- その他の成果出版物
レジリエントな地域社会 Vol.5
農の景観とアグロエコロジーからみた地域のレジリエンス
-福島県中通りと浜通りにおける新たな試み―
天災や人災によって生じた危機を地域社会がどうやって乗り越えるのか。復興や再生にあたって地域とその生態系が持つ潜在的な力をどう活用できるのか。これらの問題は、災害と持続可能性の研究にとって重要な課題です。その際に鍵になるのが、社会と生態系のレジリエンス(弾力性)という概念です。
本書では、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の大災害から十年余の歳月が過ぎ、今なおさまざまな影響が続いている福島県の浜通り(太平洋側海岸部)と中通り(太平洋側水系の内陸部)において、福島の大地に根ざした農家の方々の新たな試みを紹介しています。編者たちとの対話を介したこれらの農家の方々のことばには、大地に生きる矜持と緊張が満ちていることが強く感じられます。そのダイナミックな視点は、地域のレジリエンスとは何かを読者に鋭く問いかけるとともに、地域に根ざしたレジリエントな社会への道筋は多様であることを、私たちに気づかせてくれます。
本研究活動は、人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」の地球研ユニット「災害にレジリエントな環境保全型地域社会の創生」の一環です。
刊行物情報 | 羽生淳子 後藤康夫 後藤宣代 編 発行 人間文化研究機構広領域連携型基幹プロジェクト「日本列島における地域社会の変貌・災害からの地域文化の再構築」, 2021年12月27日 ISBN 978-4-906888-88-7 A5判 133頁 非売品 |
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