グローバルな環境問題に対応するための新しい思考や考え方の模索が続いている。その際、モンスーン・アジアは、経済発展とそのギャップの生み出す様々な問題のホットスポットであると同時に、豊かな自然に恵まれ長い歴史を背景にした文化的な蓄積を持つ点で、新しい知を生み出す大きなポテンシャリティを秘めている。
モンスーン・アジアという環境の中で人はどう生きてきたのか。そして、どのような未来をえがくことができるのか。
今回のセミナーでは、ギータ・A・キニ氏と大西正幸氏をお招きし、ベンガル語と日本語の語彙や文学作品の中に表れた雨の表現の検討を通じて、モンスーンという環境の中での人と自然の関係を明らかにしていただく。また、モンスーンに関する気候学の立場、インダス文明研究の立場からのコメントを予定している。
日・印それぞれの文化と歴史に関する対話により、人間と自然の関わりへの深い洞察と、新しい地球環境に関する価値観の創出の契機となることを目指したい。