2018年11月23日、宮崎県日之影町にて第24回地域研地域連携セミナー「未来への遺産ーこれからの日之影の人と自然」を開催しました。
はじめに、日之影中学校の生徒が「ふるさと自慢」を行ない、日之影の伝統文化、自然のすばらしさや、町民へのアンケート調査の結果を発表しました。
一つ目の講演では、兒玉良次さん(綾町役場・綾ユネスコエコパーク推進室長)に「なるほどユネスコエコパーク」と題し、お話をいただきました。宮崎県綾町のユネスコエコパークには、照葉樹林の保護や復元を行う「保全」、中学生向けの自然観察・勉強会の実施や大学との有機農業などについての研究協力を行う「学術研究支援」、環境や生態系を人々の文化や生活と調和させる「利用」、という3つの機能があると説明されました。自然を守りながら魅力ある産業を促進するなど、自然を中心とした生活文化を築きあげていきたいと話されました。
続いての講演では、荘林幹太郎先生(学習院女子大学 副学長・教授)に「持続的な美しい農業農村を目指して」と題し、お話をいただきました。農村の振興のためには農地からの価値をいかに高めるかが大きな課題となってきます。農地からは、農作物だけではなく、景観や生物多様性、さらには農作業にかかるさまざまな文化価値が提供されています。それらの価値を最大化するためにも地域の方たちとの協調が必要です。地域の協働を支えるための農業環境政策の重要性について話されました。
パネルディスカッションでは、髙見昭雄さん(特定非営利活動法人サン・ヴィレッジ 理事長)、三浦博文さん(畜産農家)、工藤建樹さん(森林の郷合同会社代表社員)にご登壇いただき、中学生の発表や、講演の内容についてそれぞれの立場からご意見をいただきました。地域の力を高めていくには若い人に日之影のすばらしさを再確認してもらい、将来に活かしてほしいと話されました。
本セミナーも地元の方にたくさんご参加いただきました。日之影町のみなさんが自分たちの地域の自然の美しさや恵みに自信と誇りをもっておられることを強く感じました。地元のみなさま、本当にありがとうございました。
■当日の様子
日之影中学校の生徒さんよる発表
兒玉さんによる講演
荘林先生による講演
パネルディスカッション