第31回地球研市民セミナーが開催されました


第31回地球研市民セミナーは、「南極から地球環境がよく見える」と題して、3月13日に地球研セミナー室で開催され、講師を齋藤清明総合地球環境学研究所教授、中尾正義・人間文化研究機構理事、司会を白岩孝行総合地球環境学研究所准教授の3人の元南極観測隊員が務めました。

まず、39次夏隊(1997年〜98年)に日本新聞協会の代表取材記者として同行した斎藤教授が、南極観測について紹介。地球に残された自然のままの大陸である南極は、氷と雪の極寒の地だが、日本の観測隊は50年余、南極隕石やオゾンホールの発見、氷床ボーリングによる過去の地球環境の解明などの成果を得たこと、いま南極観測は「地球環境を探る窓」であるとともに、国境や軍事基地のない「平和と科学のための大陸」であることを強調しました。

続く中尾理事は地球研創設時から昨年までの地球研勤務の前に南極観測の第12次隊(1970〜72)と24次隊(1982〜84)の越冬隊員を務めた南極のベテラン。内陸の基地建設やそこでの滞在の経験をもとに、南極の環境とごみ処理や水の使用量など、「人間が暮らすだけでも環境に大きな影響がある」と述べました。

講演後は35次越冬隊(1993年〜95年) の白岩准教授の司会によるディスカッションが行われ、フロアからも、資源や環境についてなどの質問が多く、論議が盛り上がりました。

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写真左から、齋藤清明地球研教授、中尾正義・人間文化研究機構理事


司会・白岩孝行地球研准教授(写真左)、議論の様子(写真中)、会場の様子(写真右)