出張者:上杉彰紀
出張先:プネー(デカン・カレッジ)
 
2007年8月 インド出張報告
 8月2日から8月22日まで、インド・プネーにあるデカン・カレッジに出張しました。今回の目的は今年4月に発掘調査を実施したハリアーナー州所在ギラーワル遺跡の出土遺物の整理です。現在、発掘調査を担当したV.シンデ教授を中心に発掘調査報告書を作成中であり、私は報告書に掲載する実測図および写真等の記録の作成を担当しています。
 ギラーワル遺跡はすでに道路建設によって削平・破壊が進んでおり、発掘調査前の段階においても地表面に遺物が散布し、遺構が露出した状況にありました。4月の発掘調査は緊急調査の性格を帯びたもので、約1ヶ月の調査が実施されました。発掘調査の結果、数多くの土坑や土器焼成用の窯跡などが検出されています。土坑の中には竪穴住居の可能性もある大型土坑や貯蔵穴に推定される例などが含まれています。出土遺物には土器のほか、銅片や骨器、石器などがあります。
 時期的にはインダス文明以前(前2600年以前)の遺跡と推定されますが、パンジャーブ地方東部の先インダス文明期の遺跡に関しては、これまでほとんど正式な報告例がなく、ギラーワル遺跡の調査報告書は重要な資料となりそうです。
 詳細は今年度末までに出版される予定の報告書をお待ちください。
 
■ 出 張 報 告(2007年度)
出張日:2007年8月2日- 8月22日