地球研地域連携セミナーは、世界や日本の各地域で共通する地球環境問題の根底を探り、解決のための方法を考えていくことを目的に、地元の大学や研究機関、行政機関などと連携して開催するセミナーです。第22回となる今回は、北海道大学にて下記のとおり開催いたします。
- 日 時
- 2018年6月30日(土)14:00-18:00
- 会 場
北海道大学大学院保健科学研究院(⇒アクセス)
- 主 催
- 総合地球環境学研究所,
北海道大学大学院保健科学研究院 - 共 催
- 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP),
地域自律型水インフラマネジメント - テーマ
- グローバルとローカルの視座から地域の人々の生活と健康を考える
- 概 要
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総合地球環境学研究所(地球研)のサニテーションプロジェクトでは、個人の価値観、地域のし尿に対する規範・文化・伝統・気候・経済などとサニテーションの関係を理解し、先進国と途上国の共通の目的として「サニテーション価値連鎖」を提案します。「サニテーション価値連鎖」の形成においては「健康」が重要な位置を占めます。また、「健康」は地域に暮らす人々の「生活」と切り離すことはできません。
このたび、地球研と連携協定を結んでいる北海道大学大学院保健学科学研究院の協力のもと、第6回「北大・地球研合同セミナー」を開催します。本セミナーではグローバルな視点とローカルな視点の双方から「生活」と「健康」について話題提供いただき、会場のみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
- 入場無料・申込不要
- 問い合わせ先
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北海道大学 大学院保健科学研究院
〒060-0812 北海道札幌市北区北12条西5丁目
人類生態学研究
Tel:011-706-3379 総合地球環境学研究所 広報室
Tel:075-707-2128
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4※平日の8:30-17:00にお問い合わせください。
プログラム
- 14:00 挨拶
- 14:10 趣旨説明
- 14:20 講演1
- 15:00 講演2
- 15:40 休憩(10分)
- 15:50 講演3
- 16:30 講演4
- 17:10 休憩(10分)
- 17:20 総合討論
- 17:50 閉会挨拶
安成 哲三(やすなり・てつぞう) 総合地球環境学研究所 所長
山内 太郎(やまうち・たろう) 北海道大学大学院保健科学研究院 教授・
総合地球環境学研究所 教授
「暮らしに伴う多様な糞便との関わりから考えるサニテーションの役割」
原田 英典 (はらだ・ひでのり) 京都大学大学院地球環境学堂 助教
基本的な衛生環境が整わない環境下では、糞便は生活環境中を移動・拡散し、ライフスタイルに応じた多様な経路を通じて一部は人にたどり着き、下痢などの原因となります。本発表ではベトナムとバングラデシュの事例をもとに、生活に伴う多様な糞便との関わりと、それに伴う健康リスク、さらにはサニテーションの役割について考えてみます。
「身近な生活環境における化学物質と子どもたちの健康」
荒木 敦子 (あらき・あつこ)北海道大学環境健康科学研究教育センター 准教授
私たちは、日々様々な化学物質に囲まれて生活をしています。多くの物質は私たちの生活を便利で快適にする一方、健康への影響が懸念されている物質もあります。本発表では、札幌や北海道で実施した調査結果から、私たちの身近な生活環境で利用されている化学物質と、特にそれらが子どもたちに与える影響の可能性について紹介します。
「エコヘルスからアジア発展途上地域の「健康」を考える」
蒋 宏偉(じゃん・ほんうぇい) 総合地球環境学研究所 特任助教
アジア発展途上地域の経済発展は、住民生活の改善に貢献したとともに、生業、生活環境と様式の変化ももたらしています。こうした背景に、人々の健康をめぐる状況も様々であり、中国のような生活習慣病の顕在化と高齢化による「未富先老」の地域もあれば、ラオスのような感染症の脅威・栄養失調と急激な外部開発の併存する地域もあります。本発表は、エコヘルス研究を紹介しつつ、来場者と一緒にアジアの「健康」を考えていきたいと思います。
「「地域生活価値」と「ひと・もの・価値フロー」を通じて地域の生活とインフラ運営を考える」
牛島 健(うしじま・けん) 北海道立総合研究機構 北方建築総合研究所 主査
地方部では、分業によって効率化した都市とは違って、生活と産業と地域運営が一体となって営まれることで成り立っている事柄がいろいろとあります。そうした視点から、人々の生活や幸福感にも目を向けながらインフラの研究をしていますが、実際はなかなか難しく、本発表ではそうした苦悩も含めてご紹介したいと思います。
齋藤 健(さいとう・たけし) 北海道大学大学院保健科学研究院 研究院長