- 日 時
- 2018年10月23日(火)13:00 - 24日(水) 17:30
- 場 所
- 琵琶湖博物館(⇒アクセス)
- 主 催
- I-URIC
- 開催趣旨
-
本ワークショップは、機構間連携・異分野連携研究プロジェクト『「よそもの学」の構築に向けた予備研究』の一環として実施します。「よそもの学」は、人やモノ・コトが境界を越えて移動することによって生じるシステムの自己・非自己の認識プロセスに焦点を当て、「よそもの」との対立や排除、融合やシナジーなどのダイナミズムを物質レベルから個体・集団レベル、そして、地域からグローバルスケールで俯瞰する新しい学問体系です。人類の誕生とともに始まったグレートジャーニーは、時として他種を絶滅に追いやり、また一方で新天地に生物・文化多様性をもたらしました。しかし、物流の発達に伴い、モノやコトが急速かつグローバルに拡散することによって、地域の生物・文化多様性は消滅の危機に曝されています。この問題を解決するには、自然科学と人文社会科学の境界を越えて新たな知を創発する超学際のアプローチが必要です。本研究は、「よそもの」である外来の生物や文化の移入が在来の生態系および人間社会に及ぼす影響を社会-生態システム動態として捉え、分子から集団レベルで評価する手法の開発を目指します。同時に、このシステム動態そのものが、人びとの世界認識や思想・哲学・倫理観に及ぼす影響を理解し、「よそもの」がもたらす功罪をシステムの内面(主観)と外面(客観)から捉え、価値命題として考察することを試みます。
本研究プロジェクトでは、社会や気候区分の異なる3 つの地域を比較対象として、「よそもの」が在来の生物・文化多様性に及ぼす影響を記述する事例研究を実施します。本ワークショップでは、温帯湖沼の事例として、琵琶湖に生息するコイとコイを利用する人間の文化に焦点を当てます。ユーラシア大陸に広く分布するコイは幾つかの系統群から成り、日本列島には種レベルで遺伝的に分化した固有系統が存在します。古来、コイは、生活や生業と密接に関わり、日本の文化に深く根ざしてきました。ところが、中世になり大陸との交易が盛んになると、舶来文化として外来コイが海を渡り、近代には食糧増産を目的とした大量移殖が試みられるようになりました。さらに、近年、コイヘルペスウィルス感染症の同時多発により、日本各地で在来コイの地域絶滅やコイ文化の衰退が懸念されています。しかし、古代から現世に至るコイ文化の盛衰と外来コイの受容過程の詳細は分かっていません。そこで、今回は、琵琶湖辺社会を中心としたコイ文化の歴史的変遷を紐解くとともに、外来コイが在来の生物多様性に及ぼす影響やコイ文化盛衰の社会的背景を考察する研究の構想と計画について議論するとともに現地視察を実施します。
- 連絡担当者
- 栄養循環プロジェクト 奥田昇
- 13:00
- 13:30-17:30
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- 18:00-20:00
- 21:00
- 8:30
- 9:30-11:00
- 11:00-12:00
- 12:15
- 12:30-13:45
- 14:00
- 15:00
++プログラム++
10 月23 日 研究会(場所:琵琶湖博物館)
草津駅集合:マイクロバスにて琵琶湖博物館へ移動
研究会
研究会プログラム
研究会趣旨説明:雨宮健太
参加者自己紹介
琵琶湖の事例研究紹介:奥田昇
琵琶湖のコイの由来と生態調査:馬渕浩司
安定同位体分析および環境DNA 分析より推定される琵琶湖のコイの生息地利用:内井喜美子
休憩
魚類耳石を用いた回遊履歴の復元:上原佳敏
在来ゴイと養殖ゴイの表現型変異の遺伝的背景:その研究アプローチを考える:小北智之
中世における琵琶湖産コイ・フナの消費:橋本道範
琵琶湖の漁業者からみたコイ:松沢松治
休憩
総合討論
懇親会「あやめ荘」
ホテル(近江八幡駅周辺)に移動・宿泊
10 月24 日 現地視察(琵琶湖)
ホテル出発
朝日漁協の組合員への聞き取り調査
堀切港に移動
堀切港→沖島(おきしま通船)
昼食を摂りながら沖島漁協の組合員への聞き取り調査
沖島→堀切港(おきしま通船)
近江八幡駅にて解散