に、2011年度より年に1回開催しており、今回は8回目となりました。

当日は猛暑にもかかわらず900名の来場者があり、いつもは静かな研究所に元気な子どもたちの声があふれ、また多くの近隣住民の皆さまをむかえることができ大盛況となりました。

オープンハウスでは、地球研という研究所が一体何をしているところなのか、そして私たちの研究活動が、皆さまの身近な自然や生態、環境問題ともかかわっているということ理解してもらえることを目指してイベントを企画しました。

【プロジェクトブース】

それぞれの研究プロジェクトの内容をわかりやすく紹介する「プロジェクト研究室を訪問!」では、研究調査地の紹介や、実際の研究方法を体験できるコーナーを設けました。

京都市内のハザードマップをパズル形式で作成していくコーナーや、川の中にいる小さな生き物を探して観察するコーナー、葉っぱの葉肉を落としスケスケにして色を付けて栞を作るコーナーや、水の電気伝導率やろ過体験のコーナーなど身近な自然環境に関するものから、ブルキナファソの農村で使われているトイレの模型展示や、インドネシアの民芸品展示や民族衣装の試着など、世界の調査地を知ってもらうコーナーまで工夫の凝らしたブースがたくさんあり、皆さん興味深そうに見たり聞いたり触れたりして、楽しんでもらうことができました。

そして各プロジェクトブースでヒントを得ながら謎解きを行う「クイズラリー」も同時に行い、景品を求めて一生懸命クイズに挑戦してくれました。


【実験室ツアー】

普段は入ることができない実験施設へのツアー「超納涼!-30℃体験」では、南極と同じ環境でアイスコアや魚、動物など研究試料が保管されている冷凍庫に入り、外気との気温差60度を体感してもらいました。皆さん冷凍庫入った瞬間に「寒すぎる!」「痛い!」など歓声をあげていました。


【ミニレクチャー】

社会人の方々を対象にした地球研の研究者によるミニレクチャー「世界の地球環境研究最前線!」では、「フューチャーアース」や「生物多様性が減ると困るのはなぜ?」「エコヘルスからみた健康って?」の3つのレクチャーを行いました。

また京都市との共同企画のコーナーでは、来年5月に京都市で行われる国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)総会を前に、京都市開催記念イベントの一環として市民の皆さんに環境への意識を高めてもらうため、パネル展示や安成哲三地球研所長による「地球温暖化で雨はどう変わるか?」と題してのレクチャー等を行いました。


【質問ブース】

研究所からの一方的な発信ではなく、来場者からも質問や意見を受け入れ、双方の理解を深めるために対話を重視した「もしもし地球研」のブースでは、「生き物はなぜ死ぬの?」「海水はどうしてしょっぱいの?」などといった子どもたちからの素朴な疑問が寄せられ、研究者が丁寧に答えていきました。これらの疑問について、研究者と一緒に勉強した子どもたちには「ちきゅうけん博士号」が授与されました。

研究者紹介パネルやビデオもあり、地球研にはどのような研究者がいるかを知ってもらうよい機会にもなりました。

  • もしもし地球研

    もしもし地球研

  • もしもし地球研

【高校生によるパネル発表】

地球研が連携授業で協力する高校生によるポスター発表「17才の研究者」では、SSHに指定されている京都府立洛北高等学校や兵庫県立明石北高等学校の生徒さん、京都府立北稜高等学校の生徒さんによる1年間の環境学習の成果発表を行いました。発表内容は、植物や森、京都の文化・歴史の調査から、O脚についてや、果実の滑り(摩擦係数)を調べるものなど高校生ならではのユニークな発表があり、高校生と来場者の会話が弾んでいました。


【ゲームカフェRIHN】

食やエネルギーをめぐる問題を楽しく学べるゲームを考案している研究者による「ゲームカフェRIHN」を初めて開催しました。年齢を問わず参加者は頭をひねり、喜んだり、悔しがったり、暑さを忘れて意識を集中させて、環境問題の原因や解決法を学びながらともにゴールを目指しました。ゲーム終了者には一致団結したあかしとして、団員証が手渡されました。


【わくわくフィッシング】

身近な生き物や絶滅危惧種の生き物のモチーフを釣り上げる「わくわくフィッシング」は、小学生未満の小さい子どもでも簡単に釣れる単純な仕掛けにしました。所員手作りのイラストが描かれた生き物をつって子どもたちは大喜びでした。毎年、幼稚園や保育園のお子さんもたくさん来てくれるので、小さな子どもでも遊べるコーナーをつくるよう工夫しています。


【ちきゅう犬くん登場】

地球研のマスコット、ちきゅう犬くんも登場しました!地元の保育園のお友達と歌をうたったり、踊りをおどったり、いっぱい写真撮影にも応じて大人気のちきゅう犬くんです。


【すずしさへの工夫】

「涼しい川柳・涼しい4コマまんが」では、川柳や4コマ漫画で涼しさのアイデアを募集し、力作がそろいました!

また直に涼しさを感じてもらうために、正面玄関(外)には所員が氷をけずってつくった「氷のちきゅう犬くん」を展示しました。-10℃の冷凍庫で氷のかたまりを作り、地球犬の顔の形にけずったものです。さわるととっても冷たいので暑い中お越しくださった皆さんに涼を感じてもらい、一息ついてもらうことができました。写真を撮ってもかわいいので、インスタ映えです。


【オープンハウスを終えて】

今年も多くの方にお越しいただき、地球研を知っていただくことができました。とくに、今回のオープンハウスで経験したことが、子どもたちにとって新しい発見や驚き、環境を学ぶきっかけとなればうれしく思います。また近隣住民の皆さんや日頃から地球研の研究に関心をお寄せいただいている皆さまにとっても直接研究者と対話することや、最新研究成果を公開することでさらに研究活動への理解を深めてもらえたのではないでしょうか。

本イベントの様子はNHK京都放送やKBS京都のニュースで取り上げられ、年に一度の研究所公開に社会の注目も集まったことがうかがえます。

お越しいただきました皆さま、本当にありがとうございました。来年もさらにたのしい企画ができるよう知恵をしぼってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(広報室)

過去のオープンハウスコンテンツ、地球犬とナス子が世界のフィールドを旅する「地球犬と行く!世界の冒険」などが見られます。

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