かつて、北海道には、イヌ科の大型哺乳類であるエゾオオカミが生息していました。しかし、乱獲や餌不足などの要因が重なり、20世紀初頭までに絶滅しています。総合地球環境学研究所松林順研究推進支援員らの研究グループは、複数の博物館に所蔵されているエゾオオカミの骨格試料を対象に安定同位体を使った分析を行い、7個体のエゾオオカミの食性を復元しました。その結果、多くのエゾオオカミは専らエゾシカなどの陸上動物を食べていましたが、中には、海産物を多く食べている個体がいることが明らかになりました。カナダ沿岸の一部地域では、サケなどの海産物を多く利用する「海辺のオオカミ」が知られていますが、北海道のエゾオオカミもこれに近い生態を持っていた可能性が示唆されました。
この研究成果は、ロンドン動物学会の学会誌 「Journal of Zoology」誌(電子版)に2017年1月20日付け にて掲載されましたので、お知らせします。
詳しくは、 こちら(PDF) をご覧ください。
毎日新聞(1月28日朝刊 25面)、
京都新聞(1月25日ホームページ上)に掲載されました。